(2-1)事業内容の決め方(定義の仕方)

企業理念およびビジョンを設定したら、次はどのような領域で事業を展開するかを考えます。


事業を決める3つの視点

 事業はどんな顧客(WHO)に、どのような製品(WHAT)を、どのような手段(HOW)で提供するか、を明らかにすることが重要です。
例えば、飲食店を開くときに一般消費者向けなのか、富裕層向けなのかによって、最低限の品質でコスト低減のメニューをつくるのか、高コストでも高付加価値(高級食材、ブランド化、体験化)のメニューをラインナップするのかなど、方向性に違いが出ます。またそれに伴い、企業に必要な技術も変わってきます。(素早く提供する技術が必要なのか?、デザイン性を考慮した盛り付けが必要なのか)
 ただ上記3つの視点はばらばらに独立して考えるのではなく、3つが関連した一貫のある事業領域を決めることが重要です。

事業の命名(定義)の仕方

事業領域を考えるうえで、上記の3つの視点から考える重要性は説明しましたが、必要以上に事業領域を狭くとらえると、とれる戦略も非常に狭くなってしまう懸念があります。
例えば、世界でもトップシェアを誇るトヨタの例が挙げられます。ご存じの通り、トヨタは自動車メーカーとして事業を行ってきましたが、昨今ではモビリティカンパニーとして、事業を再定義しています。自動車メーカーという事業定義では、自動車の性能向上にばかり目がいってしまい、本来顧客が望んでいるのは「快適な移動」であると捉えると、視野が狭い事業と言えます。モビリティカンパニーと事業を定義すれば、自動車に限らずあらゆる移動手段の開発に目が行き、より成長性がある事業定義となります。
自動車メーカーのような製品を中心に事業領域を決めることを物理的定義といい、製品(自動車)によって達成される機能(移動)によって事業領域を決めることを機能的定義といいます。


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