見出し画像

今のやり方ではもう限界

こんばんは、ラクロス監督の陽一です。

今回は
・下級生中心のチーム
・強かったり弱かったり、毎年ムラのあるチーム
そんなチーム向けの内容です。

◎今回のテーマ

『少人数の限界』

◉久々の記事

本当に久々の記事になります。正直なことを言うと、色々悩みすぎて全くブログには手が回りませんでした。
悩んでいたのは今の岩手大学のチーム状況についてです。

今回はその悩みをこちらで打ち明けるとともに、それを打開するための策についてお話ししたいと思います。

◉現在の岩手大の人数構成

昨年10月、4年生が引退し新チームとなりました。僕の悩みはここから現在まで続いています。昨年の4年生はそこそこ人数もいて、能力的にも“それなりに”高いメンバー(そう簡単には褒めないぞw)が揃っていました。だからこそ少人数とはいえ東北地区内でも上位で戦えたのですが、今年はそうもいきません。
なぜなら、現在の岩手大の選手構成(長期離脱のケガ人除く)は
4年 3人
3年 3人
2年 7人
1年 9人

の計22人。
ラクロスは99%大学から始めるスポーツなので、当然ながら1年生はド素人です。
ざっくり戦力分析しても2〜4年生で13人。2年生なんてラクロス歴1年ちょっとなので素人に毛が生えたようなものです(しかも2年生の2人は12月入部)

…これは穏やかではありません。

◉皆さんならどうしますか?

この人数で今年のリーグ戦を戦わなければいけない。
今まで「少人数チームでもやり方次第でなんとかなる!」なんてイキってましたが、さすがに少数すぎる。。
マジでこれでは試合にならない、そんな悩みを抱えてもがいてきました。
そして、今になってようやく方向性が定まったという状況です。

もしかしたら岩手大と同じような人数構成のチームが全国にはあるかもしれません。
もしこんなチーム状況だったら皆さんのチームはどうしますか?
一体何から手をつけ、何を強化していきますか?

◉今シーズンの岩大の取り組み

ここからは「今年の岩大はこうしますよ!」というのをお伝えします。何かの参考になれば幸いです。

『1、2年生中心のチームづくり』
①1、2年生を積極的に1軍登用
②部員数を増やす
③環境の構築


これが今シーズンの方針です。

◉『1、2年生中心のチームづくり』

まずはテーマについて説明します。
その前に、まずはチームづくりの軸について。

そもそもチームづくりは「軸」を設定しなければいけません。
軸とは
「こういうチームにする」
という指標のことです。

この軸を設定しないと
「なんでこの戦略、戦術をする?」
「なんで自分はAチームじゃないのか?」
「なんでこの練習をするのか?」
「なんでこの取り組みをするのか?」
といった疑問がチーム内で出てしまい混乱します。
大事なのは「納得感」で、「それなら仕方ない」という気持ちであっても、納得できるかできないかで取り組みレベルは大きく変わってきます。

そして、軸の設定で特に大事なことは、「極端なものを設定する」ということです。極端にしないと本当に達成したいレベルまで行き着けないからです。

まさに目標設定も同じ考え方ですね。
達成したらマジで最高なレベルを「到達点」とし、本当に達成したいリアルなものを「通過点」にする。
この「到達点」を目標として設定する感じです。

たとえるなら、「世界新記録」を目標として「オリンピック金メダル」を通過点とするような。
当然、目標を達成するレベル(覚悟)でやらなければいけないので、日々どうすれば世界新を出せるか考えながら取り組むことになります。

このように、何か成し遂げたいものがある場合「極端な到達点を設定する」のはとても有効です。

ということで、先ほどの方針に戻りますが、
『1、2年生中心のチームづくり』
ということは、
「1、2年主体で戦う」
と同義です。
これが今回の岩大の極端な「軸」です。

毎年東北地区で決勝を戦ってるチームが行うような戦略とは思えませんね。。でも、僕はこれでいいと自信を持っています。

なぜなら、先ほどの人数構成を考えれば、「3、4年生中心」という戦略にはできません。3、4年生合わせて6人ではスタメンよりも少ない人数だし、見方を変えれば、
「1、2年生は必ず試合に出る」
とも言えます。

そして、「成長」というポイントで考えれば3、4年生よりも1、2年生の方がはるかに可能性(伸びしろ)があります。
だからこそ、この「必ず試合に出場しなければいけない1、2年生」の強化を最優先にすることが最も近道だと判断しました。

まさに
「1、2年生の成長がそのままチームの成長に直結する」
という考えです。

さて、ここまで見ていかがでしょうか?

おそらく、
「人数構成見たらそんなのは当然じゃないか」
「それならウチも同じだよ」
と思われる方も多いと思います。

でも、それを「考える」のと「本当にやる」、さらにそれを「極端にやる」かどうかは全く違くて、多くのチームは同じようなことを「考えて」も「極端にやる」ところまでははなかなかできないんじゃないかと思うんです。
それが次に説明する内容となります。

◉1、2年生を積極的に1軍登用

『1、2年主体で戦う』という軸は定めました。でも、本当にそれを極端に断行できるでしょうか?
極端にやるということは以下のような感じです。
①1、2年生を積極的に1軍にあげて練習に取り組ませる
②1、2年生中心で試合に出場させる(たとえ1年生抜きで人数が足りていたとしても)

①について説明すると、
多くの場合、「1、2年生主体」と言いつつも、やっぱり3、4年生のための練習、体制でチームづくりを進めるものです。
なぜなら、
2年生はラクロスのルール理解度や基礎技術がまだまだ低い。
1年生はラクロス始めて3ヶ月の素人。
このようなメンバー主体だと、どうしても下級生のレベルに合わせた練習メニューに限られてしまうからです。
どうしたって経験値的に3、4年の上級生の方が上手いわけですから、上級生はフラストレーションが溜まります。
果たしてこの状態でも1、2年生主体の練習を推し進めることができるでしょうか?

②についても同様です。
「1年生抜きで人数的に試合は成り立つ」状態であっても、1年生を積極的に試合に出す。そして2年生中心でゲームを組み立てる。それで試合にならなくても構わない。(もちろんハナから諦めることはしませんが)
果たしてこんなことを続けられるでしょうか?

①も②も本当にしんどい取り組みです。
でもガマン!

もっとレベルの高い練習をしたいけど、ガマン!
試合できっとボロ負けするけど、ガマン!
すべては1、2年生が成長した数ヶ月後のために。
ひたすらガマン!!

そんなガマンの先で状況を一変させる会心の一手が打てる。そう信じています。

これが、今僕が悩みに悩んで取り組んでいる「ガマンの育成」です。
今シーズンはこの育成で戦います。

◉部員数を増やす

ここからは今後を見据えての話、そして自戒も込めた話です。

これまで僕は「少人数でも負けない戦いをやるんだ」と言って、さまざまな打ち手を考えてきました。
でも、それを繰り返していくうちに
「岩大は少人数が当たり前」
という考え方が定着していました。

ところが、今シーズン3、4年生合わせて6人という状況を目の当たりにし、いよいよ限界を感じ始めています。

「少人数での戦い方」ではなく、次は「部員数を増やす」ための策をもっと実行しなければならない。
(本当はガマンの育成とか言ってる場合じゃない)

だから、部員数の少ない状況でなんとかするのはもうおしまい。
これからは根本の「人数」から変えていく。
だから、僕自身はラクロスの指導よりも部の「運営」にもっと注力すべきだと。

チームブランディング、チームビルディング、その他チームとしての価値を高める活動が岩大という弱小チームを根本から強くするために必要なんだと再認識しました。

◉環境の構築

これが最後の項目です。
そして、チーム運営において今年最も学んだことです。

ここから先は

2,364字

¥ 590

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?