【Fallout76】パッチ23後のビルド&装備&取引経済【PS4】

やあ! 私は『KurenaiFushino』という名前でアパラチアを旅している者だ。特に、最近では中堅どころの装備をウェストバージニア中にお届けする商人として、日々重量制限と戦っている。

それはそれとして、今回は取引やその際のやり取りで見えてきた変化がだいぶ溜まってきたので、自分の備忘も兼ねてつづりたいと思う。

優秀なレジデントの諸君にとっては、釈迦に説法、擦り切れた映画フィルムのように退屈なものとなってしまうかもしれない。また、これは主観を多分に含んだ手記であるため、必ずしも正しいとは限らないことをご留意いただきたい。

パッチで大きく変わったこと

ざっくり言ってしまうと、ダメージ計算に用いる『ダメージボーナス算出』が大幅に変更された。概念的には、ダメージバフが乗算だった多くの箇所が、加算へと変更された。以下は、そのイメージである。

旧:【ダメージ】=【基礎攻撃力】×【バフ1】×【バフ2】×【特殊バフ】
新:【ダメージ】=【基礎攻撃力】×(【バフ1】+【バフ2】)×【特殊バフ】

よって、かつては複数のカテゴリが異なるバフを盛ることでダメージが複利的に上昇していたが、現在は単純に盛ったバフの絶対量(≒コスト)に比例する形となっている。
すなわち、現在では特定のSPECIALを極端に高くせずとも、バランス振りでPerkポイント効率が良いところまで取得するなどしても、大きく火力の差が出にくくなった。

一方、レジェンダリーの『処刑人』、ウェスタンリボルバーの『シビアレシーバー』など、未だに乗算でつくボーナスは存在している。

また、以下では私が実地でそれとなくダメージ検証したデータがあるので、参考に記載しておく。

ビルドについて

2103年現在のアパラチアでは、大別して3タイプのビルドに分かれると考えている。

1.不屈+NerdRage
2.やや不屈(いわゆる不屈ジャンキー共生型)
3.ヴァンガード(HP満タンを保つ)

また、前述要素に以下のような派生が加わることで、ビルドの選択肢は細かく分かれていく。

1.PAか生身か
2.ステルスするか
3.クリティカル運用か
4.遠距離か近接か

語るときりがないため、ざっくりと大枠3タイプに加え、PAの有無で解説していく。

1.不屈+NerdRage
みんな大好き元祖不屈特化である。これは、システムの変異を前提としており、とにかくHPを低くした際の恩恵をこれでもかと盛りまくるビルドだ。また、不屈とは防具のレジェンダリー効果からそう呼ばれるようになっているが、PAの場合でも同様に呼称することはある。
両者の違いは、生身はSPECIALが高く爆発の耐性を選択できる。PAは緊急プロトコルとPA補正による硬さで低HPでも比較的安全、といったところか。

ちなみに、パッチによる変更で恐らく人口減少していると思われる。理由としては、低HPによる恩恵の大目的であるダメージボーナスが加算になったことで、他のビルドとの火力差が大幅に縮まったためだ。

2.やや不屈
HP20%以下の発動条件を持つ、NerdRageを使わないタイプだ。単純にHPの削りが甘いため特化するよりは耐久寄りで、利点にはHP調整がそこまでシビアではないことも挙げられる。

パッチ以降では、最もどっちつかずで扱いにくいものと思われる。どちらかというと、不屈+NerdRageがデイリーオプスへ向かう際にPerk換装する程度の需要ではないかと考えている。

3.ヴァンガード
ついに、アパラチアの世界にタンクビルドという概念の萌芽が生まれた。かつての環境では不屈勢との火力の差があまりにも大きく、人によっては辛辣な評価を下していた。
ヴァンガードとは、防具レジェンダリーからきている呼称で、HPが高いほどアーマー性能が向上するものだ。そして、残念ながらHPが多いほど恩恵を受けられる効果は、このヴァンガード以外に存在しない。

パッチ以降、明らかにその人口は増えた。デスペナルティの軽いアパラチアの世界では、生き急いでも火力という志向が強かったものの、やはり死なないことは快適さにつながるため選択肢として強くなった印象だ。また、弾薬の確保が比較的容易になったことも、これを後押ししていると考えている。

武器について

パッチで大きく変わったことの項目にてダメージ検証を行っているが、武器に付与されるレジェンダリー効果によってその性能と運用は大きく変わる。以下は、特にメジャーに語られる効果たちで、価値判断に迷った場合はとりあえず残しておけば使いどころがあるかもしれないものだ。

1.血濡れ
みんな大好き不屈の相棒。効果は、HPが低い状態であるほどダメージが上がる。その上昇幅はすさまじく、90%の補正を得たまま運用することも可能だ。

2.ジャンキー
アルコール、薬品の中毒1つにつき10%のボーナスとなり、最大50%向上する。難点と言えば、中毒によって付与されるデメリットと、中毒をつける際の薬品選びの手間だろうか。

3.ツーショット
トータルダメージを25%向上し、発射弾丸を+1する。ただし、反動と命中精度が悪化し、HIT数が増えるため耐久の減少も早くなる。また、単発ライフルなどの場合は、同じ威力の弾が飛んでいく仕様かつ、ダメージ表記位置が重なるため表示がとてもややこしい。

4.対アーマー
敵のアーマーを50%少ないものとして計算する効果。アーマー無視が複数ついた場合は乗算である。特性上、武器の基礎攻撃力が低かったり、対象のアーマーが高い場合に効果を発揮する。過去のアパラチアではダメージの上がり方が大きくなかったため軽視されがちだったこともあり、今でもベンダーに安値で置いてある場合がある。

5.クアッド
弾幕を張れば相手は死ぬ(INT1)。その効果は、装填数4倍という破格のもので、弾薬供給が緩和された今は武器によってはDPS上の最適解となる一線級効果に昇格。一方、一部のヘビーガンにつかない。『基礎装填数×4倍+-マガジン補正』が最終的な装填数。かつてはダブル(装填数2倍)という下位互換があったことなど、性質も特殊である。

6.ヴァンパイア
弾丸がHITするたびにHPが回復する。書けば単純であるが、その回復量は発射レートの高い武器においてはまさに不沈艦ともなりうる脅威の効果である。現在はデイリーオプスの快適な攻略を求める際に、選択肢の有力候補となる効果だ。

また、レジェンド効果には、2枠目、3枠目の効果が存在する。その中でも特に人気と言えるのが以下だ。

1.爆発:2枠目
みんな大好き爆発。弾丸が爆発するようになり、範囲に20%の追加ダメージを与える。また、ツーショット、ヴァンパイアなどの効果も適用されるうえ、武器の耐久値減少のHITカウントも増える。特にツーショットに関しては、火力が疑似的に乗算となるため非常に強い。
この効果で増えるダメージは爆発のカテゴリに属し、専用の減衰値が存在する。また、HIT判定位置がおかしいため、足元を打った方がダメージが出る場合がある。
一方、かつてはエネルギー武器にも付与されてドロップしていた時期があるが、現在では仕様として出現しなくなり、現存するもの以外の流通数増加が見込めなくなった。また、エネルギー爆発は非常に大きな問題も多数抱えているが、そちらは後述する。

2.クリティカルダメージ増加:2枠目
ステルスクリVATSビルド御用達の効果。特に、極まったビルドでは3連射するうち2発にこのクリティカル補正を適用できる(理論上)。よって、純粋にダメージバフとして考慮することができるため、非常に有益である。

3.発射速度上昇:2枠目
よく、クリティカルダメージと選択されやすい効果だ。発射レートが25%向上するとあるが、考え方としては弾薬を消費する乗算ダメージボーナスである。よって、武器種、ダメージバフの量によっては、クリティカルダメージと比較した場合DPSで勝るケースもある(と思われる)。

4.VATS命中率上昇:2枠目
VATSの命中率を補正する効果で、ダメージには寄与しないためやや優先度は低い。しかしながら、特定の外しやすい武器であったり、サプレッサーがつかないもののステルスしたい……! なんて場合に選択肢に上がるかもしれない。また、AGIが足りずステルスが解除されやすいなどのケースでも、間接的にステルス向上に用いることができる。

5.VATS消費AP25%減少:3枠目
AP効率が良くなるということは、火力が上がるということだ。特にクリティカルビルドにおいて真価を発揮し、DPSに差が生まれる。ただし、あくまで割合減少であるため、レールライフルのオートなどもともと消費が軽い場合は、相対的に恩恵が薄い。逆に、ハンドメイドライフルでVATSオートをする場合などに選択肢に挙がるか。

6.クリティカルメーター蓄積速度15%増加:3枠目
VATSモードでHITする際のゲージ蓄積が向上する。そして、LUCK23とCriticalSavvyレベル3を適用している場合は、この効果を合わせることでLUCK33の場合と同様に1HITでクリティカルを回すことが可能になる。つまり、LUCK33を実現しにくいビルドにおいて有益となる。

7.リロード速度15%上昇:3枠目
マガジンを交換する速度が速いということは、火力が上がるということだ。また、スキが少なくなるため被弾して怯んで弾が装填できず、死亡。そんなシーンを減らすことができるかもしれない。特に相性が良いのは、VATSをあまり使わず、リロードが長い高発射レート武器だ。

8.重量90%減少:3枠目
武器の重量を文字通り減少させる。一見地味ではあるが、もともと重いヘビーガンを複数担ぐ際に候補に挙がりやすい。また、単にスタッシュに放り込んで置いたり、CAMPの飾りつけに有効という観点でどちらかというと快適さの向上が大きい。ただし、軽減できるのは本体の重量であり、MODの改造が含まれないためライフルなどはそこまで軽くならなかったりする。

ざっくりとかいつまんで挙げた以上のレジェンダリー効果で3枠埋まった場合、アイテム価値が向上しやすいと考えていい。ただし、それぞれの効果は向いている武器種が異なるので、その点には留意するべきだろう。
例として、ヘビーガンはVATSを使うものが少ないため、VATSやクリティカルに関するものはハズレ……といった具合である。

ビルドと武器選び

ここまでの記載で、Vault76出身の優秀な監督官候補生の諸兄らはお気づきだろうが、この武器が最強という明確な答えはこのゲームにおいて存在しない。
しかしながら、ビルドに合わせて持たせることで、火力を追究したり、快適になったり、不死身になったりといくばくかのシナジーは存在する。それについて、知りうる中である程度メジャーなコンセプトを記載する。

1.不屈+NerdRageのシナジー
まず、不屈を採用する場合に最も汎用性が高いのが、血濡れ効果になる。こちらはすでにご紹介済の通り、大変有効なシナジー形成が行われる。一方で、PerkのTenderizerが適用されにくく、ダメージバフの盛り方が充分である場合は対アーマーが最高火力となるケースがある。

基本的には血濡れが前提で、VATSを使う場合にはクリティカルダメージ、ヘビーガン系であれば発射速度など、状況に応じて選択していく。特に、汎用性で考えた場合は発射速度が非常に良好である。

また、ステルスが前提になる場合においては、爆発のレジェンダリーは避けたり、サプレッサーを装着可能な武器を選択するように。事実上ステルス運用可能な装備は、こうした武器種による制約もあったりする。

2.やや不屈
強みは大体何を担いでもそこそこのパフォーマンスを発揮できる点。血濡れ、ジャンキー、対アーマーいずれに関しても適応可能なためある意味武器はとても探しやすい。

また、ヴァンパイアを担ぐことで不屈特化よりも倒れにくく、程よく火力と耐久の恩恵を受けながら快適にプレイすることが可能である。最低限の資産で色んな武器を試してみたいという場合は、このビルドでしばらく武器の使い比べをしてみるのもよいだろう。

私は、むしろパッチが来る前はこのビルドで生活していた。

3.ヴァンガード
絶対的安心感。正反対の血濡れとは相性が悪いが、そのほかの武器とはいずれも良好で、耐久面に特化する場合はヴァンパイアという最高の選択肢がある。

特に語ることがこれ以上ない。

このような形で、基本的にビルドに合う、合わないが前提に存在する。そのうえで、今のアパラチアにはいずれのビルドがどれくらいの分布で存在するかで、おおよその各武器とレジェンダリー効果の相場は決定されるだろう。
ただし、このゲームは中央オークションのような装備の売買システムがないため、露店売りの一期一会とSNSでの募集に流通が依存している。そのため、正確な相場を定義することはなかなか難しいため、いくら出せばその装備が手に入るかを考えることはあまりあてにはならないことに、注意が必要だ。

もし、目的の装備品が欲しいと感じた場合は、ゲーム内のCAMPを片っ端から検め、TwitterやDicordなどで取引を募集してみるのが近道だろう。自力ドロップを狙うことは、基本的には確率の観点で厳しい。複数の良品を確保したら、諸兄らが本当に求める装備を募ってみるのがおすすめだ。

トレード沼にハマると、武器商人気分で売買記録管理まで始めてしまう呪いにかかるが、それはまた別の機会に。

理の外に存在するモノたち

ここでは、いくつかゲーム規則から外れてしまっている要素と、過去は存在したのに廃止された要素とその遺物、についてを主に扱っていく。

1.乗算でのダメージ補正
主にわかりやすい点では、処刑人のレジェンダリー効果やウェスタンリボルバーの改造モジュールがこれに当たる。

問題なのは、記憶に新しく扇動のレジェンダリー効果などが加算に変更された点で、現在存在している乗算系効果が全て加算へと変更される可能性がある、という点だ。

よって、現在はこの恩恵により十分な火力を発揮しているシーンにおいて、パッチ一つでゴミへと変貌するリスクを常に抱えている。そうした背景からか、現環境では比較的有益であってもなかなか価値が上がりづらかったり、アプデを恐れるような状況にすらなっている。

2.エネルギー銃の爆発レジェンダリー
これを話題に出すこと自体がリスクではあるのだが、装備を考慮するうえで避けて通れないため最後に語ることにする。

2103年のアパラチアでは、エネルギー銃と爆発の組み合わせの装備はドロップしない(厳密にはドロップしない他の組み合わせもある)。また、こうした現環境でドロップ品が入手不可能となったアイテム群をレガシー(遺産)と呼ぶ。発売当初こそ、このエネ爆と呼称されるレガシーはハズレ枠であったが、現在のアパラチア取引市場では最高クラスの価値がある装備となってしまった。

原因としては、複数の事象が混在しているため非常にややこしいが、ざっくりと挙げると以下である。

1.エネルギー武器のダメージが上方修正された
2.エネルギー武器の耐久が上方修正された
3.エネルギー爆発武器がドロップしなくなった
4.エネルギー爆発はバグを抱えており表記ダメージの100%の爆発が発生する(散弾化モジュール武器では、弾丸全てが適用のためとんでもない火力になる。テスラショットガン、スプリッターガトリングプラズマなど)

という具合だ。これにより、現環境では他の武器が入る余地なく最高の火力となってしまった。ここまでの記載で最強の武器は存在しないといったが、火力と価値においてはこのエネ爆という遺産が間違いなく最高である。ただし、爆発ダメージは自身すらも巻き込んで紙袋と化すため、レジデントによっては使いづらいという評を下す者もいる。また、入手困難である性質上所有者と非所有者間でのトラブル、トレード時の詐欺、RMT業者や、グリッチによる複製品流通など、ゲームの本質から逸れた箇所での課題も多い。まさに負の遺産である。

1つだけ言えることは、このエネ爆においても修正の算段が付いた暁には、何らかの下方を迎えることになるだろう(とはいえ検知から2年も放置されているのだが)。

最後に

ある程度訓練されたレジデントたちは、ここに記載した内容など不要であったと思われる。しかしながら、現在のアパラチアにはいまだにVault76を出たばかりの見習いたちも存在していることは事実で、少しでも助けになればよいと思う。

また、多くのプレイヤーは己の見える範囲でビルドを練り、最適装備を求めて山脈のあちこちを駆け巡っていることだろうが、たまには選ばなかった選択肢を思い出してみるのも楽しみ方の一つだと考えている。そして、また一つ新しい旅を始めてみるのも一興ではないだろうか?

――――この備忘が、貴方の旅路の祝福となれば幸いである。

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