鉄は熱いうちに打て~チャンピオンズカップファイナル サイクル1編~

11/26, 27に開催されたチャンピオンズカップファイナルにてPT権利獲得というひとまずの目標をクリアすることができた。
しかし、その一方でスイス最終戦で敗れたためにTop8入りを逃してしまう。
フィーチャーにもなっていたと思うのでアーカイブで確認できるがとんでもなくミスっており、適切にプレイできていれば、いやどこか1箇所でも改善できていれば恐らく勝てていただろう。

ここでは次のイベントの時のために当時の心境や精神状態みたいなものを記録し、自分なりではあるが考察も行う。

具体的な状況①

《エシカの戦車》を出してなかしゅーさんが《狼柳の安息所》と《老樹林のトロール》を出したあとの5ターン目。
メイン戦でのグルール機体の大きな勝ち方は《アクロス戦争》で大型クリーチャーを取って叩き込みつつ、《エシカの戦車》などで横並びをさせてダメージをすり抜けさせて勝つという感じになりやすい。

《ビヒモスを招く者、キオーラ》のみがいる場で次のターン、とんでもない動きをされるとしてもせいぜい《老樹林のトロール》+《ニクスの神殿、ニクソス》+《茨の騎兵》くらいなのでブロッカーが2体並ぶくらいだ。

それならば《ビヒモスを招く者、キオーラ》を無視して残りライフ10にしておいたほうが良かったかもしれない。

どちらが良いかは議論の余地があるかもしれないが、問題は《ビヒモスを招く者、キオーラ》を無視して本体に突っ込むということを全く考えていなかったことだ。
考えているフリをしているが頭の中は真っ白、完全に手なりでプレイをしている。
この思考レベルの時点でこのマッチは負けが確定していたのかもしれない。

具体的な状況②

2本目を取って3本目。
なかしゅーさんが《大いなる創造者、カーン》から《領事の旗艦、スカイソブリン》を持ってきた後の4ターン目。
この瞬間、僕は勝ちに大きく近づいたと思った。
なぜなら、《変わり谷》セットから速攻を付与して《大いなる創造者、カーン》へアタック。
どのようなブロックをしてもアップキープに《踏みつけ》を打てば夜になって《無謀な嵐探し》を3/4にしつつ盤面をサラにできる。

いやー我ながら最高のプレイですねー
なぜか自分のターン中に《踏みつけ》をプレイしなければ…

ちなみに上記のことは完全に頭の中で考えられてはいた。
しかし、なぜか手が動いてしまっていてアップキープまで待つことはできなかった。

この時も頭の中はぼんやりとしていて明らかに疲れていたなと感じた。
次のターンでもゴブリンシャーマンをコピーするべきだが、何も考えられていないのである。
これに関しては執筆中の今、ミスに気付いたくらい記憶に残っていない。
普通なら「あ、コピー対象をシャーマンにしておけばよかった」ってすぐに気付くはずだが…

具体的な状況③

その後の猫トークンが横並びしてきている場。
相手の《ハイドラの巣》が最低でもX=6で起動できる状況で、トークン軍団4体が殴れる。

相手の《領事の旗艦、スカイソブリン》がいて《老樹林のトロール》のトークンも考えると…
残りのライフ実質5、トランプルだけで8点分あるのでタフ4以上必要、タフ4は用意できるがラノエルが殴ってくることも考えるとブロッカー4体は立てる必要がある。

ハンドには《エシカの戦車》があるため、恐らくトークン3体までは殴って4点を詰めていてよかった。

結果的には次のターンで数点足りず負けてしまった。

この時も「あ、強い《ハイドラの巣》がいる。殴るのやめとこ…」くらいしか思考できていなかった。
当たり前だが、こんなん殴る一択である。

考察

個人的には3つくらいの原因があると考えている。

1. 疲れ

全12回戦、11/27に至っては5回戦といつものGPに比べると若干少ないが、それでも2日間を通してプロレベルの方々とマッチを繰り広げていると当然だがとてつもなく疲労する。
基本的にイージーウィンが少なく、多くの場合はタイトなダメージレースになったり盤面が複雑化しやすいのだ。
そしてこれは僕が悪いのだが、11/26は最低限の6時間ちょっとしか睡眠を取れず万全とは言えなかった。(8時間くらいは寝ないとキツいタイプ)

誰しもが言っていることだが本当に睡眠は大切だと思うので皆さんも気を付けて欲しい。

2. カフェイン不足

僕は何か集中したい時には必ずレッドブルを飲むようにしている。
11/26は朝食を食べ、イベント開始前にレッドブルを飲んでいたが2日目の11/27はレッドブルを飲み忘れていた。
これは大げさに言えばルーティーンを守らなかったとも言え、自分のリズムがどこか崩れていたと考えられる。

3. 緊張

フィーチャーマッチエリアはとても緊張する。
カメラがあり、照明があり、多くのスタッフの方々がおり、観客(ライブでも生でも)もたくさんいる。
そんな中、いつもと変わらずにプレイできるというのはそれだけで1つの技術だと僕は感じている。
参考: Walking the Planes 第26話(このシリーズめちゃくちゃ面白いのでオススメ)

僕は吹奏楽部で演奏会やパレードなどもやっていたことから人前に出て何かをするのは比較的慣れているはずだったが、大きなものが懸かっている場(自分の行動でリターンするものが変わる)というケースをそう多くは体験出来ていなかったので、内面的には平常心ではなかったのだろう。

これに関しては2つの改善方法があると思っていて、1つは単に場数を踏むこと。
2つ目はそもそも考えるという行為をあまりしないようにプレイを進められるようにすること。
僕が演奏会で緊張しながらも演奏できたのは、今までの練習が積み重なってきていて、考えなくても指や口が動いたからというのも大きいはずだ
マジックのシーンで置き換えると、ある一定レベルの盤面であればキャストするスペルやコンバットの方向性は大きくは変わらない(はず?)。
100点の行動ができなくても80点の行動はその練習だけでできるようになるかもしれない。

Jon Finkelが「良いプレイなどない、あるのは正しいプレイかそうでないかだ」のような内容を言っていたと思うが(間違っていたら申し訳ない)、僕はまだそのレベルに到達しているとはとても言い難い。
とりあえず80点のプレイはできるようになっていないとマズイよね、というとこを徹底する必要があると感じた。

まとめると練習でできていないことが本番でできるわけもないので、練習時点である程度考えなくてもミスをしないようにすることが大事なのだと感じた。
そして、普段に比べて少ない集中力のリソースを本当に大事な盤面の際に使えるように残しておこうということだ。

僕はデッキをひたすらに回すのではなく、環境やメタを考察し、今どういうデッキでどういうカードを選択することがベターかをひたすら考えることが多い。
そのため練習量は他の人より少なめになってしまう傾向にあった。
次回からは紙も含めて練習量を増やす必要があると感じた。

おわり

今回のTop8にはラクドス6人とグルール機体にとって非常に良いフィールドになっており、SEに進出できていれば優勝までも狙えたことから潜在的には数百万円を失っていてもおかしくないほどの失敗を犯してしまったとも考えられる。

何より、僕がスイスラウンドで戦ってきた相手やチームメイトに対してあのようなプレイを見せてしまったことはとても失礼なことだと恥じている。

今後あのような緊張感のある場に何度立てるか分からないが、次は少しでも成長した姿を見せられるように普段の練習や店舗の大会から自分を見つめ直そうと思う。

さいごに、権利獲得を祝ってくれた友人たちに最大限の感謝の意を表したい。

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