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シトシト降るのは、あなたを心配しているから。

雨が輪郭を歪ませていた。
アスファルトの清掃係は、惜しみなく大量の雨を使う。余程、ホコリがたまっていたのだろう。前へ前へと押し流す様はどこか優しさすら感じるから、不思議と眺めていられる。
しばらくすると、まもなく止むだろうなというくらいに雨が、建物の壁面をチョンとつつきだした。

虹を綺麗だと感じる自分は、幸せだと思った。
まだ薄暗い空と居なくなった太陽。それから、静電気。
そのどれかに嫌気が差すのは自由だけど、雨で自分の輪郭は歪ませられないように傘をさす。
風にはムカついて良い。顔に当たるから。

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