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#KAQRIYOTERROR 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変20210410 @横浜B.B.street

つい先週の金曜日に渋谷GUILTYで始まった「新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変」もいよいよこの横浜で最終マッチポインツ!べべべべ ベベン♪
とマロも歌い出す。(脳の中で)

前夜にYouTube配信でかくりよちゃんずが横浜B.B.streetまでを歩く配信を視たのち、平日の朝の電車バス等でしたためてきた東変渋谷と群馬のレポををまとめる。夕飯に飲んだお酒もいい感じに回り夜更かしはできそうにない。
いつもより少し遅く起きて、長風呂に浸かりながらその続きを書いていると、そういえば横浜でどっか寄ってから行こうという計画が霧消していた。
まぁ横浜は近いし。
そう、今回のファイナルの横浜は、僕の地元横須賀から最も近い場所でありとても親近感がわく。
ゆくえしれずつれづれのリリイベを初めて観に行ったのも横浜のタワレコだった。いつしか僕は遠征というものに病み付くようになった。
メイユイメイが加入して、僕が初めてメイちゃんに会ったのはBy The Avant-garde Tour通称"BTATツアー"の福岡で、その次に都内のライブで会ったときメイちゃんから「ラボさんって福岡の人じゃなかったんですか?」と驚かれたことが印象的だ。

そんな横浜へ、かくりよちゃんずが四人でYouTube配信をしながら歩いて辿り着いたときの高揚感をそのまま、細かい推敲は後でもいいや。とにかく横浜公演の前に形にしておこう。あわよくばメンバーの目に届けばいいな。なんて。
しかし如何せん相も変わらず長いのでリハなどで忙しくて読んでもらえるはずないだろう。
という逸る気持ちのままブログを書き上げTwitterで報告した。

横浜へは毎日通勤しているルートとほぼ同じだ。
開場時刻から逆算して身支度を済ませる。
そして予想よりも早く着いた関内駅のホームからはB.B.streetのある商業ビルCERTEが見える。
前日の配信でもうすぐゴールに近づくかくりよちゃんずに「B.B.は意外な場所にあるよー(高さ的に)」とコメントした。実は僕はB.B.streetへ来るのは初めてなんです。
昨年つれづれのOverdestrudoTourで是非とも観に来たかったのだが、惜しくも抽選に外れてしまった。
なので下調べだけはしてたんです。このビルの12階。ライブハウスってだいたい地下や低層階にあることが多いですよね。
下階への振動・騒音を考慮してのことだろうが、そういえば新宿motionも6階だったっけ?高層階にあるよね。
CERTEの1階のATMで"腹ごしらえ"をして(逆に口座がお腹すかせてきた)、少し散策してフィジカルの腹ごしらえもしておこう。
かくりよちゃんずの昨夜のゴール地点で残り香を吸う。はぁ~、お腹いっぱい。
せっかくなのでデザートにラーメンでも食べようかな、CERTEから歩いてすぐに天下一品があるじゃないか…やや、待てよライブ前にお口こってりなのは…
その隣の紅花でサンマーメンを食べることにした。
夕方4時半だったのでお客さんは少なく、年季の入った店内では赤い行灯がたくさん下がってて、テレビではベイスターズの試合が流れている。
たくさんの野菜のあんかけが載った、ちょっとショウガの効いた優しいしょうゆスープと中太麺、美味しうございました。
昔から続く中華料理やさんで食べた横浜名物サンマーメンは、洗練され過ぎたみなとみらいや、観光地と化した中華街で平均化されたお店を選んじゃうよりもザ・横浜なチョイスで正解でした。

#ロンドともぐもぐ

今週は横浜関内からお届けしました「ぶらり途中下車の旅」
また来週!

(滝口順平)
おやおやラボさん、今日はこれからKAQRIYOTERRORの新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変 ファイナールがあーるじゃないでーすかー

これは失敬!
ではさっそくB.B.streetを拝見してみましょう。
ほぉー、これはなかなか楽しいライブが期待できる間取りですねぇ。
えー、今回わたくしはメール送信を頑張りまして整理番号4番を取ることに成功したのですが、私よりも先に3人のYOMIBITOさんが取得していたんですね。お見事です!
ではさっそく私はここからライブを観ることにいたします。

渡辺篤史の建物探訪とか、伝わりにくいものまねという茶番はこれまでにして今日は後物販の時間に限りがあるので開演前に物販を済ませておく。
スタンプカードを伊津さんに渡すと「ラボさん特典あるけど誰推しです?」と尋ねられる。
「今日入場特典あるんですか?」「いや、スタンプ3個集まったので」「あっそうか。ロンドちゃんで。」

と公言したのはこれが初めてかもしれない。
いや既に公然の事実と化しているかもしれないが。もちろん四人とも好きなのはいつもの通り分かってもらえてるだろうけど、こんなやりとりで改めて確認されるとちょっぴり気恥ずかしいものがある。

伊津さんが会場での注意事項を告げるとBGMがボリュームをあげ、つかの間の静寂の中、上手側の袖の奥の楽屋から「KAQRIYOoooooTERRORuuuuu!!」と四人の掛け声が聴こえてきた。ステージと楽屋が近かったからだろうか?こんな声が聴こえてきたのはこれが初めてだった。そしてマロが登場しDJ機材を起動させる。再び楽屋から「KAQRIYOoooooTERRORuuuuu!!」と三人の掛け声が聴こえてきた。

一曲目はカクリヨ奇想曲から始まった。
この横浜までの数日間の彼女たちの悔しさや、みんなでがんばってきたこと、そして歩いてここ横浜まで踏破したこと、そしてこの公演がソールドアウトしたこと、ほんの一週間の出来事だったが走馬灯のように駆け巡り、その失踪間のある演奏と共に僕のエモ圧メーターも一気にレッドゾーンまで加速した。

3月29日、すなわちこのツアーが始まるほんの数日前、ちょうど都内近県で桜が満開だった日の季のこのツイートが印象に残っていた。

この後半はきっとカクリヨ奇想曲の「どんな苦しみもここで立って 歯を食いしばって」と重ね合わせているのだろうな。と思った。ちょうどすもてゃんのパートでもあるし。

そして東変開幕後真っ只中の4月5日のこのツイートも印象的だった。

僕は「どんな苦しみも~」の歌詞も好きとリプライした。その後この奇想曲の歌詞全文を改めて読んでみようと、歌詞カードを探すよりも先に歌詞サイトを検索することもある。特に出かけている最中は。

そこでこんな記事を見つけた。

点と点が線でつながった瞬間でした。

そして千葉→横浜への歩いてみる配信と配信の間のツイートで線は面になりました。と、引用をたくさんしてしまったが、おまけに僕の前回のレポからも引用を。

────「しかしこれからはライブを通じて僕の生き様とKAQRIYOの生き様とが重なり合う瞬間も増えることだろう。そうしてこのカクリヨ奇想曲が今まで以上に感情を揺さぶってくる、そんな予感さえしている。」

と前回のレポで書いた矢先の出来事だった。それにしても1曲目から奇想曲で攻めてくるとは。しかしこの曲はタイトルで「カクリヨ~」とグループ名を冠している、幽世テロルArchitectにとってもKAQRIYOTERRORにとってもグループを象徴する特別な曲とも言えよう。

次いで始まったのは「かごめかごめ」。イントロでメンバーが煽りを入れてくる。いったいどこまで攻めてくるのだろうか。
そして「Hide and Seek」。Hide and Seekは1小節のイントロののち、重厚で落ち着いた16ビートのサビから始まり、エンディングもそのサビで締めくくるので一見すると落ち着いた曲の印象すらある。

しかしその間に展開されるAメロとBメロは2ビートと高速ではねた8ビートで構成されていて実はその”裏の顔”こそがメインとも言える不思議な曲だ。陰と陽というか、まるで幽体離脱して三途の川の向こう側の世界を見てきてかろうじて現世に戻ってきたかの感覚に襲われる。

そしてHybrid TABOOは幽霊のようなゾンビのような振り付けも印象的だ。マロはそこをキョンシーと言っていたが確かにそれもぴったりだ。

だいいんぐあかさたなのイントロでシーケンスフレーズがリピートする中でもメンバーが煽ってくる。ほんと今日の気迫がいつも以上に感じられる。上手側で見ていると「ここ掘れ優秀な犬よ」を踊るロンドちゃんが妙に可愛らしかったり、いろいろ見どころがいっぱい詰まった曲だが、その中でも

「ちょっと待って!皆まで言うなて。十人十色という言葉知らないー?」と心鞠游ちゃんがメンバー全員からフルボッコにされる場面がまた何度も観たくなる。いや虐待とかでなくてw
ったくこれだからポリコレの世の中は生きにくい。なぁーんて社会に対する戯言がたくさん詰まってるはずなのに、「歌詞でのメッセージ性」を否定しているという身も蓋もない曲ってのがまた面白い。

考えたくない君は僕と一緒に踊ろう、踊ろう。

井上陽水の「夢の中へ」での「それより僕と踊りませんか」にも通づる部分がある。改めてKAQRIYOの歌詞カードを眺めていると実にたくさんの言葉が詰まっているのだが、この曲が流れているうちは「うふっふ~♪」で充分なのだ。からの→鬼乃狗摩音頭→Original Satireというメドレーも、考えるな、感じろ。のブルース・リーの境地にいればそれで無問題(mou5 man6 tai4)なのである小島よしお。

とは言いつつもKAQRIYOTERRORの歌詞カードはしっかり読んでおいた方がいいよ。歌詞の言葉の意味よりもその音感やリズムを大切にする、ある意味”洋楽的アプローチ”もウェイトを占めているが、このサブスク隆盛で携帯端末で外に居ながら歩きながらイヤフォンで聴くことが多い今だからこそ、じっくり歌詞カードを広げて鑑賞する時間も大切だと思う。

一昔前は「趣味は音楽鑑賞です」なんて言葉は割とマジョリティだった。自宅でコーヒーを淹れて大きなステレオでレコードに針を落として、なんていう優雅なものではもはやなく、「カラオケの練習にJ-POPを…」なんてのも「音楽鑑賞」と呼んでいた。そして世界の音楽市場はいったん瀕死状態を迎え「音楽鑑賞」という言葉も死語になりつつある。CCCDなどのコピー防止機能(というかバグ)を埋め込んだ粗悪なディスクが市場に蔓延し、リスナーたちはお店で音楽作品を手に取る際にその商品を疑う習慣がつき、やがてCDショップから遠のいていった。00年代初頭までの熱狂が嘘だったかのように。

その後YouTubeやブロードバンド通信の普及などで人々が再び音楽に触れる機会も増えてサブスクなんかも増えて現在に至るのだけども。って何の話だっけ。そうそう、それでも僕はコンパクトディスクという透明ケースの中にジャケットと歌詞カードそしてディスクの入ったパッケージとしての作品をこれからも大切にしていってほしいと思います。なぜかうちには同タイトルの同パッケージ作品が複数、しかも大量にあったりもするのだけど(冷や汗)、ほんとはこれ、もっともっと多くの人に手に取って聴いてもらいたいものばかりなんです。

Bipropagandaの時は最前列の下手側で観ていたがこの”東変”僕は3本とも上手側で観ていた。僕よりも整理番号の早かったYOMIBITOさんはどうやら下手側がお好きなようで。上手側から観る摩訶不思議ズムの「あなたをお慕いしております撫子系」のロンドもまた可愛らしいのである。さっきからそればっかだなお前。いえいえ下手側にだってたくさん見どころあるはずなので、次はまた下手側にも行ってみたいです。

そして「うすうす」のイントロが流れると「ここからは後半だよ~!」と游ちゃんが。そういえばこんなに各所に煽り・MCを入れてくるKAQRIYOライブ、少なくとも僕が観たことのある中では初めてだ。そして「後半」と宣言するのも珍しいと思った。その「後半」で仕切り直す1曲目が「うすうす」だったことに、ふとWWWのBipropagandaを思い出す。

うすうすのエンディングでは季がDJブースに立ち、下手側から心鞠←ロンド←マロの順に並んでいた。

TEKITWOをライブで観たのは久しぶりだった。僕はリズムに身体を委ねながらツアータオルで汗をぬぐい心地よいクールダウンのひと時だった。そこからのHuman flyもKAQRIYOの歌とダンスをまったりと堪能していた。この曲も低音が以前よりメリハリが効いてきてより気持ちのいいものになってきた。一緒になって暴れるのもライブの醍醐味だが、それだけじゃない”魅せるKAQRIYO”という一歩上のステップを構築し始めている彼女たちの今後が楽しみである。
そのHuman flyからターンテーブルでアイデンティティークライシスにガラッと世界は変わる。「君のギミック沸ける?」から続くサビでは游ちゃんから明らかに指差しロックオンされていたので僕もロックオンし返した。I don't give a FxxK!!では目の前のすもてゃんと思いっきり中指立て合った。

ユビキリゲンマンそしてAvant-gardEと再びKAQRIYOは加速してゆく。Bメロの指パッチンするロンドがクールでたまらん。YouTubeの振り付け動画で本当にきれいにパッチン鳴らしてるのを見たから尚更にかっこいい。終盤の4人が縦に並んでぐるっと渦を巻くフォーメーションもかっこいい。

本編ラストを飾ったのはlilithprideだった。そう、この2曲もアルバム「アヴァンギャルド0チテン」のM1・M2と同じ続き。そしてロンドがKAQRIYOTERRORに加入して初めてレコーディングした曲。lilithとは「子供を攻撃する女性の悪霊」とある。それは幽世の世界を生きる彼女たち、すなわちKAQRIYOTERRORそのものであり、悪霊である彼女たちなりのprideを掲げ称える歌である。というのが僕の解釈。Hybrid TABOOのゾンビともキョンシーとも通づる世界にこの曲は存在し、その彼女たち自身へのアンセムであるという意味では、カクリヨ奇想曲とも通じるのである。

そう考えると、この東変の最終決戦つまりファイナル公演で初手にカクリヨ奇想曲を、そして本編ラストにlilithprideを持ってきたのが腑に落ちる。

そんなことを思いながら「トベ Fly again」とジャンプしていると脳内麻薬が分泌されているのが分かる。そしてクライマックスで「君こそ僕の誇りだろ」と己の左胸に拳を当て、その拳を目の前にいるロンドの前に突き出すと、ちょうどその目線の先でお互いの拳と拳が重なり合った。
この瞬間が永遠に続けばいいと思った。

音楽が鳴り止み、その残響だけがフロアの空気を揺らしてる時も僕はその下ろした拳を握りしめたままだった。
四人が横一列に並んで「ありがとうございました!」と挨拶して彼女たちを拍手で見送るまでは。

束の間の静寂の中、左腕に書いたセトリにさっきまでの本編を振り返る。
9曲目のうすうすで游ちゃんが「後半だよ~」と宣言したのにも実は意味があったのだと思う。後半にアイデンティティー~とユビキリゲンマンがあるものの、前半の摩訶不思議ズムまでの曲は全てArchitect時代からの曲で固めてある。

昨年の今村社長生誕の時の「いろはにコラージュ」からリリース順に幽世/KAQRIYOの歴史を追ったセトリも斬新だったが、今回の横浜のセトリも「新奇懐古周遊(略)」の東変ファイナルに相応しい「新奇」と「懐古」というコントラストを強く意識したものだったと僕は解釈した。「幽世」の時代を過ごしていないノア・ロンドと「KAQRIYO」としてのツアーを初めて過ごすヤマコマロとの邂逅、そして心鞠游と季とがマロの歩みとロンドの歩みに手を携え、そして四人で一歩一歩を踏みしめ、そして駆け抜けてきた怒涛の8日間のいいファイナルだったと思う。

いやまだアンコールが待っている。
最初にマロが登場しステージ後方のDJブースに、次いで季・ロンド・心鞠が登場した。
ドラムフィルから始まりリードギターとカッティングギターが重なるイントロが流れる。
Oblivionが始まった。
1月24日のBipropagandaのWアンコールでOblivionが始まるときもマロが最初に一人で登場した。
その時と明らかに違っていたのは、今回はその姿がヤマコマロであると一瞬にして分かったことと、季・ロンド・心鞠と四人でお揃いのツアTを着て登場したこと。
一方で僕はといえば相も変わらずそのOblivionを聴いて号泣していた。
しかし僕もあの日と違っていた。
あの日はそれまで生きてきた僕自身とあの頃の記憶と重ね合わせて涙が溢れてきたが、しかしこの日は此処にKAQRIYOTERRORの四人が立って歌っているという、此処にある事実そのものに涙が止まらなかった。

きれいに忘却してしまえるのならば、どれ程楽なことだろう。しかし忘却してしまうことは怖い。
たがら僕はこうして記憶を文字に書き起こしたりして怖さから逃れようとしている。守りたいもの・大切にしておきたいものがある、僕は弱虫でいくじなしだ。
そんな僕に向かって、彼女たちの悲哀と慈愛のこもった歌声が優しく響いてくる。
エンディングのギターのディレイが鳴り止んでもそれは頭の中でリフレインし続けていた。

The forbidden musterbatingは以前よりも振り付け少し分かってきたので更に楽しいし「君は僕で~」のマロパートやっぱりかっこいい。
そしてその後の間奏で金属っぽいパーカッションが鳴ってるところ、インダストリアル味があって好きだな。KAQRIYOはDJも導入するようになったんだし、ソフトバレエみたいに躍りながらパーカッション叩くパフォーマーがあっても面白いだろうと思った。

アンコールラストはdécadenceだった。
décadenceを初めて聴いた時はそのリズムの異質さに置いてけぼりになりそうで、その突き放した感じもまたクールだと思ったが、そのリズム特に低音も他の曲とのバランスもよく響くようになったし、ダンスも歌もすっかり板に付いてきて確実にKAQRIYOTERRORの一曲として存在感を放つようになってきた。

アンコール前に思ったセットリストの「新奇」と「懐古」のコントラストは、ロンドにとってもマロにとっても初めての、心鞠と季にとっても初めての、この四人で0地点から作り上げたKAQRIYOTERRORの最新曲で幕を閉じた。
ツアTという戦闘服を身にまとった四人が横一列に手を繋いで「ありがとうございました!」と挨拶をする。彼女たちが同じ戦友として、とても頼もしく思えた。

#KAQRIYOTERROR 新奇懐古周遊弐千弐壱真世界 東変
20210410 @横浜B.B.street
DJ;マロ
ロ・季・游

1.カクリヨ奇想曲
2.かごめかごめ
3.Hide and Seek
4.Hybrid TABOO
5.だいいんぐあかさたな
→鬼乃狗摩音頭
→Original Satire
8. 摩訶不思議ズム
9.うすうす
(ed;游・ロ・マ/DJ;季)
10.TEKITWO
11.Human fly
12.アイデンティティークライシス
13.ユビキリゲンマン
14.Avant-gardE
15.lilithpride

en
DJ;マロ
季・ロ・游
16.Oblivion
17.The Forbidden musterbating
18.décadence

僕たちは一旦フロアから出て廊下に並んで特典会を待つ。もりさんと今日のセトリの答え合わせをする。
「あっ!!」
ふとあることに気づく。もりさんが保管している過去のセトリをすぐに引き出してくれて、それと照らし合わせる。
「やっぱり!今日のファイナルってそういうことだったんですね!これ後でかくりよちゃんと話したいです!」
「僕はあのライブを配信でしか観てなかったし、あの時あの場所にいたラボさんが話した方がいいよ。」
そんなもりさんも久しぶりのKAQRIYOのライブのこのツアーの東変を4ヵ所も観てきた強者だ。

いよいよ僕が囲みチェキを撮ってもらう番がきた。
開口一番に游ちゃんが僕にこう切り出した。
「ねぇねぇラボさん、アンコールの意味わかった?」
なんとも漠然とした訊き方ではあったが、僕は游ちゃんたちが求めていた回答はこれだなと確信していた。
「もしかして、というか○○○○○○○○○と○○だったでしょ?」
「そうなの!!ラボさんに分かってもらえて嬉しい!」
みんな驚いたお顔をして、そして喜んでくれている。なんだか僕もとても嬉しかった。
どうやら彼女たちはその「意味」を公には内緒にしておきたいような様子だったので、僕はそんな彼女たちの乙女心を大切にしておきたいと思った。
きっと他にもそれに気づいたYOMIBITOさんはいると思うけれど、いつか彼女たちの方から教えてくれるまでは、内緒にしておこうね。この後KAQRIYOは西変や他の変も控えているのだし。

そしてロンドが口火を切ってこう言った。
「ラボさんが書いたブログ今日読んだよ!」
えっ、まさか。
こんなに長いの読むくらいなら練習していてよーと言いたい気持ちだったが、嬉しいに決まっているでしょ。というか、もっと早くのうちに書き上げられなくてごめんね。

その他にも前日の歩いてみる配信を観てたことの話や、それ以上はここで書くのは控えておくけれど、嬉しい話でいっぱいだった。僕はこの東変を通じてかくりよちゃんとの心の距離が近づけたように思えた。

僕がKAQRIYOのライブに求めるものは「苦しみなどを忘れさせてくれる、ただ楽しむこと」だったはずだが、いつしかそれはただ求めるだけではなく苦しみや悔しさなどは分け合って和らげ、楽しさ嬉しさはお互い共有し合って増幅し合えるようになりたい、そう思い始めているのかもしれない。

今まで観てきた幽世/KAQRIYOのライブ─ほんの数えられるほどだが、それらを振り返ってみて「初めて触れた時の衝撃」や「懐かしさ」だったり、そこに重なる他へのエピソードなどを加味せず、ライブという空間体験そのもののみで考えれば、最もエモーショナルなライブだったと思う。ライブがあるごとに「最高だった!」というのは、ある意味とても簡単なことである。しかしその形容詞という手形は大量発行され、やがてインフレーションを起こしてしまうだろう。「全米が泣いた!」などの映画のCMでよくある試写会を観た観客たちの「最高でした!」ほど信頼できない言葉はない。
だから僕は滅多なことでは「最高!」とは言わない。
しかし本当にこの日のライブは一生忘れられないものだったと、数年後あるいはもっとその先の僕はきっと語り草にし続けていることだろう。

游ちゃん、すもてゃん、マロ、そしてロンドちゃん、とても楽しかったよ。
いつもありがとう。
大好きです。

2021.04.12
Лавочкин(らぼーちきん)

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