編入志望理由書について

 編入試験における志望理由書について。コロナ禍で筆記試験を廃止し、志望理由書や面接を重視する大学が増えた。とはいえ、今年度からは再び筆記試験が再開される大学が増えている。そのため、志望理由書が合否に大きく影響を及ぼすとは考え難く、筆記試験の重要度が大きいだろう。一般的に、やはり筆記試験の成績が合否に大きく影響しており、志望理由書によって逆転合格が起きるということはないといっていい。しかし、志望理由書は受験者の関心ごとや熱意を知る重要な判断材料の一つであり、ある程度レベルに達するものを提出したい。

 志望理由書は、研究計画書(卒論構想)+卒業後の計画、という構成で書くとよいだろう。

 研究計画書はあまり壮大なものを書く必要はない。小さなテーマでよいので、学部生の間にじっくりと勉強できそうなものを選ぶのがよい。そして、そのテーマにおける先行研究をしっかりと踏まえていることを示し、自分の研究テーマについていかに意義があるのかということを説明する。本論としてどのようなことを論じていくのか説明し、どのようなことを示唆するのか、どのようなことが言えそうか、について言及する。研究計画書はこのように書くとよい。

 よく見受けられるのが「わたしは〜〜がしたい。〜〜が重要だと思う。以上。」といったような、個人の感想を述べるにとどまっているものだ。アカデミックな場である大学に編入しようとするのだから、その場で通用するスタイルで書かなければならない。

 小熊英二さんが書かれた『基礎からわかる論文の書き方』(講談社現代新書)は、志望理由書を書く上でも非常におすすめだ。是非手に取ってみてほしい。

 卒業後の進路について。よく見受けられるのが、「世界で活躍するグローバルな人材になり、〜〜」といった文言である。しかし、これでは結局何がしたいのかよくわからない。具体的にどうするつもりなのかということを書くとよい。

 以上、ざっくりではあるが、志望理由書を書く際の注意点等について述べた。

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