(1-4)経営の理想状態への2つの道筋

経営の理想の状態とは

経営の理想の状態とは、魅力的な外部環境の中で自社の組織的な競争力を活かせる事業を展開している状態を指します。しかし、<魅力的な外部環境>と<自社の組織的な競争力>、どちらを先に満たすべきかという疑問が生じます。

結論が出ていない2つの道筋

結論から言うと、どちらの成功例もあり、明確な結論は出ていません。

外部環境を優先した成功例と注意点

外部環境を優先した成功例としては、マイクロソフトが挙げられます。マイクロソフトは当初、有力なOSを持っていなかったものの、他社のOSの権利を購入し、IBMのPCに搭載。これが標準規格となり、独占的地位を確立しました。

外部環境を重視する場合の注意点としては、魅力的な事業機会を把握し、他社に先駆けて参入する事業スピードが重要となります。また、特許の取得やデファクトスタンダードを構築することで、他社の参入障壁を構築することも重要です。

自社の競争力強化を優先した成功例と注意点

一方、自社の組織競争力を優先した成功例としては、トヨタがあります。トヨタはかつての経営危機から学び、従業員の能力を最大限に活用。在庫を持たない、効率的なトヨタ式生産方式を確立し、低価格で高機能な自動車を生産。これにより、競争力を向上させました。

一方、自社内部の組織競争力を重視する場合の注意点としては、組織能力の構築には時間がかかること、品質向上課題に意識が向きやすく、顧客が望まない過剰品質・高コスト体質になりやすいことが挙げられます。また、優れた組織能力をいかに収益に結び付けるかも重要なポイントとなります。

経営の理想状態を達成するには、どちらの道筋が良いかの結論は出ていませんが、外部分析と内部分析を十分に行った上で、最適な道筋を模索しましょう!

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