弁護士半年経過しての雑感

弁護士登録・執務を開始してから半年が経過しました。この半年間は必死に毎日過ごしてきたわけですが、自分自身の備忘録として雑感を記録に残しておきたいと思います 。(※1)
※1 たまたまLSの同期のしゃもじ君がブログをアップしていました(https://shamojigalk.hatenablog.com/entry/2020/06/27/222931)。書いてあることはとても共感する内容ですし、悩みはとても共感できます。

1. 半年間やってきたこと
所属している法律事務所はいわゆる大手法律事務所でして、最初の2か月は座学(※2) ・海外英語研修でした。研修プログラムは他の法律事務所に比べ充実している(※3)と思いますし、その間に事務所のインフラや生活に少しでも慣れておくといった仕組み自体はとても有意義だったと思います。その後、3月から実際に案件に携わっております(※4)が、かなり数多くの種類の案件に携わらせていただいたと思っております。一般的な企業法務案件(いわゆるジェネラルコーポレート)に始まり、不動産ファイナンスやプロジェクトファイナンスといったファイナンス案件、業規制対応等のレギュレーション案件、株主総会対応、個人情報・GDPR対応案件、労働案件、紛争案件などなど本当に半年でここまでよく頑張っているなーという感覚を自分の中でもっていたりはします。また、最近は執筆活動の割合も多く、法律の知見も少しずつ増えていると思っています。さらに、大手法律事務所ならではの案件も携わらせていただいたり、とても魅力的な商材を扱うお客様の案件に携わらせていただいたりと半年間という短い期間ながらビジネスローヤーとしての醍醐味は味わうことができているとも思っております。
※2 各種法律の講義やビジネスマン・弁護士としての生き方等多岐にわたる研修でした。
※3 他の大手法律事務所と比べ充実しているかどうかについてはわかりません。
※4 実際には1月から案件に携わる機会はありますが、とりあえずやってみよっかといった程度だったため、3月と表記しています。

2. 半年間やってきた感想は?
半年間弁護士をやってきた感想として面白い案件を仕事にすることができて楽しめているなと思っています。元々弁護士になりたくてこの世界に入ったわけですが、やはり想像していた通りとてもわくわくする世界でした。
また、新聞を読むのが楽しくなったというのはあるかもしれません。新聞に書いてあるビジネスがどう動いているのか、どういろいろな会社が携わっているのかを弁護士という立場から考えることができるのは弁護士になってよかったと思える瞬間です。もちろん、自分が携わった案件が新聞に載るということもありますし、社会に貢献できているのではないかと思える瞬間は承認欲求が満たされる感覚があり最高です。
一方、仕事が忙しくて興味のある勉強をする時間や自分の時間が取れなかったりするのは一つの側面としてあると思います。これは、求められる仕事の質が高い(※5)というのが理由だと思われます。
私自身、睡眠時間を削ってしまうと身体のみならず精神にも悪影響を及ぼす(※6)ということがこの半年間でよく理解できた点としてあります。実際、睡眠時間が6時間を切ると次の日は使い物にならなくなるため必ず7時間は寝ようと毎日心がけて仕事をしていたりします(※7)。ただ、新人弁護士としてまだ知らなければならない知識や実務慣行を勉強したうえで案件に取り組まなければならず、そうすると案件にかける時間が長くなり、結果、土日も仕事をしなければならないという事態には陥りやすいと思っております。その兼ね合いをどうしていくか考えなければならないのは今後の課題かなと思っております。
※5 よく大手だから…という意見もある箇所ではあるかと思いますが、少なくとも私が実際に携わる範囲ではとても質の高い仕事を求められますし、1年目だからといって質が低くても良いと言われたことは一度もありません。
※6 月300時間近く働くとたぶん精神的にきついと感じるだろうなーという所感です。
※7 もっと働けと言われたことはないですし、先輩方からは体調には気をつけろと重々言われていることにとても救われています。

3. 半年間やって気付いたこと
① 自分がどう生きたいのか常に考える
これ、たぶん一番大事なことなんだろうなと最近しみじみ思っています。
この業界は上を見るときりがない世界ですし、他人と比較することで自分の精神に悪影響が及ぶのなら意味はないと思うようになりました(※8)。自分の中でモノサシを作ってそのモノサシの中で自分がどうできるか、どうあるべきかを考えるほうに注力すべきと思うようになりました。おそらく、年次や環境によって考え方は変わってくると思いますが、そうなったらそうなったでその時の自分の考え方に合わせていければいいかなと思っています。
② 弁護士は自営業者である
当たり前ではありますが、弁護士は自営業者なので、自分がどれだけ社会に必要とされるかで決まってくるなと思います。ありがたいことに大手法律事務所だからといってこの意識は研修の段階から先輩弁護士にかなり指摘をされますし、弁護士としての能力を高めなさいということはご教授いただきます。
この考え方から一年目であっても「このままでいいのだろうか…」という悩みを持つことにつながってくるのだと思いますし、ずっと悩み続けるのではないかなとも思います。
③ まずは先輩の先生方が納得する仕事ができるように
これ、上記の自営業者であるのだからforクライアントで仕事をすべきという観点と矛盾するとも思われますが、ありがたいことに弊所の先輩方はとても仕事の質が高く、要求値も高いため先輩が納得する仕事≒クライアントも納得する仕事(※9)になります。そのため、一年目としてはまず先輩弁護士が納得する仕事ができるよう日々頑張っていくのが一番の近道(※10)ではないかと思っております。
※8 元々思っていたところではありますが、最近はより一層思うようになりました。
※9 「≒」としているのは必ず「=」になるという意味合いではないからです。
※10 仕事ができるという意味合いでも近道だと私は思いますし、自分の生き方を決めるという意味合いでも近道になると思っています。

4. 総括
半年やってきてすごい面白い仕事だと思いますし、おそらくこれはずっと思い続けるのだろうなと思っています。
また、少しずつ発信する機会を増やしていこうかなとも思っています(※11)。これについては①発信をすることでむしろ情報をいただける機会も増える②一年目であろうとも情報発信自体はできるし、継続することで数年後の自分を助けてくれるのではないかという理由からです。
以上、半年経った1年目の弁護士の雑感でした。
※11 生存確認的な意味合いもあるかもしれません

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