見出し画像

チームはもっと大きくなれる

こんばんは、ラクロス監督の陽一です。

今回は
・部の組織的な部分を変えたいチーム
・部のOB OGとの関係性に悩んでいるチーム
・すでに部のOB OGとなってしまった人
そんなチーム、OB OG向けの内容です。

◎今回のテーマ
『現役だけがチームじゃない』

◉OBへの投げかけ

岩手大には歴代主将と幹部が参加している主将会LINEグループがあります。このLINEグループはOB総会のときやOBに協力をお願いしたいときに使われることが多いのですが、先日少し変わった形で僕からそのLINEグループに投げかけを行いました。

投げかけた内容は
「OB(主将幹部)のみんなと議論したいことがある」
というものです。

今回は、それが「どんな内容でどんな意図があったのか?」ということをお話ししたいと思います。内輪ネタにはなりますが、OBと関わりのあるチーム、または関わりがないチームにも参考になる内容だと思いますのでぜひ。

◉これまでの関わり方

今から6年ほど前、僕が岩手大のコーチに就任して8年ほど経ったときですが、このときの岩大はOBとの関わりがほとんどなく、現役部員だけで活動しているようなチームでした。
OBとの関わりと言えば、院生のOBがたまに練習に来てくれるくらいで、OBとしての独自の活動はありませんでした。

でも、そんな中でもOB会を作ろうと動いてくれているOBもいました。しかし、ラクロスから離れてしまい県外に散ってしまったOB同士を繋げるのはなかなか難しかったようで、近しいOB同士が集まってもOB会が作られることはありませんでした。

僕はこの進展しない状況にヤキモキし、最終的には「もうおれが動いてやる!」と勝手に進め、「"現役主催"でOB総会をやろう!OBを招待しよう!」と現役部員をけしかけて初めてのOB総会を開催したのです。

当然賛否はあり、OBからも現役からも反発はありました。部外者のコーチが強引に進めてOB総会を開催したことで「何勝手なことをやってんだ」と不満に思うOBもいましたし、「OBとつながりを持ったところで何になるんだ」と嫌がる現役もいました。(これは今も変わらずです)

が、僕はOBと現役をつなぐことはチームのためにもOBのためにも絶対に必要だと思っていたので、賛否なんか気にしませんでした。

◉OBと現役をつなぐ意味

はっきり言ってしまいますが、OBと現役をつなぐことは
両者にとってメリットしかない
です。

でも、これについては若いOBと現役はまず気づけません。
OBと現役をつなぐ大切さは歳をとればわかります笑

・現役がOBとつながるメリット

僕も現役の頃は早稲田のOB総会はめんどくさくて仕方ありませんでした。
でも、今になって、実はOBにめちゃくちゃ助けられていたことがわかったんです。だからこそOBの方々には感謝の念に堪えません。

OBがいるからコーチがいる、活動費用が安く済んでいる、大学内外の交渉がスムーズ、応援してくれる人がいる…とにかくありとあらゆるところでOBの方々に支えられて部は守られていたのです。

現役の時には気づきませんでしたが、現在別チームの指導者となってチームをつくっていると、
「そうか、早稲田ではこの部分はOBの力によって助けられていたから困らなかったんだ」
ということが頻繁にあります。
チームを強化する上ではOBの力が本当に大きいものだということがわかったのです。当たり前だと思っていた部の環境はOBが当たり前にしてくれていたのです。ということなんですね。

・OBが現役とつながるメリット

OBが現役とつながるメリットについては言うまでもありません。
現役とつながるということは、例えば早稲田で言ったら「早稲田ラクロス」とつながるということです。早稲田ラクロスにはたくさんのOBがいて、幅広い人脈とつながることになります。
そしてこれはどの大学でも同じです。現役とつながっているように見えて、実はOB同士がラクロス部のおかげでつながっているということなんですね。

当然、この人脈というつながりを軽く見積もる社会人はいません。人脈こそ替えが効かない最高の資産なので。

◉OB総会のその後

OB総会が開催されるようになってから、現役とOBとのつながりは確かに強くなりました。OBの参加人数は少なめですが、それでも創部の時代を知るレジェンドメンバーともつながれましたし、OBで盛岡の日本酒バルを営むマスターともつながれました。本来学生が飲みに行くような雰囲気のお店ではありませんが、勝手にラクロス部御用達ということにして毎回本当によくしてもらっています。日本全国のラクロス通の皆さま、日本酒の名店は盛岡にありますので「日本酒バル 晴ル(haru)」で探して凸してください。

☆日本酒バル 晴ル(haru)☆
岩手県盛岡市菜園2-6-26 山竹会館 1F
https://tabelog.com/iwate/A0301/A030101/3009849/

画像5

そんなこんなでOBと現役がつながりを持ち始めて6年、もっとつながりは強くなるかと思いきや、今はちょっと疎遠な感じになってしまいました。コロナもあってOB総会が開催されていないせいもあるでしょうが、正直まだまだつながりが弱いかなと思っています。

◉OBとのミーティング

僕の中ではまだまだ物足りない、そう思って先週OBに対してある投げかけを行いました。それが
「もっとOB同士のつながりを強くしないか?」
というものです。

先ほど、なんか物足りないと思ったのは、現役とOBのつながりではなく、OB同士の結束力や結集力(同じ意味か?)なんです。実はこれがあるかないかでチームというものは全然変わってくるのです。

この辺りをなんとかわかってもらいたくて投げかけを行い、歴代主将幹部たちとzoomミーティングを行いました。ちなみに現役は参加していません。

◉OBに説明したこと

ここからはOBに説明した内容を文字起こしします。
↓↓↓
文字で説明するのは難しいので簡単に図で説明すると、

画像2

OBと現役のつながりはあるにはある。(具体的なつながり方は一旦保留で今回の話のメインじゃない)
でも、

画像3

そのつながりがあるのは一部のOBだけ。ただ、それは決して悪いことではなくて、その一部のOBにはまた別で「OB同士のつながり(白マル)」があるから、結果として多くのOBが一部のOBを介して現役とつながってくれている。
ところが、この白マルの中はどんなメンバーかというと、「同期、上下1学年」のような世代の近いメンバーでしかない。

だから、

画像4

こんな感じでOB同士をもっと幅広くつなげられないだろうか?

それができたらOBの結束も高まって、チームの環境が変わってくるはず。

これによるメリットなんていちいち説明しない。人脈という資産をあなどる人はいないだろうから。

もともとみんな同じ部で一生懸命活動してきたメンバーなんだから、お互いの信用レベルは高いはず。そんなメンバー同士がちゃんと結束できたらすごいことができると思う。大学側への影響力も変わる、地域への影響力も、ラクロス界への影響力も変わる。なんなら企業すらも。
このOB同士のコミュニティは、会社内部のコミュニティや小中高のコミュニティなんかよりも圧倒的に強い。だって「損得なしで一緒に頑張った仲間どうし」のコミュニティなんだから。これ以上の高い信用があるか?
↑↑↑

◉OBミーティングを終えて

上記の説明の後はたくさん意見交換を行いました。
その結果としては、もっとOB同士の結束を高める活動をしていこう、という話で終わりましたが、結果以上に満足度の高い会となりました。

というのも、ミーティング自体も面白くて、ちゃんと本音を伝えてくれるし、イジリもあるし、とても気持ちのいい会だったんです。
少なくともあの場にいたメンバーはお互いが次話すときの抵抗感はぐんと下がったんじゃないでしょうか。世代は全然バラバラなんですけどね。
結局そういう場をたくさん作ることがOB同士をもっと強くつなげることにもなるのかもしれません。やはり地道にやっていくしかないです。

◉ミーティングでハッとしたこと

話は変わりますが、そのミーティング中にあるOBが教えてくれたことがあり、僕はそれに対してハッとして反省したのでこの場で共有したいと思います。

そのOBは、社会人3年目のときに
「やはり現役に支援金を送るべきだ」
「一度流れさえ作れればOB会もできて継続的な支援ができるかもしれない」
と考え、自分がつながりのある上下3世代に声をかけたそうです。

ところが、上世代からは全然支援金が集まらず、結果的にはほぼ下世代中心の支援金となってしまったそうです。

どうやら上世代の人たちは
「支援金を集めてどうするの?」
「使い道は?」
といった感じで支援金の理由を求めてきてすんなりお金を渡さなかったみたいです。

声をかけていたOBは
「やっぱり僕みたいな下の人間が音頭とってるのが上は気に入らないんだと思います」
と残念そうに話していましたが、これに対して皆さんだったらどう思いますか?

僕は最初それを聞いたとき、
「上世代の器が小さいんだよ、みっともねーな」
「現役側の"支援金を受け取る姿勢"とか"使い道"とかいちいち現役に求めるんじゃねーよ。自分たちが現役の頃だってそんな立派な学生じゃなかっただろ。渡してダメだったら文句言えばいいのに、渡す前から何をエラソーに」
と感情的に毒を吐いてしまいましたが(反省)、話していくうちにどうやら根本はそこじゃないような気がしてきました。(大反省)

これこそ
「OB同士のつながりが弱い」から起こった問題
じゃないかと思ったのです。


もし、支援金集めの音頭を取った下世代OBが上世代OBとつながりを強く持ててたらどうだったでしょう?

多分、あまり深く考えずに
「あいつが頑張って音頭を取ってるから乗ってやろう!」
となって上世代からもすんなり支援金が集まったと思うんです。

「あいつ誰?」
「そういえばそんなやつもいたなぁ」
程度の信用レベルでは素直に提案に乗れない。

つまり、OB同士がちゃんとつながってないから、
「理由は?使い道は?」
といった具合にいちいち合理性を求められてしまった。

器が小さいとか人間性の話じゃなくて、関係性の話だったんです。

OBの皆さん、感情的になってすみませんでした。。(マジ猛省)

ちなみに、今回のミーティングでは偶然にも当時支援金に抵抗を見せていたOBも参加していたので、音頭を取ったOBはだいぶドキドキしたと思います笑 

でも、改めてすごいなと思ったのは、このOB同士のコミュニティでは文句や批判といったネガティブトークがあっても、それをちゃんと中和できる人間が多くいるということです。今回もそういう人がいたから良かったのだと思います。僕が毒を吐いてもしっかり解毒してミーティングを前進させてくれました。みんな大人だ。ホントありがとう!

◉OBが結束したらチームはどうなる?

OBから現役に何かできることはないか?と考えると、どうしても目に見える支援を考えがちです。例えば、お金やサポート品といったような。
でも、僕はそれらよりももっと大きな支援があると思っています。

それは、「応援」です。

僕が現役の頃、目には見えない、それこそ気づけなかったOBの力が確かに存在していて、ちょっとスピリチュアルですが、
チームは現役だけのものではない感
がありました。
でもそれはプレッシャーではなく、どちらかというとエールです。
「OBも一緒に戦うから頑張れ」というエールです。
これがあるとやっぱり力が湧きます。

そしてこれは、プロスポーツの熱狂的なファンの応援もそうだと思います。
だからこそ、そのような熱狂的なファンをサッカーではサポーターともいうし、バスケではブースターと呼んだりもします。
ファンとは言わずにこのような言い方をしているのはとてもイイなと僕は思っていて、つまりその人たちも「一緒に戦うチームの一員」という位置づけなんですよね。
だから、選手やチームはサポーターやブースターをとても大切にします。

そしてこれは大学の部活動だって一緒です。
僕はチームというものは現役だけのものではないと思っています。
OBもチームを構成する1人です。熱狂的なファン以上にチームのことを思ってくれています。その数が多ければ多いほど、そしてつながりが強ければ強いほどチームも強くなります。

だから、チームは現役のものと考えているチームはどうしたって弱いです。
応援されないのだから。

また、これは現役だけの話ではありません。
「チームは現役のためのもの」と考えているOBがいるチームもすこぶる弱いです。

はっきり言いますが、僕はこのような態度は気持ち悪りぃなと思ってしまいます笑(また毒吐いた)
現役のためを思っての優しさや配慮を出してる風に装ってますが、そんなものはただの無関心です。

もし自分の子供がすごい困っていたら、親であるあなたはどうしますか?
絶対気にかけますよね?その上で自分は何かできないかと考えるはずです。
「親が出る幕じゃない!1人で生きていけ!」といきなり放っておく親がいますか?
子供はグレますよ。

チームはグレることはありませんが、無関心でいられたら力が発揮できないのは間違いありません。

◉僕はちょっとグレかけた

先日、東北地区の開幕戦があり、ライブ中継が行われました。
結果は目も当てられないほどの惨敗でしたが、コメント欄はもっと切ない状態でした。

岩大OBからのコメントは1個もないのです。
ほぼぜーんぶ東北大OB。

そのコメントを選手が試合中に見ることはないかもしれませんが、まさに今の岩大が現役だけのチームということを表しているように感じました。
コメントもなければ試合後にお叱りの言葉もない。むしろ、お叱りの言葉でもいいから欲しいんです。でも、何もない。
やっぱり無関心が一番きついなぁと思いましたよ。

応援は間違いなく力になります。
だからどんなやり方でもいい。OBが結束してくれたら、チームはもっと大きくなるし強くなる。一緒に戦おう。


というわけで、今回は岩大のOB事情についてのお話でしたが、皆さんのチームはどうでしょうか?
OB OGもチームの一員です。
この考え方は超大事です。
もし、今チームがくすぶっているのなら「OB OGの結束」が現状を打破する起爆剤となるかもしれませんよ。

それではまた!


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?