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【映画】夜明けのすべて【やっと本編1】

#ネタバレ

映画と、同名の原作小説についてのネタバレをがっつり含みます。
すでに映画や小説に触れた人や触れる予定のない人に感想をまくし立てて話すかのように、とりとめなく書き連ねていきます。

冒頭、雨の中、傘もささずベンチに座る背中。
警察官に声をかけられて振り返る藤沢さんの、ぼさぼさの髪と据わった目。
直後、警察署に母親が迎えに来たときの丁寧な口調。
いきなり目の当たりにした豹変ぶり。一気に引き込まれた。

病院で医師から新しい薬を提案されたときの、期待に目を輝かせる藤沢さん。会社の自席でこっそりと薬を取り出し、すがる思いで服用する。しかし、副作用の強烈な眠気に飲み込まれてしまう。見ていて胸が苦しくなった。

ティッシュ配りや、証明写真(おそらくスピード写真で撮ったもの)をはさみで切る、将来に関して切実な若者の姿。
カフェで飲み物(おそらくココア、ノンカフェイン的選択)をこぼしてしまったとき、テーブルの上の履歴書ではなく床を先に拭くという利他の心の表れ。

五年後。現在へ。
藤沢さんの気遣いが随所に。
昼食の買い物から帰社するとき、信号のない交差点で左右を確認してから渡る。
隣の部屋にいる社長へ窓越しに「(シュークリームを)ここ置いときまーす」としっかり伝える。
普段は周りにとても気を遣う人だからこそ、PMSで激しく苛立ってしまうのはなおさらしんどいだろうなと思わずにいられない。

「炭酸飲むのやめてほしいんだけど…」と静かに、しかし着実にボルテージを上げて怒り出す藤沢さん。原作にはない「お客さんに挨拶もしない」という要素が加わっている。炭酸の音はあくまでトリガーにすぎず、山添くんのいくつかの言動に対する苛立ちが積み重なっているのではと思った。まったく的外れにキレているのではなく、そりゃ誰かしらは怒るよな、それでも言葉や口調を抑えられなくてしんどいだろうなと。

ぶっきらぼうに見える山添くんも、実は相手を大事にしている仕草が見られる。
シュークリームを「いらないです」と返すとき、180度回転させてパッケージの正面が藤沢さんに向くようにして返していた(どなたかがnoteかTwitterに書いていて、気をつけて見ていてら本当にそうでした)。
炭酸の件で藤沢さんに怒られた日の退勤時、しゃがんで靴ひもを結ぶ藤沢さんの横を通りすぎるとき「お疲れ様です」とぶっきらぼうながらも声をかけていた。無視はしないんだな、礼儀正しいんだなと思った。
翌日、藤沢さんにお詫びのお菓子…じゃなくて漬物を渡されたときに歯を磨いていた。パニック障害で歯科医の診察に行けなくなってしまう人もいるから、虫歯にならないように念入りに歯を磨いているのかなと想像した。

前後するけど、辻本さんとのビデオ通話が終わった後に薬を飲み、膝を抱えてうずくまるシーン。薬の後に水を飲むとき、少しもたつきながら水を二口飲む。顔をうずめて、泣かないようにと?膝を縦に数回ゆする仕草に、ああしんどいだろうなと思った。


とても長くなりそうなので、ここでいったん区切ります。
また時間あるときに続きを書きます。
ここまでお読みいただきありがとうございます。
では、また。