やよい軒

やよい軒が好きだ。めちゃくちゃ好きなわけでは無い。平均より少しだけ好きだ。

やよい軒より美味しくて安いお店も、居心地のいい場所も知っている。

しかし、人類はやよい軒へ向かう足を止める事は出来ない。朝早起きして、そこで食べる定食からしか得ることの出来ない幸せがあるからだ。

唐揚げを家で揚げても俺はレモンを絞らないしマヨネーズもつけない。めんどくさいから。しかし、やよい軒では話が違ってくる。立ちはだかる全てに全力を尽くすのが礼儀だからだ。

隣のジジィがクチャクチャサバの味噌煮を食べていようが、逆サイドのジジィが店員とケンカしていようが、全てを赦す。それがやよい軒に育てられたキッズとしての恩返しだからだ。この場所で学んだ耐え忍ぶ心を持って、今日を最高の普通にしていこうと思う。

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