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プロツアー指輪物語の振り返り


事前準備

ドラフト

7/15, 16(本番2週間前)に友人たちとリアルドラフトがあるためそれまでにアリーナで各アーキタイプの強弱、各カード評価などを固めていった。

ファイレクシア完全なる統一でも同様だったが特定の色が強いドラフトではアリーナと卓ドラで別物のゲームとなりやすいので、卓ドラの練習は参加者全員の環境理解が進んだ後で行いたい。

練習段階で得た感想としては
・黒が強い
・赤も強い
・青も結構やっていい
・緑は何の感情も湧かない
・白だけはやりたくない
くらいのものだった。

黒はコモンでもデッキを構築しやすいので1パック目はなるべく黒を中心に、取れなかった場合はレア、アンコを活用できそうで空いている色を中心に単色気味に。
2パック目の序盤で出た使えそうで強いカードの色を2色目として取っていく方針となった。

指輪のルーティングの関係で割と強いカードをタッチしやすいため、ゲームに勝てるカードは見過ごさないことが重要と感じた。
それと相まって誘惑するカードと殴れる低パワーのカードの価値も上がった。

モダン構築

モダンというフォーマットには「強いデッキをきちんと握れば勝てる」という個人的な考えがあった。
モダンはデッキ数が多く分散しやすいが、その中で本当にデッキパワーが高いデッキを正しく扱えば勝率を担保できるのではないか、ということである。
MTGであるから当たり前かもしれないが、パイオニア以上にプレイヤー同士の腕によって勝率がブレやすいと感じている。

これは単に過去の自分の経験則からきているものだが、例えば去年のラストサンやその後のモダン神のようなイベントで5C独創力をぽっと使うだけで勝てていたことに起因する。

この自分の考えがプロレベルでも通じるのかは非常に興味があったので良い実験になると考えていた。

ここでいう強いデッキというのは感覚的な話になるので割愛するが、強くない(≠弱い)デッキというのはヨーグモスのようなデッキだ。
ヨーグモスはマナクリと不死のクリーチャーで大半を占められており、引きムラが激しい。
このようなデッキはメタ上の立ち位置が良くない限りは使わないこととしている。

そしていくつかのデッキを回した結果、赤黒想起が強すぎたためすんなりと使用デッキは固まった。
本当に赤黒で良いのか色々なデッキと対戦させてもらい、壊れたら使用デッキをまた改めて考えようと思っていたがついぞ壊れることはなかった。

ティムール続唱のようなメインは不利なデッキでもサイド後含めて普通に2本取れることも分かり、真に苦手なデッキが思いつかなかった。

提出リストは下画像

シェオルは2枚くらいメインからあって良いなと思い採用。
それに伴い土地の枚数を増すためにマラキールも採用。
4マナ域以降の安定度を増すために寓話やパランティールを採用。
パランティールは占術で土地以外を弾くなどの使い方をして4枚目の土地を供給しやすくし、ライフを詰められるので意外とこのデッキと合っているなと思い4枚からテスト。
最終的に1枚まで減らしたがまあここは別のカードでも良いなと感じた。
ただ面白いカードだし、直前で出てきた青黒コンなどにも劇的に効くため今回は採用。
ライフを詰めることを意識して稲妻も4枚。

途中、環境の弓使いの枚数が増えすぎたためラガバンを3枚以下に減らすアプローチも検討したが、このデッキは悲嘆ブリンクや思考囲いなどで相手の対処札を消してからラガバンダッシュが出来るし、ラガバンが劇的に強いマッチも存在するため4枚の採用とした。
Seth Manfieldがラガバン無しのリストを使っていたがその思想も分かる。

サイドはかなり適当。
オムナス系に微不利だと感じトーラック3枚などもテストしたが、実質4マナのカードを3枚は重すぎた。

PT当日

ドラフト

1st 赤黒 1-2

1-1に赤赤のレアゴブリンを流したため2パック目は赤に期待できないと思いつつも、上からそこそこ赤が流れてきたため赤黒の流れに。

Day1
R1 白黒 D ○○
R2 赤黒 D ××
R3 白黒 D ××

2-1したかったが3-0したカルカノの赤黒にメインミス負け、その後アンドゥーリルと5マナの黒サウロン擁する白黒に音速で負け。

2nd 黒緑 2-1

All-1はスタンプが押されてなかったのでジャッジの臨時スタンプ
自分の卓はなぜかスタンプ無しカードがそこそこあった

1-1弓使いで黒できたら良いなーと思っていたら意外と黒の流れが悪くなく黒参入、途中で柳じじいから黒緑の流れに。
今更だけど柳じじいってすごい日本語訳だよね。

Day2
R9 赤青 D ○×○
R10 赤白 P ×○×
R11 青緑タッチ黒 D ×○○

R10の赤白メイン戦で膠着状態まで持っていくことができ、勝ったかなと思ったが土地13枚くらい引いて負け。
R11はメイン角笛で負けるもサイド後All-1が機能してマッチ勝ち。

モダン構築

Day1
R4 アスモフード D ○○
R5 4Cカスケード D ××
R6 ヨーグモス D ○○
R7 赤黒想起 D ×○×
R8 アミュタイ D ○○

Day2
R12 ウルザソプター D ○××
R13 緑トロン D ○○
R14 5C独創力 P ○×○
R15 青黒コン D ×○○
R16 リビエン P ××

トータル6-4

R12のウルザソプター戦は完全に経験値不足から来る負けで、サイドボーディングも有効にできなかった。
まあ基本は不利寄りのマッチだと思うが、適正にプレイできていればメインも取っていたし勝てていたと思う。

R16のリビエン戦ではサイド後、力線貼ってダウスィーがあり土地1スタート。
思考囲いで相手のハンドを見ると森、緻密、4マナスフィンクス、母聖樹、借り手、波起こし。
こちらが土地1で詰まっているので借り手を抜いて力線に母聖樹を切らせるべきだった(これはきちんと頭の中で想像できていた)のに上手ぶって4マナスフィンクスを抜く。

その後、借り手で力線をバウンスされた瞬間に自分のミスに気付き終了。
借り手を抜いていたら少なくともダウスィーを出せていたはずで、もう少しゲーム展開は異なっていたはずだ。
マッチ終了後も対戦相手から「なぜ借り手を抜かなかったの?」と聞かれたが、ただただ自分のミスとしか言うことができなかった。

思考の反省点

自分はこういう謎のミス(思い込みによるミス?)が結構多い。
例えば激情、ラガバン、悲嘆、ダウスィー、フェインデス×2、土地というハンドで、
T1 悲嘆→フェインデス
T2 激情→フェインデス
という流れを想像していたのになぜかフェインデスを切って悲嘆をキャストしていたりした。

サイクル1ファイナルの最終戦でも頭の中で想像していた動きと実際に行った行動が乖離していたことがあったが、大切な場面でそういうミスをしてしまうことをいまだに正せていない。

恐らく思考を順序だてて考える際に一度ゴールまで到達した後、スタートまで戻す作業が雑なのだと思う。
A→B→C→Dというプレイの流れを想像した後に、それを再構築するようにプレイするのではなく、いったんD→C→…のように逆順をなぞるような思考を取ることが多い。
上記のフェインデスの例では
A: ダウスィー切って悲嘆
B: フェインデス
C: 次ターンにラガバン切って激情
D: フェインデス
という流れになるが、再度Aから思考を始めるのではなく、「次のターンにラガバン切って激情だから~」のように逆順に考えてしまう。

ここでAまで丁寧に戻ればよいが、まあいいよねって感じで雑に思考を切って実際のプレイに落とし込んでしまうためにミスしてしまうのだと考えている。

解決策としては単純で、丁寧にスタートまで戻るか、もしくはゴールから逆順に思考を辿るのではなくA→B→…という思考の流れを再構築すればよい。
簡潔に言うと丁寧にプレイしよう、で済むのだが、それだけでは対処できないレベルに深刻化していると感じるので上記の解決策を意識して処理が多い盤面は対応しようと思う。

おわりに

モダンに対しての印象である「強いデッキをきちんと握れば勝てる」というのはある程度実感できたのでとても良い経験となった。(といってもモダンは6-4なのだが、前回のパイオニア0-3よりは大きな進歩)
また、前回のPTファイレクシア完全なる統一で1-5とズタボロだった雪辱を多少は晴らすことができたと思うのでそれも体験としては良いものとなった。

成績的には9勝ということでPTチェインまで1勝届かない悔しいものに。
16R中3回しか先手をもらえなかったのはかなりの不運だと思いたいが、事実として9勝しか出来なかったのでそこは受け止めようと思う。
自分の明確なミスもたくさん見つかっているしね。

幸い世界選手権の権利を持っているので9月末の本番に向けてまた頑張ろうという弾みにもなった。

世界選手権は誰も現状を知らないスタンと、エルドレインの森のドラフト。
またしても友人たちに多大な負担をかけるかもしれないが、9月だけはわがままを押し通させてもらおうと思う。

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