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Vol.1 | 優しさ

#マガジン独白  |Vol.1|ノイズキャンセリング

よく周囲の人間から優しい人だねと言われてきた。

幼い頃にいじめにあったからだろうか。周囲の人間の、心情の機微に対し、敏感になっていた。

「嫌われたくない」の一心で、自我を殺して生きてきた。



「優しい人だね」



…ほんとに?



それはほんとに優しさなのかな。


「優しさの皮を被った、我が身大事さゆえの自己保身」


時折我にかえる私が、私にこう囁く。


優しさって、なんだろう。
どうしたら優しくなれるんだろう。


自我を殺す?

自分の意見は捨てて周囲の意見に乗っかる?

自分よりも他者を優先する?






いや、違うと思う。
それは優しさではないと、感じる。



…まあ、一個人の意見に過ぎないけどね。



あ、個人の意見を吐露しちゃった。
これは優しさ?うーん。




でもね、少なくとも。



捨てていい自我なんて、捨てていい意見なんて、ないと思うんだ。



みんな大事。捨てちゃだめだと思う。
包んであげなきゃ。大事に、だいじに。




まあ、法律と良識の範囲内で、って前提つきだけどね。



自分の意見と、相手の意見を、うまい具合に織り交ぜて、ハーモニーを作ってあげる。



ほら、ちょうどさ、ノイズキャンセリングみたいに。


あれって周りの音と、その逆位相の音とを
うまい具合に調和させて、「快」を生んでるじゃない?


ちょっと無理やり過ぎたかなあ。



まあ何が言いたいってさ、
無碍にしていい意見なんてないんじゃないかなあってこと。



ひとつひとつ、大事だと思うんだよね。






…そういえば、「良識」ってなんだ?




うーん。わからなくなってきたな。



こんなことで1人うんうん唸ってるなんて、
人間っぽいな。




嫌いじゃない。

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