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#KAQRIYOTERROR 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変 開幕

BipropagandaのアンコールでヤマコマロがKAQRIYOTERRORの新メンバーとして加入し、オープニングから共に登場した"正式復活"のCircus NAGOYAとCircus TOKYOからおよそ1ヶ月ぶりに、いよいよKAQRIYOTERRORが新奇懐古周遊弐千弐壱真世界(しんきかいこつあーにせんにじゅういちにゅるーわーるど)として本格的な怒濤のツアーが始まる。現在発表されているのは関東圏の東変と近畿圏の西変のみだが、その都道府県の網羅具合だと日本全国の殆どの都道府県を回る、幽世時代も含めての過去最大級のツアーになるだろう。

そのツアー初日までのおよそ1ヶ月間、いつもだったら急遽東名阪や対バン出演、もしくは配信ライブが告知されるのがコドメンの通例でもあったが、本当にまるまるライブが無かった。
しかし日頃のツイートやYouTubeの動画更新でKAQRIYOへの親近感が途絶えることはなかった。
そして開幕数日前になってYouTubeで振り付け講座がアップされた。
衣装を身に纏ったメンバーのハイテンションぶりに、この動画はレッスンとリハーサルをしている合間に撮影されたものだったのかなと、その和気あいあいぶりにツアーへの期待も膨らむ。
僕は元々運動神経がかなり悪いのだが何度か観ているうちに僕もおうちにいながら、座ったまま上半身だけ振り付けを真似たりしていた。

いよいよ開幕当日。
振り付けの練習が充分できなかったなーと思いつつ渋谷へ向かう。まずはヴィレヴァンでお取り置きしてもらってたつれづれのTheScreamのDVDを取りに寄った。一体いつ観られる日が来るのだろうか。
今日の箱であるGUILTYは渋谷界隈でもなかなか珍しい井の頭線駅方面にある。箱前でうろうろするのも手持ち無沙汰なので向かいのカフェでブラックコーヒーで一息ついた。游ちゃんこれが大人の味だぜ。

開場数分前に整理番号順に並ぼうとすると伊津さんから声をかけられ、ある提案をされる。
つれづれ物販の頃からさんざんお世話になってた伊津さんの提案でもあるし、僕はそれを「しょーがないなー」と言いつつ快く引き受けた。むしろ大歓迎だった。伊津さん僕に声をかけてくれてありがとう。
フロアに入るとGUILTYはなかなか横幅が広くて5人組ばんどとか迫力ありそうだなと思いつつ、ソーシャルディスタンスの場ミリの間隔も広かったので、今回の整理番号は6番でギリギリ最前列の端っこで観られそうだ。Bipropagandaの時は最前列の下手側だったので今回は上手側で観ることにした。
後ろを振り返ると、セトリの大先輩が珍しくKAQRIYOの現場に来ていた。コドメンまつりやつれづれのライブでは度々お世話になっていたがKAQRIYOのワンマンに来るのは珍しいですよね?
…ってあれっ??
それ僕がHareトQeツアーファイナルやBipropagandaでYOMIBITOさんに言われたセリフだ。まさか僕が彼を"迎える側"のようなセリフを言うとは…。

フロアのBGMがボリュームを上げると心鞠が登場。
KAQRIYOのSEと共に下手側の袖から季・ロンド・マロの順に登場する。
僕の目の前には季がいる。BipropagandaのWWWよりも距離が近い。
「今日は遺書受け取れるかな?」
などと一年以上前のしかも別のライブのことを思い出したりする。

初日の初手からアイデンティティークライシスで拳を振り上げトップギアで飛ばしてくる。
君とギミック解ける?
以降韻を踏んだフレーズを繰り返すサビでメンバーが一人一人YOMIBITOたちに視線をロックオンするのだが、目の前の季に複数回ロックオンされた。
Bipropagandaの時も感じたが、最前列の"どセンター"の「ステージを全身に浴びる」感覚も最高なのだが、最前列の端っこも四人全体が一度に視界におさまるのでこれもまた最高。スピーカーの真ん前だとまた大変だけどね。
シャウトが気持ちいいDrying Party?から息つく間もなくSOS→Human flyへと続く。Human flyのサビの両手を前に押し出してゆく振りはスローテンポでありながらもライブでいっしょになると楽しい。

décadenceは最初聴いたときよりもマスタリングがブラッシュアップされてて低音がとても気持ちいい。早く車で重低音を効かせてドアパネルが振動する寸前の爆音でdécadence聴きたいな。
Hybrid TABOOもだいいんぐあかさたなも摩訶不思議ズムも振り付け講座を観ておいたおかげでステージを観る楽しみが倍増したし、それを真似てると「練習してきてくれたんだね」とメンバーが嬉しそうにしている様子も伝わってくる。

そしてカクリヨ奇想曲では毎回目頭を熱くさせられる。昨年までの僕はといえば、つれづれとのツーマンがある際などで幽世/KAQRIYOを観るのがせいぜいだったので、そのハーフサイズのセトリの中で摩訶不思議ズムやOriginal Satireなどを度々観ることはあっても、カクリヨ奇想曲に巡り会えるのはなかなかレアだった。それもあって懐かしさなどの感情が込み上げてきた部分も確かにあった。しかしこうしてワンマンのフルサイズのセトリの中で奇想曲を観る機会が増え、ある意味"馴れてきた"部分もあるのだが、しかし奇想曲は観るたびに涙が溢れてくるのである。パブロフの犬状態である。増して今回は事前に振り付け講座を観てきたから、その振り付けが
歌詞とリンクしている部分が多いと気づかされ、その歌詞もより深く伝わってきた。
観る側としてこういう観るたびにうるうるしてしまう感覚はいつまでも色褪せずにいたい思うし、もう一方で演じる側にとっても週に3公演もあるようなハードスケジュールの中でこういう感覚を失って欲しくないと思う。

大御所アーティストにでもなると、往年の大ヒット曲を本人が飽きてしまっているにもかかわらず、それでも観客の多くがその大ヒット曲を期待してコンサートに足を運ぶ。そんなジレンマを抱えたまま歌わなければいけないというエピソードも聞く。
そして歌う側が「今の自分を観てほしい」という気持ちでアレンジを加える。すると昔の面影を追っているファンにとってはそれが違和感に感じられる。
歌うということは時に因果なものでもあると思う。というのはあくまでも一般論だが。

おそらく僕が背負ってきた生き様をカクリヨ奇想曲の歌詞と重ねている部分もあってこんな感情が溢れてくるのだと思う。
しかしこれからはライブを通じて僕の生き様とKAQRIYOの生き様とが重なり合う瞬間も増えることだろう。そうしてこのカクリヨ奇想曲が今まで以上に感情を揺さぶってくる、そんな予感さえしている。

Hide and seekでは振り付けを、BWGでは拳を掲げ、ユビキリゲンマンでは小指を差し出し、フィジカル的に忙しい曲が続く。
以前はモッシュなどで当たり前のように暴れていたのが嘘のように、制約されたライブをするようになって一年以上が過ぎたけど、この制約の中でみんな楽しみ方を工夫してきて今に至るし、そんな観客が声も出せない中で盛り上げてくれているメンバーたちに改めて敬意と感謝を送りたい。
Persona_が始まるとメンバーの顔つきががらりと変わる。今にも泣いてしまいそうなマロの姿に僕までももらい泣きそうになる。日頃のYouTubeなどでは以前よりも増して奇人ぶりを発揮しているマロだが、ライブになると何かが憑いたように豹変する。そしてチェキ撮りながら話してるとシャイで真面目な顔を覗かせる。
そんなマロが加わったKAQRIYOTERRORは今後まだ観たこともないものをたくさん魅せてくれる予感がする。

本編ラストはKAQRIYOTERROR5人の印象が深かったlilithprideだった。あの5人の残像も鮮やかに胸に、すしてこの4人のlilithprideも確固としたものとして刻まれるようになった。
最前列で観ていると改めて幽世テロルArchitectの頃よりも振り付けが全般的に洗練されてきたと感じる。暴れ狂う観客とそれを煽るステージというライブの構図がKAQRIYOTERRORに変わり5人でのフォーメーションを活かしたステージに進化し、コロナ禍によって覆されたことが怪我の功名となり"魅せるKAQRIYO"が形成されてきたのかな。なんてあまり観てこなかったなりに推測している。

春の訪れだろうか、それともここGUILTYの空調の効きが弱かったのだろうか、思った以上に背中に汗をかいていた。もちろんライブで振り付けなどたくさん動いてたのもある。

再びメンバーがステージに登場してきた。
今日から始まった「新奇懐古周遊弐千弐壱真世界」のツアーTシャツを着ている。僕もここでお揃いのツアTでライブを楽しみたいものだが、ほんの少しおあずけである。

アンコールは鬼乃狗摩音頭から始まったのだが、そのイントロはDJ機材によってループ加工が施され、なかなか歌が始まらずに「あれれっ?」と戸惑うみんなの姿が実にかわいらしい。もちろんこれは"茶番劇"だ。
僕が思い出すのはBUCK-TICKの殺シノ調ベツアー@横浜アリーナでの「スピード」のアウトロの今井さんのギターだ。あれからB-Tは何十年もライブを続けているが、僕が今でも印象に残ってるのはあのフレーズを間違えそうになるちょっとした"遊び"。そのフレーズはアルバム「殺シノ調ベ」にも収録されてるので是非とも聴いてほしい。

鬼乃狗摩音頭では、「現れたの桃尻~♪」と游ちゃんがお尻アピールしてくるのだが、さっきも本編ラストのlilithprideでも「お尻隠れんやだ!」とアピールしていたばかりじゃないか。まったく游ちゃんときたら!
前回のライブの時は「もう居ない推し 素直になり♪」等のメッセージでもっと無我夢中にしてほしいと思っていたが、それに続くOriginal Satireやうすうすを一緒になって踊っていると、そういうわだかまりに思いを馳せる間も無いほど気づいたら無我夢中になっていた。きっと僕は既に黄泉の国の入口に片足どころか両足を踏み入れてるのかもしれない。
そしてAvant-gardEでアンコールが幕を閉じた。
僕はお寿司食べるとき最後の一品はだいたい卵焼きで〆るのだが、最後にもういっちょ中トロいっとくかという日もある。そんな中トロのようなAvant-gardEだった。

この日はグッズをたくさん買ってしまったし、明日もライブが控えているのでチェキは控えめに。セトリの大先輩(もりさん)と並びながら今日のライブを振り返っていると、もりさんはお話しながらも今日のメモを書き起こしてさっそくTwitterに上げている。
僕も僕でセトリを記録してあって、その答え合わせはお互い間違ってなかったけど、僕はもりさんに比べたら脳のCPU処理速度が遅いので話ながらそれをできない。まぁいいや後でも。

物販ブースでグッズとチェキを購入する。
伊津さんと約束した分もいっしょに会計する。さっそくツアTに着替えてチェキ撮影に臨む。ほんとは前物販で買って着替えてライブ参戦して、ってのに意味があると思うが、このご時世なのでやむを得ない。
今回のツアTは左胸元つまり心臓近くにKAQRIYOTERRORのロゴ、そして背中に大きく「日本縦横断 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界」と書いてあり、その漢字の集合体がサイケデリックに広がる様は寺山修司などの70'sアングラを彷彿とさせていてなかなかかっこいい。

僕はツアTといえば、背中には映画のエンドロールのようにツアー全公演の日付と場所を上から順に列記してあるのが好きだ。遠征などで参戦数が増えるとさらに愛着が増す。僕はツアー参加を「参戦」と呼び、ツアTは「戦闘服」だと思っている。
この新奇懐古周遊(略)はまだ東変と西変、そしてこの日アンコールで告げられた沖縄しか発表されていないが、この調子で進めばいずれ全国の大半の都道府県を網羅することになるだろうから、そのエンドロールはさぞかし壮観なものになるだろう。しかし如何せんこのご時世なのでライブハウス側との調整も並行してのツアーなもので、全公演をあらかじめプリントすることもできないのも承知している。

そしてこのツアTはプリントが白ではなくシルバーというところも気に入っている。日本縦横断と書かれたこのツアTで全国を巡りやがてファイナルを迎える頃、それに対する愛着は相当なものになるだろう。
囲みチェキを撮った時「今日らぼさんがセトリ書いてるとこ見えたよー」「えーあたしまだ見たこと無いー」みたいな話になったけど、だいたいいつもイントロが流れて歌が始まる前に書いてることが多いからみんな振り付けで忙しくしてるからかも。そんな振り付けもまたしっかり目に焼き付けておきたいし、「セトリを書く暇もないほど夢中にさせたい」という気持ちも嬉しい。だからと言って僕がまだ夢中になっていないというわけでもない。いくら頭のネジが吹っ飛ぶ程にバカになって夢中になろうとも、それでもこの記憶はいつまでも大切に残しておきたい。
できることならば僕は楽しかったライブの記憶で一週間くらいは余韻に浸っていたい。しかし明日また群馬でKAQRIYOのライブが待っている。全国ツアーで回る各都道府県の、特に首都から遠い地域のYOMIBITOさんにとっては数ヵ月に一度あるいは生まれて初めてのKAQRIYOTERROR、あるいは若い子にとってはKAQRIYOTERRORが生まれて初めてのライブハウス体験になるかもしれない。しかし演じる側にとってはこの一週間で6本ものライブがある。
群馬の記憶で渋谷の記憶が上書きされてしまわぬよう。

特典会を終えてGUILTYの外に出てもりさんとセトリの答え合わせや今日のライブについてなどをいろいろ振り返ってお話していた。さすがもりさん僕が見逃していたところもよく覚えている。
コロナ禍のせいで飲食店はどこもラストオーダー過ぎてたのでゆっくり電車に揺られて家路へ向かった。

#KAQRIYOTERROR 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変 20210402 @渋谷GUILTY

DJ;心鞠
マ・ロ・季
1.アイデンティティークライシス
2.Drying Party?
→SOS
→Human fly
6.décadence
7.Hybrid TABOO
8.だいいんぐあかさたな
9.摩訶不思議ズム
10.かごめかごめ
11.カクリヨ奇想曲
12.Hide and Seek
13.BWG
14.ユビキリゲンマン
15.Persona_
16.lilithpride

encore
17.鬼乃狗摩音頭
18.Original Satire
19.うすうす
20.Avant-gardE

Day 2

ライブの余韻で目が爛々としていてなかなか眠りにつけなかったが翌朝はいつもとほぼ同じく早起きしてしまった。
今日は昨日よりも少しだけ遠くへ、群馬の高崎まで出かける。おうちでドライヤーをゴゴゴゴゴ…とかけながらKAQRIYOの振り付け講座など観ながら支度をする。我ながら支度が遅い。
もっと早く出掛けて群馬観光もしようかなと思ってたが結局昼過ぎの出発になってしまった。
新幹線で行けば快適なのは間違いないが、新幹線代浮かせてチェキ撮った方がいいや。でも高崎までは長いので湘南新宿ラインをグリーン車に揺られながら快適な旅を過ごした。

高崎駅の改札を出るとOPAのビルがある。つれづれが初めて群馬でリリイベをした思い出の場所。僕のTwitterの固定ツイートの、BUCK-TICKの今井さんのBT120-MM通称"まいまいギター"を担いでご実家の今井商店でお母様とお話をして櫻井さんのご実家の周辺を散策したのち、リリイベでそのまいまいギターに小町からサインを書いてもらったあの日に思いを馳せる。

昨日に引き続き群馬Sunburstへも開場ギリギリに到着した。整理番号順に並んでいると群馬のYOMIBITOさんの重鎮の方々がわらわらとやってきた。昨日の新宿は平日だったこともあり比較的おとなしめな面子だったが今日のフロアは"濃い"人が多い。コロナ前はモッシュでバチバチとぶつかり合った人たちばかりだ。
今日は整理番号が若干遅かったので上手側2列めから観ることにした。フロアのBGMではtricotが流れていた。群馬って昔からライブハウスやレコードショップが積極的に情報発信をする文化があると聞いたことがある。BOØWYやBUCK-TICKなどのバンドが生まれたのもそういった群馬の風土があったからこそ、だそうだ。
tricotは京都のバンドだったよね。
京都もいいバンドたくさんあると聞くから京都も行ってみたいよな。僕のベースの師匠と仰ぐ人も京都なのだ。

フロア後方を振り向くと新潟の群青さんが来ていた。つれづれの最期を観に来られなかった彼とはしばらくぶりの邂逅になる。すっかりKAQRIYOのツアTとツアータオルで戦闘体制になり現場に染まりつつある僕を彼はどう見るだろうと一抹の不安がよぎる。

この日最初にステージに現れたのはロンドだった。ロンドがDJセットを起動させるとKAQRIYOのSEに合わせて上手側から季・心鞠・マロが登場し、うすうすから始まった。
うすうすからの始まりにBipropagandaを思い出した。やはりセトリを記録してこのブログで書いておいてよかった。やはりこの徐々に盛り上がっていく感じは気持ちがいい。
そしてうすうすからのなんちゃらバブルス──アルバム「アヴァンギャルド0チテン」と同じ連続はセトリ作る側としてはひとひねり加えたいところだろうが、聴き慣れてるアルバムと同じ「間」というのもまた気持ちがいい。続くだいいんぐあかさたなという楽しいハッピーモードのかくりよちゃん全開の中、後方にいる群青さんのことも頭をよぎる。僕はすっかり無我夢中になってKAQRIYOを楽しんでいるが彼も楽しんでいるだろうか。

次いでかごめかごめのイントロが流れたのだが、ターンテーブルでループさせてるロングver.だ!確か昨年のコドメンハロウィンを配信で観ていて「これ生で観たかった!」って思ってたやつだ。
前日もりさんと、GUILTYでの鬼乃狗摩音頭のDJアレンジされたイントロかっこいいよねって話をした時に、ハロウィンでのかごめかごめ生で観たかったなーって話をしていた矢先の出来事だったので鳥肌というか武者奮いがした。

全曲への言及は割愛するが前日のGUILTYと比べて今日のセトリは、洗練性よりも攻撃性が前面に来ている印象だ。ここSunburstの雰囲気や群馬という土地柄を考慮したものだったのかな?

その中にあってこの日特に印象的だったのはTherefore?だった。
Hide and SeekやTherefore?はArchitectからの、それも季が加入する前の3人の印象が強い曲なので、マロの存在感をひときわ感じる。
前日のGUILTYのlilithprideで感じ上記でも言及した「KAQRIYOTERRORの洗練性」とは対照的な、といっても洗練されてないという意味ではない。
Therefore?に込められた様々な情念などが非・幾何学的にマーブル状に混沌と入り雑じり交錯する、ウルトラQのオープニング映像にも似たようなサイケデリック感、一言で言ってしまえば「カオス感」がとても美しいと思った。アルバムの中で聴いていると僕はどうしても疾走感のある曲に傾きがちだけど、このTherefore?の徐々になぶり殺してくる感じがそわそわと堪らないなぁと感じた。

本編終盤のOriginal Satireから摩訶不思議ズムへと続く流れはすっかりKAQRIYOの王道になりつつあるが今回は摩訶不思議ズムの構成がいつもと違っていた。最初のギミックは入念に計算されたアレンジだと身体が自然と動いたのだが、再びのギミックには身体にあれっ?と違和感があった。そういうえんしゅつだったのかな、それにしてはメンバーも少々戸惑っていた様子だった。でもそれはそれで楽しかった。

Bメロでッチョメッ、ッチョメッ、ってパートがあるけどみんなが裏拍のリズムで歌ってる中、マロがそのリズムから逸脱してチョメチョメと語るように歌っていたところも楽しかった。
なかなか伝わりにくいニュアンスかもしれないけど、そこダチョウ倶楽部の上島竜兵が山城新伍のモノマネやっているみたいだった。マロはその元ネタを知らなかったようだけど、マロの身体に自然と昭和が染み着いている雰囲気は以前から感じていた。
それが幽世からの世界観を一層際立たせているのだというのが僕の持論。
そもそも摩訶不思議ズムのメインのッチョメッ、ッチョメッ、だって、元はといえば志村けんの東村山音頭からきているのでしょう?
更に言えばThe forbidden musterbatingのイントロのビンタだって、イモ欽トリオのハイスクールララバイだと思っている。

さて、話が脱線したところで、ここで先日のリーダー心鞠游からのお話がツイートされた件について。
本ツアー3日めの浦和でのライブ中に機材トラブルとマイクトラブルに見舞われて、その修復中に咄嗟に「振り付け講座」を開いて乗り切ったという。その件については心鞠游はじめメンバー全員が真摯に反省しているようで、その様子は4月6日の心鞠游のツイートやKAQRIYOが練習に奮闘する姿をご覧いただきたい。
僕はその現場に居合わせていなかったが、その前日の群馬でも摩訶不思議ズムのループがリハ通りにいかなくてほぼ2回フルコーラスに近い状態で楽しんだ。
その群馬で僕は游ちゃんに「もしかしてあれは演出?」「いや実は…」「やっぱり…。だけど結果として楽しかったよ。」と話した。きっとメンバーたちにとっては反省会案件だったことだろう。その矢先での翌日の再びのトラブル。
僕は群馬のそれを楽しめたけれど、両日共に観に来てたYOMIBITOさんにとっては、「またか…。」という気持ちだったと察する。しかしツアーというのはその各地へのそれぞれのファンに対して一期一会のライブを見せるものだと原則として考えている。
その一期一会でしか観られない人にとってそのハプニングが忘れられないかけがえの無い思い出として記憶に残るか、それとも失敗したものとして映るかはその人次第だろうけど、しかしメンバーにとっては反省点だっただろう。

よって各公演を遠征して複数観覧することは、本来イレギュラーなものだと思っている。
(お前が言うか?とツッコミされそうだが)
KAQRIYO側としてもスタンプカードを用意して複数の公演に来てもらうことも前提にしているから、上記の原則とは異なるだろう。
それでも複数参戦する者としては多少寛大な気持ちで彼女たちの成長を見守っていければいいんじゃないかと僕は思う。

演ずる側とっての悔しさや、観る側にとっての残念さが生じたとしても、「それでも楽しかった」とお互いの気持ちが共有できることでそれを埋めることができると思うし、そういう体験でお互いをより大切な存在として尊重し合えればいいと僕は思う。

率直に言って、楽しかった。
また必ず観に行くし、これからのKAQRIYOに期待しているよ。
この日後ろで観ていた米処新潟の群青さんも、久しぶりにライブに来たけれどKAQRIYO楽しかった。
って言ってくれたのが、僕はまるで自分のことのように嬉しかった。
僕は今でも群青の亡霊として成仏できないままでいるのかもしれない。前日に渋谷で買ったTheScreamのDVDも観られそうにないし。
そしてまた僕は今でも群青の証を身に付けている。
ロンドが特典で似顔絵を描いてくれたとき、通販だったので面と向かってではなく"そらで"描いてくれた僕の似顔絵にはそれも描かれていた。
ツアTやタオルそして現在の行動パターン、見る人が見れば「どう見てもYOMIBITOじゃねーか」と言われそうだし、しかしそれでもそう成りきれていない己自身に後ろめたさとは少し違う何かを持っている。
けれども死ぬまで大切にしておきたいと誓ったあの日の記憶を捨てて「新しい自分」なんかになったら、今度は僕自身が空っぽになってしまいそうな気がしてならない。
だから僕は「他界」などできずに黄泉の国でその魂をゆらゆらと漂わせている。

などと思考の迷路に彷徨ってしまうと出てこられなくなりそうだ。
しかしその一言で言い表せないいつになっても整理がつかない僕の有象無象について、ロンドはそれを知った上で尊重してくれてるのが伝わってきて、ごめんねという気持ちと、それ以上にありがとうという気持ちでいっぱいだった。
いつかこのこと聞こうと思っていたので、それを聞けて嬉しかった。

少々ライブ本編については端折ってしまったが、本日の横浜B.B.Streetよりも前に載せておきたかったのでどうぞご容赦をば。

本編が幕を閉じると最前列上手側で観てた整理番号1番だったYOMIBITOさんが僕に最前列を譲ってくれた。そういえば彼は普段後方のモッシュピットのできる位置から楽しんでることが多かったよな。
本当にありがとう。最前列で観るアンコール最高に楽しかったです。
この日僕は最初からツアT着て参戦してたが、アンコールでツアT着て登場したかくりよちゃんずをより一層いとしく思えた。

一日ぶりの特典会。
KAQRIYOちゃんとこんなに頻繁に一緒の時間を過ごしたのはこれが初めてだ。今日は帰りが遅くならぬようチェキ列は早めに並んだ。
いつもはセトリをまとめながら何を話そうかと考えながら並んでいるが、なんか今日は難しく考える必要も無いかなと思いながら、手のひらには色々メモしてたけどね。ライブの他にTwitterやYouTubeのことなど。
でもいざお互い顔を見合わせると、そのうちの半分以上は吹き飛んでしまうんだけどね。
この日の囲みでは、前日みんなで話してた僕がセトリ書いてるところについて。
「今日は見えたー!」とか喜んでいる姿に僕までも嬉しくなってくる。それ見えて面白い?とは思うけど、でもみんなが喜んでいるのがとても嬉しいよ。

帰りは高崎駅から新幹線に乗り込んだのだが、時短営業のせいで飲食店は閉まっていてコンビニのおにぎりセットを買って新幹線でŧ‹"(๑´ڡ`๑)ŧ‹"したのだが、この2日間の記憶と共に噛み締めていると最高に贅沢な晩餐だった。

#KAQRIYOTERROR 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変
20210403 @群馬Sunburst

DJ;ロンド
季心マ

1.うすうす
2.なんちゃらバブルス
3.だいいんぐあかさたな
4.Hide and Seek
5.かごめかごめ
6.Avant-gardE
7.décadence
8. Like a Fake
9.Therefore?
10.Drying Party?
11.BWG
12.Original Satire
→摩訶不思議ズム ×2
14.アイデンティティークライシス
15.The Forbidden Musterbating

en
DJ;心鞠
ノ季マ

16.Hybrid TABOO
17.SOS
18.lilithpride

そして浦和でKAQRIYOはアクシデントに見舞われ、そこからの猛練習と、何故かの千葉LOOKからの夜歩き配信。最終目的地の横浜B.B.streetまで四人自らの足で歩いて踏破するとのことだったが、最初は何故?の気持ちで一杯だった。
それよりもしっかりした休息と練習に時間を割いた方が…と考えてしまうのは当然である。

しかし四人で楽しく配信している様子や、それを視聴している僕も含むYOMIBITOさんたちとのコメントのやりとりを通じて、練習とはまた違った形でいつかフィードバックされればいいなと思えるようになった。
僕はつれづれの頃から、メンバーたちがライブの成功を目指して、フライヤー配りをしたり、我我の振り付け動画を群青たちと作ったり、毎日動画撮ったり筋トレ頑張ったり、それがどう直接結びつくか分からなくても何かメンバー一丸となればきっとそれはどこかで実を結ぶ。そう信じている。
そして僕もかつては毎日海まで走ったり、つれづれのTheScreamまでは毎日ギターを弾いてきた。
誰彼に頼まれるでもないし、その需要もない。
己の達成感のため。
しかしそれが次の何かを産み出す糧となる。
そう信じている。
信じることは力なり。
Believing makes the Power.

なんて直訳したらどこか海外の歌みたいだ。
まるで夢物語だ。
夢物語で上等。
歌手とは、アーティストとは夢を売る仕事だ。
夢をありがとう。
なんてくさい台詞、まるで歌のようだ。

仕事から帰っておうちでヘロヘロしている僕にとっての清涼剤にもなったし、本日の横浜へのわくわくも倍増してきた。

そして彼女たちが横浜B.B.streetに到着すると、その横浜公演のチケット予約がソールドアウトに!
なんてドラマチックな。しかしこれは紛れもないドキュメンタリーである。

開幕から1週間余りで関東6都県をめぐるあっという間の怒濤の"東変"、まさに戦国を駆けめぐるような周遊で僕はそのうちの3ヶ所しか参戦できないけれど、今夜の横浜、東変最終決戦が楽しみで仕方がない。

もしも今日の横浜最終決戦の前に届いたらいいな。
などと相も変わらず長すぎるレポ、最後まで読んでくれてありがとうございます。

2021.04.10.
らぼーちきん

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