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金融教育に触れての雑感


 ある授業で話題にしました。40歳代から50歳代の皆さんならほぼお分かりと存じますが、かつての人気ドラマの女王の教室の名シーン(リンクに飛ぶよ)。あのドラマはこのご時世でも見て欲しい気がするほどせき立てられるものがありました。

 そんなわけで昔を振り返ってみました。第二次ベビーブーム世代の私としては、何をおいても競争の日々。進学させてくれた親がいただけで幸福者なんですが「とにかく学歴重視じゃよ」という価値観の元で育ちました。勉強することに動機や理由もなく、ひたすら勉強していた中学時代。高校時代以降は息切れして失速。参考書や教育にお金をケチるなという親や先生のお陰で今があり、中学時代の努力という貯金で生きていることができていると言っても過言ではありません。これも投資なんですよね。株式相場などの投資も大学時代からやっておきなよ!と思うけど(これには理由がある。)、私の場合は中学時代に「狂ってる」と言われるほどにわき目もふらずに自分の時間をひたすら勉強に使ったことが大きな大きな投資でありました。中学時代以外の私は全く頑張っていないように思えます。死ぬほど勉強や仕事にもう一度打ち込みたいと再び思っています。皆さんも天海祐希さんに叱られないように気合を入れて生きて欲しいものです。

 私はがっつり自分に投資した方がいいよ!と思う一方で金融教育についても大切だと思っています。企業さんの一部は生き残り戦略として「講師業」に食い込もうとしています。先日もゼミに企業様をお招きしまして、金融関連のレクチャーを受けました。金融教育のイントロダクションとして申し分のないクオリティーの内容でした。その一方で、各ご家庭での金融教育の目覚ましさも非常に気になるところです。最近では小中学校でもそのあたりのことを教えているようですし。

 私の知る限りでは、しっかりと金融教育をされている方ほど、もしくは投資をしっかりされている方ほどお口のチャックが固いように思えてなりません。「自分、金融に詳しいですYO!」と自称する方に赤面してしまうことの方がたまにあります。これからは勉強をしていることだけでは厳しくて(こういった情報はすぐに陳腐化するものですし)、知っていることのクオリティやその情報に基づいてどれだけ迅速に行動できたかどうか、常にアップデートできているかがカギになってくると思います(民法って120年ぶりに大改正!なんていっているので、法学部では常に新しい情報を取りに行くことをもっと意識しなきゃダメですね。反省だわ。)。

 私の周りの知見のある方ほど、知っているアピールをせず「そうなんですね。勉強になります。」とニコニコなさっています。だって、その方がお得なことが多いですもん。でも、知っているんだなとジワジワしることができます。実に上手にお示しなさるんですよ。すごい。でもなんか怖いです(笑)。おそらく同じ階層にいる者同士が自身の情報を等価交換されているのだと思います。目の前の相手がどれくらい知り、実際にどれくらいの行動を数打っているのか(こっちが大事)なんてわからないので、私は「詳しいです」と安易に言えません。

 これからもっと重要になってくるのは「本物」と「偽物」を見分ける力ではないでしょうか?人物が本物かを見分けたうえで、情報の信頼性を見極めていきましょう。実は、講師の先生のお一人から「先生は(私のことね)、キャッシュレスにはお詳しくないですよね」との言葉を頂いたんですね。学生に響く授業さえしてくれたら私がどれだけ下げられても気にもしないけれど、心からそう思っているみたいでした。ま、いいけどね。でも、どうして「自分は詳しい。〇〇さんは詳しくない。」と思えるのか不思議でならないのです。ご自身が詳しいとは、事実でしょうか。その方の思い込み(=解釈)かもしれません。〇〇さんは無知であるとは、事実でしょうか。解釈かもしれません。たった90分の出来事で人を決めつけることは絶対に致しませんが、人様とのお付き合いをするにおいて、大変勉強になりました(話が広がりすぎちゃいますが自分の持っている知識を他人が既に知っているといったシチュエーションに遭遇しても、ムッとしちゃダメですよ。ちっちゃい人認定ですよ★)。 

 女王の教室のハイライトシーンをみるにつけ、自分で考えることを放棄していはいけないと戒めています。なるべく頭でっかちにならないように行動しなきゃいけないですね。自分への戒めが増えるばかりでございます。

 お写真が出てきたので掲載してみました。イングランド銀行のミュージアムです。夫(国際金融を教えている人)がイングランドで調査しなきゃならなくて、娘と入った銀行併設の博物館。シティーと言われるエリアは欧州の金融最前線基地って感じがしました。金融自体が生き物で、その最前線では数秒ごとに情勢が変わります。情勢が変わることを常に受け容れてサーフィンをするかのように最適解を導かなきゃならないこと、プロほど「ひけらかさない・他人を貶めない」かもしれないと身に染みて帰国しました。銀行前で警備員さんに叱られたり(こっちが悪いので仕方ない)、金融マン達御用達のお店で娘と二人でランチしたり、娘は行く先行く先で可愛がってもらったり。イギリスの影の部分もほんの少しだけ垣間見えたりも。現金をほとんど使わなくて済んだことなど、色々なことを思い出しましたよ。

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