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エムラクールから学ぶアイデンティティとトライ&エラー

皆さんこんにちは、ウィンターと申します。

《引き裂かれし永劫、エムラクール》が遂にデュエル・マスターズに来ました。召喚したら追加ターン、さらに滅殺6まで再現と本家さながらの能力でエムラクール大好き人間としてはいてもたってもいられず直ぐにデッキ構築に取り組みました。

しかし、取り組んでみるとかなり難しくここ最近で1番の難産と言えるほどのものでした。この考察過程を、形にしないのは勿体無いなと考え記事にした次第です。

自分の考えた結論としては、

・現代デュエル・マスターズにおけるデッキ構築によるアイデンティティの創出は非常に難しい

・ネット環境によるトライ&エラーの機会損失

この2点が伝えたいことです。是非最後までお付き合いのほど、よろしくお願いします。

※追記

エムラクールのデッキ自体は完成したのですがこの記事自体がかなり濃い物になってしまったので別の記事にします。もし良ければそちらもよろしくお願いします。

1.自己紹介(本編は2からです)

お初にお見えになる方もいるかと思いますので簡単に自己紹介させて頂きます。

東京近辺にいるDMPで環境デッキ以外のデッキでよく遊んでいます。例えばこんな感じです。

・フルコンプ八王子CS優勝 I  am ワンショット

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・秋葉原イエサブCSベスト4 赤青ファイア

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このように自分でデッキを組んではCSに出ています。

2.《引き裂かれし永劫、エムラクール》の能力まとめ(ここから本編)

まずはエムラクールの能力についてまとめましょう。

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《引き裂かれし永劫、エムラクール》

パワー:15000
コスト:15
種族 :エルドラージ/ゼニス
■飛行(このクリーチャーは、飛行を持たないクリーチャーから攻撃もブロックもされない)
■T・ブレイカー
■このクリーチャーが召喚によってバトルゾーンに出た時、このターンの後もう一度自分のターンを行う。
■このクリーチャーが攻撃する時、相手はバトルゾーン、シールドゾーン、マナゾーンにある自身の表向きのカードを合計6枚選び、墓地に置く。
■エターナル・Ω(このクリーチャーがバトルゾーンを離れる時、かわりに手札に戻す)

飛行というマジック・ザ・ギャザリングより輸入された能力もありますが、特出すべき能力は追加ターン能力とボード破壊能力です。

自身の追加ターン能力によって実質的にスピードアタッカーのように攻撃時能力を使い相手の盤面を破壊出来ます。

注意点は盤面にある表向きのカードはなんでも参照出来るので、ドルマゲドンのような表向きのカードや裁きの紋章のような表向きのシールドがあると効果が弱まってしまいます。

更に自身のエターナル・Ωによって除去されてももう一度召喚することが可能です。

マナコストの重ささえ克服してしまえばゲームを決めるフィニッシャーとなり得るカードと言えるでしょう。

3.エムラクールを使う為には

エムラクールは場に出すことさえできれば、相当な支配力を持ちますが出すまでが大変です。コストの重さが何よりの問題となっています。


デッキ構築では「大量にマナが出せるようにする」「コストを踏み倒す」という二種類の視点が基本となります。後者では基本的に唱えたときの能力を無視することになりますが、それでも十分に戦場を支配できます。

A.「大量にマナが出せるようにする」

「大量にマナが出せるようにする」=15マナ払って手札から召喚出来るような構築にするという事です。

かつてターボゼニスで要求されていた10〜12マナ圏のカードより更にコストがかかる為、通常のビックマナよりもマナを増やしやすい構築にする必要があります。

◾️サンプルデッキ1:ターボエムラ

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《ゴクガ・ロイザー》+《「戦慄」の頂、ベートーベン》+《戦慄のプレリュード》のコンボを搭載し、リソースを一気に稼いでエムラクールに繋げるタイプです。

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また、《ドルツヴァイ・アステリオ》もかなり相性がいいカードです。6マナでドルツヴァイ召喚→バトルで12マナに到達します。次ターンに13マナになるので《戦慄のプレリュード》からエムラクール召喚も可能です。

デッキの動き方も非常にシンプルで、2→4→6からロイザーもしくはドルツヴァイに繋げ5ターン目にはエムラクール召喚を狙います。


◾️サンプルデッキ2:自然星人エムラ

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こちらは《自然星人》の能力でマナをジャンプアップしエムラクールを召喚するタイプです。防御札が少ない構築ですが、《自然星人》が自身の能力でマナから後続を回収出来ることとエムラクールを出した後の追加ターン中にも回収し続ける事でこちらの動きを押し付ける事が出来ます。

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こちらも動きは非常にシンプルです。序盤のマナ加速連打から《自然星人》に繋げ、ターン終了時にマナの後続を回収。次ターンに大型生物の召喚を狙います。

また万が一エムラクールが無かった場合でも自身が15マナ/パワー15000というスペックの為、《奇羅丸》や《ハイパー・マスティン》の踏み倒し能力を使いやすくなっています。

B.コストを踏み倒す

15マナという非常に重いマナコストを持ちながら踏み倒すことに関して特にデメリットはありません。つまりエムラクールを除去出来ないような早いターンに踏み倒したり、踏み倒したターンにそのままアタックを行う事が出来たりするなら非常に有効です。

最近ではコスト指定のない踏み倒し方法も増えてきたのでデッキの構築の難易度も比較的高くありません。

◾️サンプルデッキ3:カリヤドネエムラクール

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カリヤドネが14マナである事に着目し、《ダイヤモンド・ソード》と《触王の晩餐》で実際スピードアタッカーのエムラクールをリアニメイトし攻撃するデッキです。

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もちろんメインプランであるライブラリーアウトを狙う事も可能で相手に合わせたプランで戦う事が可能です。《次元の嵐、スコーラー》と組み合わせて、エムラクール自体を踏み倒しながら追加ターンを取る戦略も出来ます。

◾️サンプルデッキ4:キューブエムラ

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とにかくキューブ系のカードでデッキからめくることだけを考えた構築です。どの生物も早いターンにめくれてしまえば対処することは非常に困難です。

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《大喰の超人》はマナを3倍にしてくれるので手札に溜まったエムラクールをはじめとした大型生物を召喚出来るようになります。使ったマナは墓地に送られますが出ればゲームに勝てる生物が中心のため、あまり気にならないでしょう。

4.アイデンティティの消失〜エムラクールである理由。

個人的なこだわりですが、デッキを組む時には必ずキーカードがキーカードでなければならない理由をちゃんと考えるようにしています。

OOてよくね?というのは仕方ない場合もありますが、エムラクールである必要は無いよね?とならないようにしたいです。

そのデッキがエムラクールデッキとしてのアイデンティティを持たなければ失敗だと考えています。

さて、3で話したターボ戦略や踏み倒し戦略に当てはめて考えてみましょう。

ターボ戦略においてはエムラクールよりも出しやすいファッティやゼニスが沢山存在します。

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少なくとも《戦慄のプレリュード》を無理に積むよりもコストの軽い《ウェディング》や《レディオ・ローゼス》の方が出しやすいといえます。エムラクールである理由はあまりないでしょう。

踏み倒し戦略においては追加ターンが発生しないため、1ターン相手に渡す事になります。

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その場合、《ナンバーナイン》や《ドラゴ大王》といった封殺力の高い生物の踏み倒しを狙った方がいいでしょう。除去耐性がエターナルΩとなっているエムラクールである理由はここにもありません。

現代デュエマのカードパワーのインフレによってカード自体のアイデンティティを見出すのは非常に難しくなっています。エムラクールデッキとしてのアイデンティティを見つけるという事は、エムラクールの特徴を活かしゲームに貢献出来るようなデッキ構成を見つけるという事です。

エムラクールデッキとしてのアイデンティティを保つには

・追加ターンを取り、攻撃する事に意味がある

・召喚によって追加ターンを取る事ができる

この2つが必要になるでしょう。

この2つを同時に満たす事が出来るカードがある事はエムラクールが収録されている事が判明してから話題となっていました。

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5.いらなくなったトライ&エラー

《イッツ・ショータイム》を使えば召喚により追加ターンをとりつつ、効果で出てきた相手生物を自身の能力で破壊出来ます。

更にショータイム自身も8マナでプレイ可能な為、現代デュエマ環境でもかなりプレイアブルなカードです。当初は自分もこのカードを使ってエムラクールを組む予定でした。

◾️サンプルデッキ5:Show and Tell

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《ジェ霊ニー》と《アステル》のパッケージで相手のリソースを奪い、相手の手札が殆どない状況でショータイムエムラクールを狙うデッキです。ハンデスによりリソースを奪っているのでアタック時のボード破壊効果も効果的になります。

エムラクール収録判明からこのタイプを基板にデッキを調整していく予定でした・・・。

しかしいざ発売となり色々と調べてみると右も左もエムラクールをショータイムで出すデッキばかり、YouTubeでもショータイム型で動画が作られていました。


え、これショータイムでエムラ出してもつまらんやん・・・


このように感じてしまいショータイム型を考える事をやめてしまいました。

TwitterやYouTubeのようなアウトプットする場所や機会の増加により、調べれば最適なデッキ構成が分かるようになりました。これはこれからのデュエルマスターズを楽しみたい人達にとっては非常に喜ばしい事ですが、自分のようにデッキ作りを楽しむ人にとっては少し物寂しく思います。

6.まとめ:カードゲームの楽しみ方

個人的な見解ですがカードゲームは自分でデッキを作り、それを大会に持ち込み自分の考えの答え合わせをする事に魅力があると考えます。デッキ構築の中でトライ&エラーをしながら、ゲームへの理解やデッキ構築のやり方を知る事がカードゲームの醍醐味だと思います。

もちろんテンプレート構築でプレイを磨き勝つことを楽しむことを否定はしません。

今の環境は、ネットで調べれば勝てる構築はすぐに分かり面白いデッキのレシピも簡単に分かります。

勝つことを楽しむ競技的な人にとってはかなり環境が整って来たとは思いますが、デッキ構築を楽しみにしている人にとってはやりづらい環境です。

もっとたくさんの人にデッキを作る楽しみを知ってもらうために、何か一工夫する必要があるのかなと感じました。


※最後まで読んで頂いた方へ

エムラデッキ乗せきれなくてゴメンなさい!思ったより長くなってしまったのでまた記事をわけました!そっちもよろしくお願いします!


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