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ドラッヘアダムスキー解説:DMGP2022オリジナル参加レポート

みなさん、こんにちは。ウィンターです。

先日、約3年ぶりとなるデュエル・マスターズ・グランプリ2022が開催されました。自分も両日参加し、久しぶりの大型大会を満喫してきました。今回はオリジナルフォーマットで使用した「ドラッヘアダムスキー」について解説します。

「関西の霊王」プラズマさんと共同制作、プラズマさんと友人2人の計4人でシェアし、友人2人が完走することが出来ました!(製作者は不思議なことが起きて5-3で完走できず・・・)

デッキとしての強度も高いですが、プレイ一つでガラッと変わってしまうデッキだと思います。練習すれば練習するほど強くなれるタイプのデッキなので興味のある方は組んで遊んでみてください!

デッキ調整録

・メイン決定から初期型まで 山だよなぁ潰してえのは

今回のGPは新弾発売2週間後ということもあり、最新弾のカードを使用したデッキを組む気満々でした。その中でも個人的に注目度が高かったカードが《Drache der’Zen》です。

書いてあること多すぎんか

■このタマシードが出た時、カードを3枚引いてもよい。そうしたら、自分の手札を2枚捨てる。
■自分の水のクリーチャーまたは水のタマシードが合計4つ以上なければ、バトルゾーンにあるこのタマシードはクリーチャーとして扱わない。
■ブロッカー
■W・ブレイカー
■このクリーチャーが攻撃する時、次のうちいずれか1つを選ぶ。
▶コスト5以下のタマシードを1枚、自分の墓地からコストを支払わずに使う。
▶コスト5以下の呪文を1枚、自分の墓地からコストを支払わずに唱える。そうしたら、その呪文を唱えた後、墓地に置くかわりに山札の下に置く。

流石のSRということで4マナのカードのわりに書いてあるテキストが非常に多いです。出た時の手札交換に加えて、クリーチャー化すると呪文やタマシードを墓地から利用可能になります。そしてこのカードと相性が良いカードとして、すぐに思い浮かんだのが《攻守の天秤》でした。

実は再録ございません

■S・トリガー
■次のうちいずれかひとつを選ぶ。
◎相手のクリーチャーを2体まで選び、タップする。
◎自分のクリーチャーをすべてアンタップする。

自分のクリーチャーをすべてアンタップする効果があるので、《Drache der’Zen》をアンタップして連続攻撃が可能です。盤面の他のクリーチャーも合わせて攻撃回数が倍になります。そして連続攻撃が出来る青いコマンドがいるならこのカードしかないでしょう。

私が来た!

このカードで山札を破壊可能なのでLO対策がないデッキであれば安全に勝利可能です。そうでない場合でも、並べたクリーチャーを《攻守の天秤》でアンタップすることで打点を用意することが出来ます。こうして出来上がった初期型がこちら。

このときの構築はまだ光文明の使用を意識していました。《奇石 ミクセル/ジャミング・チャフ》は序盤のメタクリーチャーと終盤の蓋として役立ちます。《湧水の光陣》は《終末の時計 クロック》を蘇生可能なトリガーで、条件を満たせば《Drache der’Zen》を含め蘇生が可能になります。

スプラトゥーンにいるかも?

《宇宙 タコンチュ》はコマンドサポートとして採用されていました。素のコマンドが《Drache der’Zen》のみだったので、トリガーした《終末の時計 クロック》や置いておいた《異端流し オニカマス》をコマンド化するために利用していました。《湧水の光陣》で蘇生可能なことも強かったです。

・調整を挟み中期型へ 若き大長老への頭痛が痛い

初期案のデッキは殴るデッキに対する勝率が非常に高く、ほぼ負けませんでした。一方で全く勝てないデッキも存在しました。それがアナカラージャオウガもしくはアナカラーハンデスと呼ばれるデッキタイプです。

若き大長老とは・・・?

《若き大長老 アプル》により《Drache der’Zen》の効果を封じられてしまい動けなくなってしまいました。初期案では盤面に触ることが出来ず、メタクリーチャーが非常に重く刺さっていました。また光文明のカードも有効に使うことが出来ませんでした。

《Drache der’Zen》が呪文を墓地から唱える関係で、《攻守の天秤》は基本的に手札以外の場所にあります。そのため手札からマナに置くことが出来る光文明がなく、そもそもプレイが出来ないという悪循環になっていました。これを踏まえて割り切った構築にしつつ除去札をしっかりとったのが中期型です。

除去として採用したのは 《コーライルの海幻》でした。トリガーの枚数を維持しつつ、手軽に使用可能な除去札です。タマシードなので後半プレイしたときに《Drache der’Zen》のクリーチャー化を手助けすることも可能です。

2マナ圏で使うこと出来る初動札として《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》を採用しています。《アストラルの海幻》ではなくこちらにした理由は、《Drache der’Zen》のクリーチャー化のコントロールのしやすさです。

《アストラルの海幻》は適当に設置すると後から引いたプレイしたいカードを置くことが出来なくなることがあります。なるべくゲームを決めるタイミングまで《Drache der’Zen》のクリーチャー化を避けたいので、場に残らない《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》の方が優秀です。また《氷牙レオポル・ディーネ公/エマージェンシー・タイフーン》は、クリーチャー面で唱えることで《Drache der’Zen》のクリーチャー化を手助け可能です。

・そして最終形へ 大切なのはセクシーさ

ちょうどこの頃に関西の霊王ことプラズマさんから連絡がありました。なんとプラズマさんも《Drache der’Zen》のデッキを考えていたとのことで、せっかくなので共同制作しようということになりました。早速こちらで温めていた中期型を渡したところ開口一番こういわれました。

プラズマさん(実写)

「このデッキにはセクシーさが足りない・・・!」

何を言っているか分からないかもしれませんが平常運転です。ざっくり翻訳すると序盤からプレッシャーをかけるカードが少ないことや多面展開に弱いこと、《コーライルの海幻》が正直微妙という意見でした。ちなみに言葉の節々に終始セクシーが入っていました。

もらった意見をもとに、直近遊びに行っているマリモフ村というグループでリモート調整を行いました。あらためて回してみると《宇宙 タコンチュ》が過剰であることが分かりました。このカードよりは素のコマンドを追加しようということになり、採用されたのは《奇天烈 シャッフ》でした。

いつの時代も優秀なコマンド

呪文を封じる効果はシールドを殴りきるプランをとるときにも有効です。特にこの時の環境には蛇王門系列が存在していたので、呪文を封じる強みはあります。《Drache der’Zen》がないときにもプレッシャーをかけることが可能です。

中期型のリストにシャッフを加えて、プラズマさんにリスト共有を行い調整を続けていました。そんなプラズマさんから新たな天啓がやってきました。

プラズマさん(本体)
ギュウジン丸=牛=セクシー

《ギュウジン丸の海幻》によって多面除去をしながらのリソース確保が可能になりました。さらに《若き大長老 アプル》だけではなく《異端流し オニカマス》もまとめて対処可能になりました。さらにこの天啓を受けてこちらも電流が走りました。

すべてが噛み合うフィールド

2マナ圏の初動として使えつつ、《ギュウジン丸の海幻》でバウンスした後の展開も阻害可能です。カードタイプも「フィールド」なので《フォーチュン・ドンキッキー》とも相性抜群です。さらにループデッキに対して一定の妨害が可能となります。

これらのカードを採用し、枚数の調整とプレイを煮詰めてGP本番に臨みました。

リスト解説

デッキリスト(最終)

カード解説

《異端流し オニカマス》

いわずと知れた水のメタクリーチャー。アンタッチャブル効果を持つため、タマシード並みに場持ちがいいです。環境に刺さる上に手軽に出すことが可能な水のクリーチャーで《攻守の天秤》を絡めてアタックするときにも活躍するので、このデッキでは特に噛み合います。

《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》

2マナ圏の初動と、ループ系デッキへの対策を兼ねるカード。前述していますが、《ギュウジン丸の海幻》のバウンスとも相性抜群です。《フォーチュン・ドンキッキー》で拾いやすいカードタイプであることもポイントです。

《Drache der’Zen》のプレイもクリーチャー化の条件を満たしていなければ、《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》のカウントに入りません。また、《S級宇宙 アダムスキー》のフィールドにいる時の侵略も阻害しません。こちらのデッキの動きを阻害することはほぼありませんので、気軽にプレイしていきましょう。

《ストリーミング・シェイパー》

水文明単色の最強カード。このデッキでは特に相性がよく、《攻守の天秤》を墓地に送りながら《S級宇宙 アダムスキー》を探しに行くことが可能です。デッキの33枚が水文明なので入れない理由がありません。

《チェンジの海幻》

条件を満たすと墓地から戻ってくる水のタマシードです。赤単やアビスなどのビートダウンやアグロに有効で、《Drache der’Zen》のクリーチャー化にも貢献します。《Drache der’Zen》の手札交換効果で墓地に送っておくことで、いつでも場に戻すことが可能なので非常に強力です。

《フォーチュン・ドンキッキー》

このデッキのメインのドローソースです。このデッキのカードタイプは「クリーチャー」「タマシード」「呪文」「フィールド」と分かれており、さらにちょうどいいバランスになっているので概ね3枚ドロー可能です。このカードのおかげでハンデス系統にも強く出ることが可能です。

《終末の時計 ザ・クロック》

とりあえず1ターンもらうことが出来る水文明おなじみのトリガーです。このデッキでは《Drache der’Zen》のクリーチャー化を支援しながら確実に1ターン獲得するためのカードとして採用されています。また、初手でマナに置くことで相手にデッキタイプを誤認識させる狙いもあります。

《攻守の天秤》

受け札と《Drache der’Zen》のアンタップを兼ねているキーカードです。コンボパーツに他の役割を持たせることが出来るデッキは強いと考えており、このカードの存在は非常に重要です。基本的には《Drache der’Zen》で墓地に送って構いませんが、《AQ NETWORK》からもプレイ可能なので、状況によっては手札にキープしましょう。

《奇天烈 シャッフ》

このデッキのセクシーカードその1。呪文を使う相手にプレッシャーをかけることが可能な軽量コマンドです。《S級宇宙 アダムスキー》が無くても《Drache der’Zen》と《攻守の天秤》を合わせて、呪文封じをかけつつビートダウンしていくことが可能です。

《Drache der’Zen》

本日の主役、このカード1枚で出来ることが非常に多い。基本的な運用はすでに書いているので割愛します。ポイントとして、墓地からタマシードを蘇生する効果で《Drache der’Zen》自身も蘇生可能です。手札にある《攻守の天秤》を墓地に送りたい時には有効なので覚えておきましょう。

《AQ NETWORK》

隠れてはないけど忘れがちな効果が多いクリーチャー。このカードと《ギュウジン丸の海幻》のパッケージによって実質的な《B.F.F. モーメント》として機能します。また本体もシビルカウントによってブロッカーも得るため、防御札としても充分機能します。

《ギュウジン丸の海幻》

このデッキのセクシー枠その2。ドロー後に手札枚数以下のクリーチャーをすべて手札に戻しますが、《B.F.F. モーメント》と違ってドロー枚数が段違いなのでリソース回復にも貢献します。さらにG・ストライクも持っているので、通常の受け札としても機能します。

《機術士ディール/「本日のラッキーナンバー!」》

どうして最終型になるまで入っていなかったのか疑問を抱くカード。下面の呪文は《Drache der’Zen》でプレイ可能な範囲で、ゲームメイクに組み込みやすいです。上面も並んだ小型クリーチャーを一斉に除去可能で、最低限《S級宇宙 アダムスキー》の侵略元にもなります。

《S級宇宙 アダムスキー》

このデッキのフィニッシャー。複数回攻撃可能なコマンドがいるなら、このカードを使わない理由がないでしょう。とはいえ直近の環境は受けが薄いデッキも多いので《S級宇宙 アダムスキー》に頼らず殴りきることもしばしば。

ゲームプラン

序盤に必ず使いたいカードは《フォーチュン・ドンキッキー》です。このカードでリソースを稼ぐことで、この後のゲームプランを決めることが出来ます。《異端流し オニカマス》はハンデス系統に対しては後出しで構いません。また《DG-パルテノン〜龍の創り出される地〜》はリソースを失わないカードなので、2ターン目にプレイする余裕があれば置いておきましょう。

理想的なボードとしては《Drache der’Zen》と水のクリーチャーと水のタマシードの3枚で戦場を維持することです。なるべく相手が触ることが出来ない盤面をキープすることが大切です。そのため《チェンジの海幻》を墓地から場に出すときは特に気を付けましょう。

《Drache der’Zen》を場に送り出したあとは除去されないようにギリギリまでクリーチャー化しないように立ち回り、ゲームを決めるタイミングでクリーチャー化しましょう。この時コマンドが2体いれば《S級宇宙 アダムスキー》を狙うチャンスです。そうでなくでも《異端流し オニカマス》を絡めて盤面を作り、《攻守の天秤》で対処しづらい過剰打点を作ることが出来ます。

扱いが難しいカードとして《AQ NETWORK》があります。トリガークリーチャーはマナに置きがちですが、このデッキでは《ギュウジン丸の海幻》のクリーチャーカウントを増やすことや《Drache der’Zen》のクリーチャー化の手助けに使用するため、何も考えずにマナに置くのはやめた方がいいと思います。

GP対戦レポート

1戦目 赤単ガガガ 後手 勝ち

お相手先手で《ブンブン・チュリス》→《カンゴク入道》の滑り出しから4ターン目まで貯めてきたので、並べた打点を《奇天烈 シャッフ》の宣言2で止めたところ、打点が足りなくなりお相手投了。

2戦目 赤緑ボルシャック 後手 負け

まさかの友人戦となってしまった2戦目@ルナンさん。しかもブン回りで4ターン目《ボルシャック・クロス・NEX/ボルシャック英雄譚》着地。《AQ NETWORK》を引けておらず、動けずにいたところを盤面を作られて圧殺。

3戦目 4c蛇王門 後手 勝ち

2ターン目に置いた《異端流し オニカマス》が激烈に刺さっているようでした。しかも《切札勝太&カツキング -熱血の物語-》も引かれていなかったようで、《サイバー・ブレイン》をずっと打たれていました。その間にこちらに《Drache der’Zen》を含めたコマンドがそろったので《S級宇宙 アダムスキー》で走り切って勝ち。

4戦目 アナカラーハンデス 後手 勝ち

こちらが青単とみるや否やブーストを連打されたので負けじと《フォーチュン・ドンキッキー》でアドバンテージを確保。《Drache der’Zen》を置きつつ《ギュウジン丸の海幻》でバウンスを仕掛けたところ、お相手が我慢できず《CRYMAX ジャオウガ》で突撃。しっかりトリガーの終末の時計 ザ・クロック》で受け止め、返しに《S級宇宙 アダムスキー》で走り切って勝ち。

5戦目 アナカラーハンデス 先手 勝ち

お相手の初手のマナ置きが《SSS級天災 デッドダムド》だったのでハンデス系統と判断。《異端流し オニカマス》をハンドキープしハンデスに備えたところ、まさかの4分の1の《フォーチュン・ドンキッキー》をランダムハンデスで抜かれる。あきらめて《Drache der’Zen》でアドバンテージを稼ぐプランに変更。

《若き大長老 アプル》を引かれなかったこともあり、《Drache der’Zen》でアドバンテージを稼ぎ切ったところで、お相手プレイミス。こちらの打点が整ったので殴り切り勝ち。

6戦目 緑単オービーメーカー 後手 負け

お相手先手できっちり回し、先行4ターン目にオービーメーカー2体着地。《Drache der’Zen》を出しターンを渡したところ、《呪紋のカルマ インカ》が出てこなかったため、トリガーでワンチャンス出来る状況に。しかしシールドに《AQ NETWORK》が入っておらず負け。

7戦目 赤単ジョーカーズ 後手 勝ち

《7777777》を3回打たれても場からどかない《異端流し オニカマス》くんが活躍。盤面が《異端流し オニカマス》と《Drache der’Zen》2体の3体の状態から《ギュウジン丸の海幻》でクリーチャー化を目指したところ、《S級宇宙 アダムスキー》をドロー出来たので、そのまま山札破壊。

8戦目 40枚完全ミラー 先手 負け

7戦目が終わった後、シェアした友人と談笑していたところ悲劇は起きた。

僕「次勝てば完走だからみんなで頑張ろう!」
友人β「ここまで来たらさすがに完走したいからねぇ。」
友人R「お、マッチングでたみたいやで。」

さて、次の対戦相手はっと・・・・

友人R「待たせたな!!!」


どおじでだよ----!!!!!!

というわけでまさかのシェアした相手に当たって40枚ミラー。結果は敗北。GPオリジナルは研いだ包丁を渡した相手にとどめを刺されて終わりました。

終わりに

今回のデッキは自分からアグレッシブに相手に影響を与えながら動くことが出来るので、プレイの幅が非常に広いです。また相手によってゲームプランを変えることが出来る柔軟性もあります。とりあえず作っておいて損はないアーキタイプだと思うので、よかったら遊んでみてください!

今回の出演者
共同開発者:「関西の霊王」プラズマ@zabi_plasma
シェアして完走してくれた友人β:ベータ@wa2saekano
次はぜってぇ負けねえぞ友人R:♭いれぎゅらー@irregulight

Special Thanks:マリモフ村のみんな

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