氷の刃

10年経っても、10年目なのに

僕が働いてきた10年を、そんなふうに詰らないで


10年経っても、10年目なのに

僕が生きてきた10年を、そんなふうに貶さないで


10年経っても、10年目なのに

僕が駆け抜けてきた10年を、知りもしないで


僕の胸には、幾本の氷が刺さり、鮮血を出している

幾筋の傷跡が、生々しく残る


胸に刺さった氷の刃は、生きてきた証

それは僕自身の印、アイコン


胸に刺さった氷の刃は、生きてきた誇り

受難を非暴力で、耐え忍んだ


胸に刺さった氷の刃は、けなげで生々しく愛おしい

唯一無二の、生身のからだに

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