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【TRACE32 Basic】MATLAB統合化機能有効化設定 ー カスタムツールチェーンの登録

MATLAB/Simulink PILシミュレーション統合化機能を利用するにあたり、ターゲットCPUコアに対応したクロスコンパイラをカスタムツールチェーンとして、新たにMATLABに登録する必要があります。ここでは、その登録手順について、MathWorks社Webページに公開されている解説も交えながら、説明します。

ツールチェーン定義ファイルの作成および編集

デバッガソフトウェアインストールディレクトリの /demo/env/matlabsimulink/t32xil/toolchain ディレクトリに"t32xil_tc.m"というファイルがあります。
このファイルを複製、任意のファイル名に変更し、保存します。ファイル名はコンパイラの名称やターゲットCPUコアアーキテクチャ名などを織り交ぜたものにします。例えば、t32xil_tc_cubesuite_rl78.m など。

定義ファイルの内容について

次のURLの内容にしたがって、上記の t32xil_tc_cubesuite_rl78.m を編集します。

コメント付きのツールチェーン定義ファイル

本ファイルの編集には、使用するコンパイラのインストールディレクトリ等の情報が必要となりますので、事前にインストールフォルダを表示するなどの用意をしておきます。

カスタムツールチェーンの登録

/demo/env/matlabsimulink/t32xil/toolchain ディレクトリに用意されている rtwTargetInfo.m という名称の m ファイルを編集します。編集方法は、下記URLの手順にしたがいます。既に幾つかプリセットされている項目があるので、その後に追加するかたちで、今回追加するツールチェーンを記述します。

カスタムツールチェーンの登録

編集が完了したら、次のコマンドでレジストリのリセットを実施し、rtwTargetInfo.m からの読み出しをおこないます。

RTW.TargetRegistry.getInstance('reset');

ツールチェーンが登録されたかどうかの確認を行います。MATLABのコマンドラインから次のコマンドを実施します。

coder.make.getToolchains

次のような結果が返され、表示されます。

カスタムツールチェーンの追加

以上でカスタムツールチェーンの追加は完了です。

関連動画

以下に、Simulink と TRACE32 の連携機能のデモンストレーション動画をアップしています。
Simulink モデルと生成コード間をシームレスにデバッグする機能です。