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美術展

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美術展に行った感想、気になった作品や作家について書いています。
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#SOMPO美術館

ゴッホの「学び」 と、ルノワール

SOMPO美術館で開催中の <ゴッホと静物画 展>。 このチラシ(ヘッダー写真)を見たとき、既視感を覚え「あれっ?またゴッホの静物画をやるんだぁ。」と思ったのです。 しかし、しかし。主催者のあいさつ文を読んで驚きました。 そうだったのですね。。。よく似たチラシを2019年〜2020年に見ていたのかもしれません。 一度白紙に戻したプロジェクトをまた一から調整し、実施にまで漕ぎ着けることがいかに大変か・・・この3年間、関係者のご苦労を考えると頭が下がる思いです。よくぞ開催してく

三つの<ブルターニュ> Partie 2

同じ日に鑑賞した二つのブルターニュ展、 [A]SOMPO美術館<ブルターニュの光と風>(以下、<SOMPOブルターニュ展>と表記)と [B]国立西洋美術館<憧憬の地 ブルターニュ>(以下、<西美ブルターニュ展>と表記) について前回投稿しました。 異なった文脈から同じテーマを鑑賞することで、考えさせられることも多かったのです。 午前中に訪れた<SOMPOブルターニュ展>の会場で、解説パネルに見つけたフレーズ、 「“ステレオタイプのブルターニュ人” を画家たちは描いた」。 こ

三つの <ブルターニュ> Partie 1

二つのブルターニュ展に行ってきました! 午前中…[A]SOMPO美術館 <ブルターニュの光と風>展 (以下、<SOMPO ブルターニュ展>と省略) 午後…[B]国立西洋美術館 <憧憬の地 ブルターニュ>展 (以下、<西美 ブルターニュ展>と省略) フランス北西部、大西洋に突き出た半島を中心とするブルターニュ地方。そこに旅行・滞在し、または移り住んだ画家たちと、ブルターニュ地方を描いた作品群を取り上げた二つの展示会です。 聞くところによると、二つの美術館は申し合わせをしたわ

スイス プチ・パレ美術館に学ぶ・後半戦

前回は<スイス プチ・パレ美術館展>の【印象派】【新印象派】【ナビ派とポン=タヴァン派】を振り返りました。 美術展に行くと本当に学びが多いのです。なかなかまとめきれません。 今回は <スイス プチ・パレ美術館展>・後半戦。 少しスピードUPしてサクサク進めていくつもりです。 ******************** 第4章 【新印象派】から【フォービスム】まで。 【フォービスム】もまだまだ未知の世界。楽しみです。 ちょっと気になる作品でスタート。 筆に 白い絵の具を厚

スイス プチ・パレ美術館に学ぶ・前半戦

“20世紀絵画をもっと知りたい!” スイッチを押してもらった私は、 <自然と人のダイアローグ展> → 次に、前回投稿した <ルートヴィヒ美術館展>に行ってきました。 そして「セザンヌに影響を受けた画家たちや、【キュビスム】初期の作品がもっと見たい!」と、次に選んだのが <スイス プチ・パレ美術館展 〜印象派からエコール・ド・パリまで〜>。 最初は「うーーーん、【印象派】かぁ…」と思っていたのですが、公式HPに 「19世紀後半から20世紀初頭のパリでは、印象派、新印象派、ナビ

二人のアンリ・<シダネルとマルタン展>

以前から違いがよくわからず 区別がつかなかった二人の画家。 アンリ・ル・シダネル(1862-1939年) アンリ・マルタン(1860-1943年)。 私がこれまでに観た作品はごくわずかなのですが、二人の画家に対して同じような印象を持っていました。 最初に観たのは、国立西洋美術館 所蔵・マルタンの作品。 常設展示室では、新印象派シニャックの隣に並んでいました。マルタンは【新印象主義】の[点描技法]を用いた作品を描いているのですね。マルタンがカンヴァスに乗せた点描は、シニャッ