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令和5年度筑波大学3年次編入試験合格体験記

【法学編入】

まず、私が体験記を書くに至ったのは、私が受験生の時に編入の情報が多くはなかったため、後進の方の力になれればと思ったからです。
そして、この体験記では私が編入試験を受験する経緯と、月々の勉強方法・教材、実際に受け終わって「やって良かったこと」や「後悔したこと」などを記します。拙い文章ですが、最後まで読んでいただければ幸いです。

〇筆者について

・筑波大学と法政大学の3年次編入試験に合格
・語学系専門学生
・出身高校の偏差値は48(学年の中でも成績は中間よりやや下)

〇編入試験を受けるまで

中学での成績は下から5番目くらいで高校受験でも私立専願で入ったため、特に勉強せずに高校に入学しました。そこからも高2の冬まで特に勉強はせずに部活に力を入れてました。仲の良かった友人の影響で一般入試を受けることにしました。しかし、早稲田志望だったものの日東駒専に滑り止まり、編入試験の受験を決意しました。要は学歴コンプレックスです。その際に編入制度を知り、編入コースのある専門学校に進学しました。専門生といっても、学力レベルとしては日東駒専あたりだったと思います。

〇月々の記録

2021年4月〜
TOEIC、英検準1級
専門科目が定まってなかったので、とりあえず受験英語の勉強を続けていました(パス単準1級、速読英単語上級)。英語の勉強は基本的に8月9月辺り以外は継続していました。

2021年12月〜
専門科目の勉強を始めようと、編入における法学の情報を収集し始めました。

2022年2月〜
講師Nの基礎法学講座を受講し始めました。夏までは同講座のテキストを徹底にインプットしていました。後述しますが、時間の配分という面で少々悠長な学習の仕方だったと後悔しています。

2022年4月
講師Nの講座に加えて、末広の法学入門、池田真朗のスタートライン民法総則を読み始めました。

2022年5月
TOEICからTOEFLの勉強を始めました。この時点ではTOEICは700点でしたが、大は小を兼ねる戦法でTOEFLの勉強に切り替えたわけです。また法学は講師Nの例題を使ってアウトプットを本格的に開始しました。

2022年6月
この時期から北大を意識して政治学の勉強を始めました。東京大学出版会の政治学や有斐閣の政治学を通読してました。また、池田真朗のスタートライン債権法の通読も始めました。

2022年7月
伊藤誠の刑法入門を通読し、すぐに山口刑法(青本)を通読し始めました。また、政治学の頻出分野の答案を作成し始めました。

2022年8月
受験校は京大や神戸、北大なども視野に入れていましたが、自分は不器用なので傾向の異なる大学を多く受けると失敗してしまうと思い、絞って筑波を第一志望に、法政を第二志望にすることを決めました。そこでTOEFLと政治学の勉強を辞めました。

2022年9月
民法や刑法のインプットを行いつつ、専門科目の過去問演習を始めました。筑波と法政はもちろん、北大や神戸の問題も取り扱いました。中央法の転部試験の問題も参考になりました。

2022年10月
引き続き専門科目の過去問演習をしながら、英語の過去問演習にも取り掛かり始めました。万が一のことを考えて憲法の復習も行いました。

2022年11月
法学は復習をメインに自分で出題テーマを予測し、その答案を作成していました。英語も引き続き過去問を解いていました。

〇筑波大学の試験について

筑波では2日にかけて試験があり(1日目が筆記、2日目が面接)、筆記の段階では、自分の中で手応えがあったというわけでもありませんでした。また、面接が圧迫だと聞いていたので、2日目は面接に心底怯えていました。しかし、いざ面接室に入ってみると先生方は優しかったです。恐らくですが、筑波では志望理由書と筆記試験の出来をもとに圧迫面接をする学生とそうしない学生を分けていると思われます。

〇使用した教材

・講師Nのプリント(編入サロン法学講義)
講師Nのプリントをやっておいて損はありません。実際に私の場合、講師Nのプリントをやりこんだことで、筑波の法学では民法の事例問題に、英語では問題文中の語や文章から派生する私見・定義を問う問題に答えることが出来ました。法学の基礎を定着させることができ、編入試験での頻出問題をカバーできるので、受験生にとってはマストな教材だと思います。

・法学入門(末川)
定番の書籍ですので説明は割愛します。講師Nのプリントと併用し互いを補完していく形で使用してました。

・呉基礎本 憲法
本当に僅かですが直前期に余裕ができたので、講師Nのプリントの復習&発展という意味で呉基礎本の憲法を通読しました。

・池田真朗のスタートラインシリーズ
池田真朗のスタートラインシリーズは、優しい文章で書かれているので非常に読みやすかったです。入門書にしてはボリュームがあるので、他の書籍を使用するのもいいと思います。私は民法総則と債権法の両方を使用しました。

・自作の民法定義リスト
筑波では民法定義が10問出ているので、過去に出題されたものやこれから出題されそうなものの定義をまとめてました。

・伊藤真の刑法入門
刑法の入門書は、伊藤真を使用しました。全体の要点を理解することが出来ました。

・山口厚の刑法(通称青本)
某北の大学の合格者の先輩が使っていたので通読しました。言葉が堅く読みにくいので、編入試験においては他の書籍をおすすめします。(もっとも、何回か読んでいくとスーッと理解出来るようになります)

・演習ノート刑法
法学や政治学を使ってる方をよく見ますが、私はこの刑法ver.を使用していました。個人的には基本書で得られなかった知識や刑法の答案の書き方が参考になったので使用してよかったなと思いました。

・他大学の過去問
北大や神戸大、中央の転学試験を取り扱いました。確かではありませんが、聞く話によると九州大学も実定法寄りの問題との事なので、九州大学の問題も取り扱うと良いと思います。

・英検準1級パス単
独自の英語試験を設けてる難関大学では英検準1級ほどの語彙力があれば安心だと思います。

・速読英単語上級
比較的難解な英文に対する読解力を築くために使用しました。中央や法政、広島など法学系以外の英文が出題される大学に役に立ったと思います。

・TOEFL TOEICの教材
TOEFL TOEICの対策をしていましたが、提出する出願校はなかったので紹介程度に留めておきます。京大や神戸大の合格者の方を参考にしてみてください。

〇やって良かったこと

・オンラインサロンの利用
まずホームルームでは、大学の出題傾向・答案や志望理由書でのポイント・面接の対策などを知ることでき、答案添削・志望理由書添削も受けることができます。予備校と比べるとサポートや過去問などの点で劣りますが、予備校に通わずともオンラインサロンでも充分な対策が出来ると思います(何より安価です)。

・答案の作成
試験当日に同じ類の問題が出ればラッキーですし、出ずとも答案作成をしていくと自ずと文章構成能力も向上していきます。私も答案作成をしているうちに小論文に得意意識ができました。また、前述の通りアウトプットすることで知識の定着も早くなります。

〇後悔していること

・アウトプットを敬遠していたこと
編入試験に限らず、これまでインプットを中心に勉強してきましたがそれのみだと効率が悪いことに気付きました。答案作成をするとその範囲に対する理解が急激に向上しました。インプットも大事ですが、なにか教材を通読した後は、アウトプットを行うことをおすすめします(復習と出来れば添削があるとなお良し)。効率を上げると併願校も広がるでしょう。

・時事問題に対する警戒を怠ったこと
過去に時事的な出題をしていなかった大学が突如として時事的な問題を出題してきたため、質の良い答案が書けなかった、という経験をしました。法学編入の大半で時事を意識した問題が出題されているので、必ず時事問題にアンテナを張ることをおすすめします。

・締切直前まで志望理由書の作成をしなかったこと
実は広島の夜間も受験しようと思ってたのですが、提出書類が間に合わなくて受けれなかったということがありました…   筑波に関しても、締切直前に本格的に作成してたので筆記試験や面接試験の対策が疎かになりました。ぜひ余裕を持って志望理由書の作成を進めてください。

・専門学校に入ったこと
これはあくまで私の在籍する専門学校に限った話かもしれませんが、編入コースのある専門学校と言っても、過去問が豊富とは言えませんし、多くの授業で自習の都合が悪くなるためあまりおすすめとは言えません。大学に行った方が良いと思いました。もっとも、英語に関しては通年触れてきたため直前期には過去問演習で済みました。

〇最後に

何より私が言いたいのは、これまでの人生を通して勉強をしてこなかった私でも、比較的難関である国立大学に編入することが出来たということです。一般入試に比べ編入試験は本当にコスパがいいと身に染みて感じます。頑張り次第でほぼどの大学でも合格出来ると思います。挫折してしまいそうになることがありますが、目標に向かって最後まで諦めずに頑張ってください。この体験記が少しでも編入試験の受験を考えている皆さんの役に立てれば幸いです。ここまでご愛読ありがとうございました。

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