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#20 クレディスイス崩壊に関する自分なりのまとめ〜投資初心者の実況日記〜

こんにちは,ラザニアどんです.

先日,PS4の「バイオハザードRe2」をプレイしました.
ホラー系は苦手なのですが世界的に有名な同作に興味もあったため,友人にそばで見守っていただくことで,プレイに踏み切れました.
結果,時折「びくっっっ!」となることはありましたが,思ったほど怖くはなく,楽しめました.
探索と謎解きが絡み合う「脱出ゲーム」的な要素が自分にはハマってすごく面白かったです!
(ただ,やはり一人でプレイする勇気はまだ出ない)

ゾンビのビジュアル的な怖さよりも,急に登場するサプライズ的な怖さの方が圧倒的に強かった…
このゲームをVRでプレイしたがっている層(父)がいることに衝撃を受けた.
タイラント並みの強靭な精神がないとできなそう.

クレディスイスの崩壊劇

クレディスイスとは

スイスに拠点を置く,世界的な投資銀行及び金融サービス企業
「バルジブラケット」銀行の一つでもある.

バルジブラケット
リーグテーブル(投資銀行の業績ランキング)の上位を常に独占する,世界的な投資銀行群.現在は以下の9社がバルジブラケットと呼ばれている.
・ゴールドマンサックス
・モルガン・スタンレー
・JPモルガン
・バンク・オブ・アメリカ
・シティグループ
・バークレイズ
・クレディスイス(現在は違う)
・ドイツ銀行
・UBS

ちなみに,リーマンブラザーズもかつてはバルジブラケットであった.

なぜ,崩壊したのか?

2021年のグリーンシルキャピタルの破綻やアルケゴスキャピタルの破綻により巨額の損失を出していたことに加え,2023年3月にシリコンバレー銀行やシグネチャー銀行の破綻により銀行セクター全体の信用が急落,更には投資家の一部(著名なサウジアラビアの投資家)が追加出資を拒否したことにより,株式が一時的に30%以上下落した.

・グリーンシルキャピタルの破綻
グリーンシルキャピタルは,ファクタリング(企業が売掛債権を第三者に割安で買い取ってもらうことで,即金を得る形態)の専門企業であった.同社は,このように顧客の債権リスクを引き受けることで利益を得ていたが,債権の信用リスクを低く見積り過ぎたことにより売掛債権を回収できず,破綻した.
クレディスイスは同社に100億ドルもの顧客資金を投資していた.

・アルケゴスキャピタルの破綻
アルケゴスキャピタルは,ファミリーオフィス(ごく少数の特定顧客の資金を運用する投資ファンド.年金基金や金融機関の資金を運用するヘッジファンドと比較して,規制が緩い)の一つ.
アルケゴスキャピタルは複数の金融機関とレバレッジ取引の一種であるトータルリターンスワップという契約を結ぶことで,1000億ドルもの株式を運用していた.
同社は米大手テレビ局に集中投資していたが,増資を発表したために株価が下落.多大な損失を被った.これを受け,アルケゴスから資金を回収できなくなることを懸念した米大手をはじめとした一部の証券会社が,トータルリターンスワップ契約の元でアルケゴスが保有していた中国インターネット検索大手や中国通販大手の株を大量に売却.これによりアルケゴスの損失はさらに膨らんだ.
これによって,欧州投資銀行(クレディスイスなど)や日本の証券会社(野村證券など)はアルケゴスから資金を回収できなくなり、損失を被った.

トータルリターンスワップ契約下では株式の保有状況はアルケゴスではなく証券会社の名義となるため、外部からはアルケゴスが果たしてどれほどのリスクを抱えているのかが全く分からなかった.

UBSによる買収

同じくスイスに拠点を置くバルジブラケットの一つ「UBS」が金融不安の拡大やスイスの銀行に対する信用低下を恐れたスイス当局の支援もあって,32億3000万ドル(約4270億円)で買収を行なった.

また,UBSとスイス当局の指示により,クレディスイスの発行した社債(AT1債)172億4000万ドル(約2.2兆円)の価値が無と化した.一方で,株式保有者はUBSによる株式交換方式の買収で総額32億3000万ドル(約4300億円)を受け取ることができる.(クレディスイス株保有者は,かなり差し引かれたUBS株を受け取る)
本来,返済の優先順位としてはAT1債の方が株式よりも優位であるのに,今回は逆転する結果となっている.
これによって,今後は他銀行がAT1債を発行しづらくなりそう.
→銀行の資金調達が難しくなり,貸し渋り
→景気後退?

・AT1債とは?
AT1(Additional Tier 1)債は,銀行が発行する永久性の資本証券であり,バーゼルIII規制に基づくTier 1資本(銀行の中核資本)の一部を構成する.偶発転換社債(CoCo債)とも呼ばれ,銀行が経営上の問題に直面した場合に,債権から株式などの資本に転換したり,元本が削減されるなどの特徴を持つ.

また,劣後債であるため,発行体の破綻時における精算時に通常の社債に比べて返済順位は低い.このようなリスクの分だけ利回りは通常の債券よりも高く設定されている.
そもそも,AT1債はリーマンショックを受けて,銀行関連のリスクを納税者から債権保有者に移す方法として導入された.

当局の負担

UBSに対して,スイス当局は約90億ドル(約1.3兆円)を税金で支援することを表明.また,約1080億ドル(約14.3兆円)の流動的支援(すなわち,紙幣印刷)を表明.


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