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#KAQRIYOTERROR #Bipropaganda 20210124 @渋谷WWW

#KAQRIYOTERROR #Bipropaganda 20210124 @渋谷WWW

1月2日、ゆくえしれずつれづれが解散した。
僕が最も大切に思い、心身共に捧げ過ごしてきたはずの存在があの日あの物語に終止符を打ち、それは永遠に変わろうとしていた。

しかし僕が描いていた、夜のさざ波の様に静かに永遠へと続いていくはずだった物語は四十九日を待つことなく突如として岩場が出現し、さながら東映映画のタイトルバックの如く、飛沫を高く上げて打ち砕かれてしまった。それでも僕は僕自身で物語を描けばいい、はずである。

それとこれとは関係の無いはずの話だし、僕にとってこのBipropagandaが、つれづれの無くなった心の隙間を埋めるために行くことにしたわけでも決してない。昨年の四月に催されると知った段階で「これは是非とも観ておきたい」と楽しみにしていたライブがこの時期に延期してしまったものだったのだことをあらかじめおことわりしておきます。

待ちに待った振替公演はコロナ禍に見舞われ、当初は普通に延期するはずだったが、会場内でソーシャルディスタンスを設けなければならないなどの都合で入場者数に制限が生まれチケット払い戻しで再発売せざるをえなくなった。
しかし昨年の四月よりも確実にKAQRIYOを好きになり始めていた僕はこれを好機と捉え、当初取っていた整理番号は40くらいだったが、しかしせっかくなのでそれよりもいい場所から観ようと決めてチケット争奪戦に挑んだ。
昨年12月のことだった。
明くる年の1月、チケットを発券する日が近づいてきた。
しかし僕はつれづれが終わってしまった余韻をこのまま残しておきたかったので、しばらくライブ自体を封印した方がいいかなという気持ちと葛藤していた。四十九日も経たぬうちのメンバーの人事異動にモヤモヤを抱えつつ自分だって他のライブに出かけてよいものだろうか…。と。

ところがKAQRIYOメンバーのツイートから、このBipropagandaに対する熱意が伝わってきた。聖涙丸もDKIもこの日がラストライブになり、彼女たちのステージを観る機会は二度と無い。
と共に大切なこと。もう何度もそのアーティストのライブを観てきた者にとっては当日会場で生のライブを観れば伝わるはずと信じるだけの信頼感がある。しかしそういった信頼関係の構築されていない初見の人に対しても、たとえどんな形でもいい、その当日までお互いに気持ちを盛り上げ合って最高潮の状態で当日を迎える方がBetterであるはずだ。
やっぱり伝え合える機会がある以上はそれを最大限に活用して、一人でも多くの初見さんとも信頼関係を構築していくことが大切である。たとえそれがメンバーにとってのラストライブであってもだ。
僕の中で失いかけていたライブに対する原点がそこにあったはずだと、素直な気持ちになれた。

仕事帰りにコンビニに寄って、予約していたチケットを発券した。そしたらまさかの1番だった。SS席ではなくS席だったけどね。
つれづれのTheScreamと同様に考えれば、1番はきっとセンターではなく下手側の端っこになってしまうだろう、そしてS席はSS席のうしろの2列めになるだろう。ちょっと手加減して5~6番くらい取れればよかったかな、などと考えるのは贅沢である。
何はともあれ、どこのYOMIBITOさんたちよりも僕が1番最初に申し込みボタンを押したという事実を無下にしてはならないと思ったし、メンバーの熱意にも応えたいと素直に思えた。
クリスマスライブの時、涙丸にKAQRIYOの曲もギターで弾くよと約束してたし、この日までに何曲か再び弾いてTwitterにアップした。

そして迎えたBipropaganda当日。
S席チケットはリハ見学もあったし、その前に先行物販もあったので早めに渋谷へ向かいWWWに到着した。
辺りをうろうろしているとさっそく何人かYOMIBITOさんを見かけた。以前は「なんでらぼさんいるんですか!?」って声かけてきたはずの彼は「最近よく居ますよね 笑」って声をかけてきた。
僕の中では死ぬまで群青でいるつもりではあるし、そんな彼も「こうして群青の人がKAQRIYO観に来てくれるの嬉しいですよ」って言ってくれている。今のところは。

先行物販に並びチェキ券やグッズのどれを買おうか迷うが、通販で買うと購入金額によって特典も付いてくるので、なるべく通販を優先して現地で消費するチェキ券だけを買って出てきた。
そしてリハーサル見学のため再び列に並び、検温などを受けてWWWに入る。
やっぱり僕のチケットの整番1番は下手側の端っこだろうな、そしてS席はSS席の後ろの2列目なんだろうな…フロアに通されて席を見つけたらまさかの1列目だった。どうやらSS席は最前列中央でS席は最前列のS席の脇ということになっていた。
つれづれのTheScreamと時とは状況が違っていた。もちろんQuatrroとWWWとでは箱の形も違うし、チケットの売れ行きでレイアウト調整したところもあったのかもしれない。TheScreamでは最前列中央、Bipropagandaでは最前列端っこ、それぞれ違った楽しみ方で楽しもうと思った。
その席からフロアの後ろ側を見渡す。
つれづれMISS SINSツアーファイナルの新宿LOFTのあと無料ワンマンPandemicツアーファイナルで初めてWWWに来た。その時はその天井の高さに圧倒されて、とても大きな箱だという印象を受けていたことを思い出す。そういえばつれづれもそのWWWに一人でも多くの新規さんに観に来てもらおうと、街頭で無料CDを配っていたっけな。
今思えば、僕が心身共につれづれを応援することに身を捧げようと思ったのは、あの日の彼女たちのひたむきさが原点だった。
「少しは役に立つのならば」──

あれからというもの色んな箱でライブを観てきたせいか、それともこの日は座席を並べていたからか、あの頃よりもWWWが小さく見えた。
リハーサルはみんな着席したまま見学した。
本番さながらに歌う、と言ってもメンバーはモニタースピーカーの"返し"や振り付けのフォーメーションの確認をしながらだったので、観客も本番と違って冷静にその様子を観察するように観ていた。
ちょうど椅子に座りながらステージを観ていると目の前には照明機器が高射砲のように旋回しながらステージやフロアや天井を目まぐるしく照らしていて、その"照準"が僕の顔面を直撃したりして目が眩む。夜中にハイビームの対向車とすれ違うように。
リハーサルの開始時刻が押してしまったのでリハ中に通販が始まってしまった。
リハを見学しながらケータイでBASEを確認すると早々に売り切れが続出しているらしい。
せっかくの貴重なリハ見学なのにせっかくのこの日限りのグッズも気になる…
なんとか無事に購入できたところで再びステージを観察することに集中した。
メンバーもまたリハを観察されるのが初めてだったのでいつもと違う緊張をしたと話していた。
しかし本番はもっと楽しくやるからねと挨拶して楽屋へ戻っていった。

RH
1. Like a Fake
2.うすうす
3.Avant-gardE
4.Drying Party?
5.アイデンティティ
6.BWG

リハ見学を終えた観客は一旦フロアから退出した。
再び階段に並び開場を待つYOMIBITOたち。
今回は指定席が設けられているので余裕をもって再入場する。
最前列の最下手から後方を見渡す。知ってる顔もちらほら居るが、やはりアウェーに来てしまった感もある。
今回は客席にカメラ席を設けているが前方のステージの真下にも数名のカメラマンがスタンバイしている。緊張感が高まってきた。
高木さんが注意事項をアナウンスすると、フロアに流れるBGMがボリュームを上げる。
BGMが止まるとDJブースに心鞠游が登場し機材を起動させる。KAQRIYOTERRORおなじみのSEが流れ、聖涙丸、季、ノア・ロンド、DKIがフォーメーションにつく。

うすうすのイントロが流れてライブが始まった。
ここ数年で僕が観たライブといえばつれづれをはじめとするコドメン関連のものがほとんどで、つれづれでいえば凶葬詩壱鳴りでセレモニカルに始まったり、Phantom Kissでドラマチックに始まったり初手からLoud Asymmetryでぶっ飛ばしたり、そういうのが定番化しつつあったし、KAQRIYOにしても初手Avant-gardEなどの展開に自然と期待を描いてたので、うすうすからの始まりには意表を突かれ、ここはライブハウスとは違う空間であるというメッセージなのかな、これからここで全く初めての体験をするのではという謎の昂りが沸いてきた。

シンセサイザーのフレーズにディストーションギターが加わりラップが重なりリズムが徐々に完成されてゆく様は、(一部の人にしか伝わりにくいが)まるでLUNA SEAのLOVELESSのイントロのようだ。
この時点でセトリの勝利を予感させてくれた。

そして2曲目は摩訶不思議ズム。幽世でもKAQRIYOでもすっかりおなじみの曲を楽しみながら、どんな異空間でもKAQRIYO色に染める彼女たちの気概を感じた。
からのDrying Party?はゴリゴリのベースが気持ちいい。心鞠のシャウトも冴え渡っていた。
今までの僕と言えばシャウトといえばつれづれこそが至高という思考回路に支配されていたが、そのつれづれを観られなくなった今、フラットな気持ちで心鞠のシャウトを聴いている。テクニカルであるかどうかという物指しとシャウトとは切り離して考えている。しかし心鞠の日頃のTwitterで散見するやさぐれたパーソナリティーがシャウトにこもっていて、テクニカルな視点を超えていいなぁーと耳が感じていた。

からの、SOS→鬼乃狗摩音頭→Original Satireというそれぞれ密度の濃ゆい曲ばかりが息継ぐ間も無く流れていった。しかしこの日は特に、「こっちの水は甘いぞ」と誘惑してくる鬼乃狗摩音頭をもっとじっくり味わいたかった気持ちもあった。
それでも僕の中にわだかまっている虚無感を忘れてしまいそうなほど充分な魅力で溢れていた。

なんちゃらバブルスは横移動したりする振り付けが楽しくてステージ上の正面にいるメンバーを真似ながら動いてるとメンバーが気づいてくれるのがまた嬉しい。特にこの日僕は最前列の端っこにいたので、彼女たちが端っこまで気を配っていたのもしっかり伝わってきた。
だいいんぐあかさたなは、ここ掘れわんわんの仕草等なんちゃらにも増してぶりぶりのぶりっ子な振り付けが多く、それを全開に楽しんでいる季を観るのはとても清々しいし、一方ではにかむように踊るロンドをまた不覚にもかわいいと思ってしまうのである。
いや、不覚ではなく明らかにかわいいと認識している自分がいる。

Human Fly→TEKITWOではDKIの指使いがアラビアンナイト風の衣装と相まってエキゾチックで素敵だなというのが印象的だった。以前のDKIよりもダイナミックな場面はよりダイナミックに、かつ繊細な場面はより繊細に描いている様が美しかった。

次いでLike a Fakeが始まったが、やはりリハで観ていたのとは気迫が全く違った。
僕はこの曲での憂いを帯びたノア・ロンドの歌声が好きだ。

──ロンドとDKIの加わったKAQRIYOTERRORを僕が初めて観たのは、つれづれもKAQRIYOも出演してた渋谷Eggmanの対バン企画Cosmic Box(コズボ)だった。
当然の如く僕はアーティスト予約のお目当てはつれづれだった。
前物販でつれづれの皆と冗談なんか言いつつ、メンバーからこれも買ってとせがまれながらじゃあこれも…と追加購入してしまうのもまたライブの楽しみだった。そしていつも「いいライブにしようね」と声をかけてライブに臨むことを心掛けていた。
そしてそのすぐ向かいのKAQRIYOの物販ブースでは、加入して間もないノア・ロンドが店番をしていた。
つれづれのブースでチェキ券などを充分なくらい買い終えようとしたら、横にいた伊津さんが「ラボさんKAQRIYOも買ってきませんか?」と誘ってくる。
「でも僕KAQRIYOあまりよく知らないしなぁ…」
「じゃあ今日知っていきましょうよ」
「そうだな、ライブ観て良かったらチェキ撮ろうかな」
伊津さんの横でノア・ロンドさんが手を小招いて目配せしてくる。
(君は僕が生粋の"こまちバカ"だということ知らないんだね)
だけどお互い初対面なのでそんなの知らなくて当然なのであって。
「あっ、はじめまして。」
と挨拶したものの、向かいのつれづれ物販で僕の様子見てたロンドさんはおおよそを察したようで、その上で「私とも撮ろうよ。」って言ってくれた、そんな彼女の無邪気さに応えたいと思った。
初めて観たKAQRIYOTERRORのステージはノア・ロンドとDKIとという新メンバーの派手髪でどこかゴシックを通ってきたような佇まいに今までと幽世とは違う何かを感じた。単にルックスによるものなのかもしれないけど、僕がかつてヴィジュアル系と呼ばれるバンドたちに夢中になってた頃のような気分が甦ってきた。その当時僕は"普通のルックス"で音楽やってるバンドたちになかなか興味が沸かず、ロックとは華美であるべきだとさえ思ってた。
やがてベースを始めて色んな音楽に触れるようになり、そういった先入観は無くなってきたけど、やっぱりこういう華美なのに未だに惹かれてしまう。
しかしこの日Eggmanで観たLike a fakeのロンドさん良かったと思えたから、チェキの時にそんな話をしたっけな。
ロンドさんもそれを喜んでくれたのが嬉しかった。

その後つれづれのみんなとチェキ撮ったんだけど、メイちゃんから説教を喰らった。
肝心の小町はあっけらかんとしていたけど。
そこは叱ってほしかった。

その後もつれづれ×KAQRIYOのハロウィンやコドメンまつりでも少しずつロンドさんとチェキ撮るようになった。
コロナ禍で生ライブを体験できない時期に始まったYouTubeによる配信ライブで直接お話できない期間にチェキにメッセージもらったりして、やがてKAQRIYOのワンマンにも行くようになった。

カクリヨ奇想曲は、のなめら・个喆・ヤマコマロの頃から大好きな曲で、3人のひたむきさや絆だったりに共感して僕自身も鼓舞されて時には涙もする。あれからメンバーも変遷し、Cultural Mixtureで聴いた当初はまだ"のなこてマロ"のイメージで一杯だったけど、KAQRIYOTERRORのライブで何度かこの奇想曲に出会う毎に、この5人の絆も深く感じられるようになり、こちらも同じくらい大好きで、この日も涙腺がうるうるしていた。
「負けたくない負けてばっかりだけどさ」という心鞠のフレーズ以降はもう涙腺崩壊しっぱなしだった。
この5人で奇想曲を観るのもこれが最後か─などと思いを馳せてしまったら取り返しがつかないくらいなのだが、こんな日は思いっきり涙してカタルシスに換えてしまおう。

そう思ってるとLife is Despairのイントロが流れてきた。
アヴァンギャルド0チテンを聴き始めた頃はやはりスラッシュメタルやハードコアなギターサウンドを求めている自分が多くを占めていたので、この曲の存在感は正直それほどでもなかった。しかし涙丸とDKIがいるうちに何かアルバムの曲をコピーして弾くことを本人たちと約束していたので、Life is Despairのベース面白そうだなと思ってコピーをはじめた。そしたらこの曲の各々のヴォーカルが他の曲よりもクリアーに歌われていてギミックのない彼女たちの姿もまたいいものだなと思い始めるようになっていた。きっかけはそんなことだったけど、こんな角度からでもこの曲をライブ前に予習しておいてよかったな。

Life is Despairと共にPersona_もベースパートをコピーしながら、確かにこの2曲はロンドが歌詞カードに書いてくれたように2曲を続けて聴くのが気持ちいいし、そのおすすめのシチュエーションのように耳を澄ますと確かにより深く心に響いてくるのである。
そんなことを思い出してると本当にPersona_のイントロが流れてきたので、思いっきりセンチメンタルに浸って聴き入っていた。
聴き入るだけではない。けっこうBPMも速いし「ッパッパッパッパ」という部分のサイドステップの振り付けもかっこいい。
そしてラスサビの「ただ君にただ君だけ」と繰り返すパートではこの日最後の涙丸からの視線もいただきました。それ思い出しながらこのレポ書きながら聴いてるとイヤフォンから涙丸の声が聴こえてきてまたウルッときてしまった。

そしてHide and Seek→かごめ→ユビキリ→かごめとつづくメドレーは、幽世の頃から聴いてた曲を今の5人になって徐々に受け入れて好きになってきた自分自身を振り返る。
と言っても拒絶していたわけではない。ようやくメンバーと名前と顔を覚えたのにまたメンバーが変わるというのに追い付けなかったのである。しかしつれづれとのツーマンで観る機会に触れ、今ではかごめかごめは涙丸の「誰が手にした偽栄誉」のドスの効いた声が大好きです。
そしてBWGからAvant-gardEと、"KAQRIYOTERRORとしてのオリジナル曲"へ続き、幽世からKAQRIYOへの歴史を感じる流れも圧巻だった。
昨年11月の今村社長の生誕の時、心鞠をリーダーとしてメンバー自身がセトリを考えたと言ってたが、まさかの「いろはにコラージュ」から始まったのには驚いたし、社長に幽世からKAQRIYOへの歴史を感じてほしいのだという気持ちが伝わってきて、あのセトリを配信ではなく生で観たかったなという当時の気持ちが、このBipropagandaで叶えられたように思えた。

本編はここで終了。
時間が経つのはあっという間に感じられたけど、振り返ってみると実に濃密な時間だったし気持ちもお腹いっぱいに満たされた。
しかしあの曲まだ聴いてないよな?

程なくしてアンコールの拍手がちらほら鳴り始めてきた。その拍手の粒たちが徐々に揃ってくるとメンバーがBipropagandaのTシャツで登場してきた。
あ、ロンドちゃんの着こなしとても素敵です。目のやり場に困るくらいに(ノω〃)キャー

そしてここでメンバーからMCを。
季が先陣を切ろうとするものの二の句を次げずにいる。いつもはっちゃけすぎるくらい天真爛漫なのが季の魅力でもあるけど、こういう場面で真面目なところが出てしまうギャップがまた季の魅力だと思う。季のコメントは一旦後回しになりDKIが話し始めることになった。DKIはビジュアル面でのインパクトがありミステリアスな雰囲気もあったから、それほどたくさんKAQRIYOを観てこなかった僕はなかなか彼女を知るのに時間がかかった。しかし少しずつ知るうち、クールに見えて熱い面もあるDKIのことも親しみをもって好きになってきた矢先にだもんな。もっと早くにDKIちゃんのこともっと知りたかったよ。良い余韻だけを残してくれてありがとう。

ロンドもまたクールに見えて熱いところがあって、そこにまた惹かれている自分がいるのだが、同期として加入してきたDKIが去ることはさぞ寂しいことだろう。
途中心鞠が泣いてしまう場面もあり、普段ク○リプの応酬をしている彼女とのギャップに僕の方までウルッときた。どちらも等身大の游ちゃんなんだよな。

そして涙丸のコメントが。僕が涙丸のステージを初めて観たのは2018年夏のコドメンまつりだった。渋谷のあのエアコントラブルが印象的だったあの日。
当時加入して間もなかった涙丸も季も衣装ではなく幽世のTシャツでステージに立っていたが、3人から5人に増えた幽世はステージ狭そうにしてたなぁというのが正直な印象だった。
その当時もその後も僕はつれづれ中心にばかり考えてきたけれど、ハロウィンやクリスマスなど幽世(→KAQRIYO)とつれづれの2マンだったことも多く、次第にKAQRIYOとの距離も近くなってきた。それまでほどんどKAQRIYOとはチェキ撮ったこともなかったが涙丸は僕のことを知っててくれてたようで、昨年涙丸が休養ののち復活したライブの時、おかえりなさいと涙丸とチェキ撮った時、涙丸はとても驚いてそして喜んでくれていた。あの時の人懐っこい笑顔が今でも目に浮かぶ。


そしてお待たせしましたと言わんばかりにlilithprideの重厚なイントロが流れてきた。この5人での初シングル、僕は数えるほどしか観られなかったけどいつも大切な場面でlilithpride歌ってきたよね。
縦のフォーメーションに並びEXILEさながらに千手観音のように回る部分は正面から観るのがいいのだろうけど、この日僕は最前列の端から観ていたので、ほぼ真横から見えるフォーメーションが却って5人であったことが際立っていて感慨もひとしおだった。このアングルからこれを観られたことは端っこ席の大勝利とも言えよう。
アイデンティティークライシスでは涙丸と心鞠のカクカクを観るのもこれが最後なのかな。と思いながらYeah I don't give FxxK! では思いっきり敬意を込めて中指を立てて見送った。

と、本編とアンコール含めて盛りだくさんだったが、まだ何か足りない。そうだ、The Forbidden Musterbatingの「君は僕でてめえはあいつだ」の涙丸パートをまだ聴いてないし、重大発表もあるはずだ。

やがて再びアンコールの拍手が鳴り始める。
すると暗くなったままのステージ奥中央のDJブースに1人。
その姿はノートPCで隠れているが、髪も長いようでお顔もよく見えない。赤く縁取られた大きな袖先が揺れているこの白と青とでトリコロールにも見える見馴れない衣装は一体誰なんだ?
KAQRIYOの新衣装?にしては現衣装からのスパンが早すぎるし、誰かアンコール用に変装してる?新メンバーがさっそく機材いじる?もしかして新メンバーってベテラン?
Oblivionのイントロが流れてきた。
その正体は、あのヤマコマロだった。
長く伸びた髪には銀色のメッシュが入ってずいぶんと大人びて見えるが、聴こえてくるのは紛れもなく聴き慣れていたマロの声だった。
1年前の年越しコドメンまつりで、休養から半年ぶりに顔を見せたマロがソロとして歌ったOblivionだったり、5月のコドメンまつりでまさかの个喆と二人で歌った"幽世テロルArchitectセピア"のいろはにコラージュだったりを思い出した。
しかしマロ体調はもう大丈夫なのかな?
KAQRIYOになってからファンになった人にとってはヤマコマロという存在が初めましてでもあるし、マロ自身にもそれに対するぎこちなさが未だ残っているように見えた。

と、ここで余談になるが(←さっきから余談ばかりだが)、僕は年明けてからの"人事異動"について戸惑いしかなかった。ステージで歌いたいという本人の意思を尊重することはとても大切なことだと思う。しかしその順序だったりタイミングに釈然としない自分がいた。しかしもうそれは不可抗力として既成事実となってしまっているので、僕はそれに抗うことはできないのは解っているし、むしろお前が去れと言われている気がしてならなくて、心臓が掻きむしられる気持ちでいる。
しかし僕が四年余りを過ごしてきたことへのけじめは、僕なりにつけたかった。
せめて四十九日までは。

幽世時代からずっと幽世を中心として追い続けてきたヨミビトさんにとっても、人事に引き裂かれる思いをして辛酸を舐めた人だっていただろう。
思い返せば艶奴が居なくなったあとのつれづれに个喆が来てくれたことは群青である側にとってはとても心強かった。しかし个喆を失ったヨミビトさんのことを思うと手離しに喜ぶのが憚れる気持ちもあった。しかしやがて幽世の个喆推しだったヨミビトそんがつれづれのライブに来てくれるようになって、そしてつれづれを楽しんでもらえてるのがとても嬉しかった。

僕はモーニング娘。などのハロプロに夢中だった時期もあった。あの頃からグループ間のシャッフルやレンタル移籍もあって、巷のファンはそれをクラスの席替えのように楽しむ節さえあった。

僕はその頃からそういうのは無邪気には楽しめなかった。今でもアイドルグループにとって卒業や加入といった"新陳代謝"は、グループを永続させるためのセオリーにすらなりつつある。
思い返せばつれづれだって幽世だって幾度の変遷を遂げ、その度に驚き戸惑い、やがて受け入れるようになってきて免疫さえついてきた。
しかし、ゆくえしれずつれづれに関しては、メンバーそれぞれに対する気持ちが歌詞と共に育ってきた面もあり、六落叫が九落叫として今のメンバーの歌詞として進化した時に「次は十落叫かな?」などと冗談混じりに話してたオタクを、僕は正直ぶん殴りたい気持ちだった。ゆくえしれずつれづれはもはやアイドルではなく、唯一無二のゆくえしれずつれづれなのだから。
変わらぬメンバーで30年以上続けているBUCK-TICKのようなグループになって欲しい気持ちだったので、小町・メイ・个喆・たからの四人の他はもう考えられない。そう思うようになったから、彼女たちが苦難の末に選んだ「解散」は、とてもつらいことではあったが、巷のアイドルのように取っ替え引っ替えするよりも、僕の中ではすんなりと腑に落ちた。

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そんな気持ちでOblivionを聴いていたら涙がこぼれてきた。

って、まだつれづれが逝去して四十九日も経っていない、すなわち成仏もできていないのにこの心中をここで吐露するのも如何なものかと思うが、改めて四十九日以後にこのレポを引き続き綴っている今でもやはりその気持ちは変わることなかった。

するとThe Forbidden Musterbatingが流れた。
あの印象的な涙丸のドスの効いたフレーズを歌うのは、マロであって欲しいな。ってマロでキタ━(゚∀゚)━!
そうそうこのパンチの効いた太い声だよ。

幽世から抜けて一年半過ぎてKAQRIYOに加入したマロについては、まだ驚いてるままでいるし幽世に思い入れが深い人に取ってはもっと複雑な心中もあるかもしれないけど、しかし僕はその2曲を聴いた時点で、これでよかったと思えた。
おかえりなさい。
これが正解だったかどうかは、今後のマロの頑張り次第だと思う。体調のことも心配だけどそれも含めてマロが覚悟を決めたのだから、これからまた応援していきたいと思う。

追記;あれからCircus NAGOYA、Circus TOKYOを観てきたが、マロの復活は大正解だったと確信している。

そしてまったく聴いたことのないイントロが流れてきた。KAQRIYOのライブではDJアレンジによってイントロが変わることも度々あるがリズムといいコード感といい知ってる曲と符合しそうにない。始まったのは「décadence」という新曲だった。
奥ではベースが鳴っているのだがブレイクビーツが前面に出ていてNot fear...not fearと奏でられるが、いわゆる歌モノとは程遠い。今までに無い毛色をしている。しかしこの曲自体はけっこう好きな感じなので、今までのKAQRIYOの曲たちとこれからどうやってセトリに組み込まれていくのか楽しみである。
そうして心鞠・季・ロンド・マロの四人による正真正銘の再スタートの火蓋が切られた。

3曲を終えて改めてマロがMCを始めた。歌ってるときの鬼気迫る感じもまさしくヤマコマロそのものだったが、このどこか挙動不審でgdgdなMCを観て、やっぱりヤマコマロだ!と安心した。心鞠や季とはもちろん以前のようだったが、ステージを共にしたのはこれが初めてだったはずのロンドとも既に打ち解けている様子でロンドもMCでそのことを話していた。
「重大発表」と聞くとつい不穏に思う癖がついてしまっていたけど、とても安心感のある重大発表でよかった。そしてマロの加入とdécadenceという新曲、そしてもうひとつ告げられたのが、関東地方と近畿地方を巡るツアーの告知。その他の地方についてはもう少し後になって発表されるそうだが、それにしても関東も近畿もほとんどの都道府県を網羅していて、しかも日程もかなり密度の濃いツアーになりそうだ。
体力的にもけっこうヘビーなスケジュールになりそうだが、それだけ今年のKAQRIYOTERRORに期待されているということの現れだと思うし、どうかこの四人で再び頑張って欲しい。
って言うとまるで他人事のようだが、僕も行けるところ何ヵ所かは参戦しようと思ってる。

RH
1. Like a Fake
2.うすうす
3.Avant-gardE
4.Drying Party?
5.アイデンティティ
6.BWG

production
DJ;游
Dノ游季涙
1.うすうす
2.摩訶不思議ズム
3.Drying Party?
4.SOS
→鬼乃狗摩音頭
→Original Satire
7.なんちゃらバブルス
8.あかさたなproduction
DJ;游
Dノ游季涙
1.うすうす
2.摩訶不思議ズム
3.Drying Party?
4.SOS
→鬼乃狗摩音頭
→Original Satire
7.なんちゃらバブルス
8.あかさたな
9.Human Fly
→TEKITWO
11. Like a Fake
12.カクリヨ奇想曲
13. Life is Despair
14.Persona_
15.Hide and Seek
→かごめ→ユビキリ→かごめ
18.BWG
19.Avant-gardE

en
20.lilithpride
21.アイデンティティ
en2
ヤマコマロ加入
22.Oblivion
23.The Forbidden musterbating
24.décadence(新曲)

画像2

この日の特典会は緊急事態宣言の都合もありここWWWでは行えないとのことで、南青山の会場まで移動することに。僕はつれづれのライブで何度も共に過ごした群青3人で移動することにした。途中で買い物もしながら(謎)、雨もぽつぽつしている中をつれづれなるままに。

コンビニで傘を買い会場のある地下階に降りると既にYOMIBITOさんが溜まっており、SS席の特典としての「楽屋招待」(楽屋とは…)に次ぐ特典会の始まるのを待っていた。
特典会ではそれぞれと2ショットチェキを撮り最後の5人と囲みチェキを撮ることにした。
DKIと涙丸とも名残惜しつつも楽しい時間を過ごした。マロとも久しぶりの再開を果たした。およそ1年前の年越しコドメンぶりだったけど覚えててくれてありがとう。これからもよろしくね。
ロンド・季・心鞠とも撮り、先程買い物してきたネギとも撮った。あ、たまたまネギ切らせてて買って帰るだけです。
(ネギネタについてはKAQRIYOのYouTube観てください)
そして囲みを撮って全員と話してたら、さすがにこの日は涙丸とDKIの列が絶えないので二人は次の人と撮りにいってしまった。その後しばらく手の空いていたロンド・季・心鞠とおしゃべりしてたら「いつまで話してんだよ!」って高木さんに制された。

別れも再会もあったが、楽しかった気持ちで一杯の一日だった。あれからライブというもの自体の無い日が続いているけど、どこかで淋しさという感情も襲ってくるかもしれない。
しかしマロがいるから大丈夫。
これからのKAQRIYOTERRORにも期待してます。


2021.1.24~3.12
Лавочкин(らぼーちきん)

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