【麻雀最強戦】黒木さんの一喝を見て思ったこと

昨日、麻雀界をちょっと?賑わす出来事があった。

要するに、9月開催の最強戦「男子プロ最強新世代」の出場者たちが、次のチャンス?はいつあるかもわからないのに、色々なめぐり合わせで出場できる超大型タイトル「麻雀最強戦」に関するツイートとか発信とか一切ないけど、どうなってんの?そんなんでいいの?っていう記事だ。

話は逸れるが、この記事、なんと無料で読めた。

近代麻雀のnoteが立ち上がったばかりのときに、何かの記事(それも麻雀プロしっかりしろみたいな記事だったような記憶)で100円課金したのにエラく内容が薄くてひどく後悔して以来、途中まですら読んでなかった。

しかし今回の記事は無料!しかも香ばしいタイトル!ということで興味深く読ませていただいた。

黒木さんは文章のつくりも扱うテーマも多少尖ってるから面白い。

そんなありがたい無料記事を読んで、私が思ったことを記していきたい。

男子プロ最強新世代とは

キンマWebの記事から引用すると、

各プロ団体から20代16名+30代16名の計32名。
最強戦代表決定戦およびプレミアトーナメントに今まで選考されたことのない選手が対象となっている。
ここからトーナメント戦を2回行い勝ち残った8名が、9月4日に放送される麻雀最強戦2021男子プロ最強新世代への出場チケットを手にする。
ここで上位8名がAbemaやテレビ朝日で放送される麻雀最強戦に出場となる。
若手プロにとっては大チャンスとなる大会だ。

とのことで、平たく言うと多少なり実力はある麻雀プロなんだけど今まで陽の目を浴びてこなかった男子プロにフォーカスして、予選から戦ってもらう、というもののようだ。

ご存知の通り、最強戦はバラエティに富んだ切り口の放送予選があり、勝ち上がった1名ずつが年末「最強位」をかけた決定戦に挑むという、麻雀界でもかなり大型、しかも歴史のあるタイトル戦だ。

あの多井プロが現最強位であるが、これとMリーグ獲れたら引退かもしれないと匂わすほど、トッププロ達が目指すタイトルになっている。

そんな獲りたくても獲れないはおろか、出たくても出れないタイトルを獲得するチャンスを得たのに、君たちはただ会場で麻雀打つだけで終わるつもりかい?そんなんじゃ次はもうないよ?と言ってるのが黒木さんの記事である。

麻雀プロは麻雀だけやってればいいのか

前回のMリーグドラフトの記事でも書いたが、「麻雀だけやってちゃダメ」みたいなことを最近よく目にする。

私もおおよそ同意である。

が、それは限られた舞台で戦って、いろんなタイトルを獲りたいとか、有名になりたいとか、そういう野心がある人に限る話だ。

ただ単純に麻雀が強くなりたいとか、麻雀打てるだけ幸せみたいに思っているプロは、麻雀だけやってればいいと思うし、そういう人たちにセルフプロデュースしろとかいう話は酷だ。

とは言え、麻雀だけやってればいいと思ってる人たちはそれこそ実力主義のトーナメントやリーグみたいなものにしか斡旋されないだろうし、放送対局なんて夢のまた夢。誰だか知らんし見た目も冴えないしみたいな実力型を、放送視聴者は別に見たくもなんともないからだ。つまり他人からのニーズは皆無に等しい。

いやいや、自分が麻雀できればいいだけだから、他人とか関係ないから、っていう人はもうそこまで。その路線で頑張ってください。応援はしてますが、見たいと思わないので、それが民意なので、結果放送対局には斡旋されませんよ、っていうだけ。それだけ。

特に麻雀は数試合見たくらいじゃ実力なんてわかんないゲーム。勝ったけど運が寄ってた、負けたけど内容はすごかった、みたいなのが往々にしてあるもの。そんな運要素高いゲームで、数時間の放送対局で麻雀の実力で勝負しようなんてのは無理がある。

つまり、結果放送対局のような華々しい舞台に出続けるためには、麻雀だけじゃダメよね、っていうのがロジックだ。

麻雀プロは研究で忙しい!発信してる暇はない!

こんなツイートもチラホラ見た。

麻雀とどう向き合うかは前述の通り、その人次第なのでどちらでもいいが、

この「ガチ勢は研究や練習で忙しいから他のことはやってられないのでは」みたいなのは100%間違っている。そんなわけがない。

なんでもそうだ。例えば難関大学、例えば他のプロスポーツ。このあたりに生息する限られたスペシャリストたちが、果たして寝る時間食べる時間を除いて勉強や練習をし続けているだろうか。彼らだって遊ぶだろうし、買い物にも行くだろうし、しょうもないことでネットサーフィンしたりもしているだろう。

同じように、麻雀プロだって起きてる間一生麻雀しているなんてありえない。

つまり麻雀が忙しいから他のことはできません、というのは無理がある。

しかも、麻雀しながら毎日本を一冊読めと言ってるわけじゃない。自分が出場する大会だったり今日あったちょっとしたこととかでもなんかしろ発信しろと言ってるだけだ。1分で終わる。

忙しいからやれないのではなく、やりたくないから、或いはやる必要を感じていないから、やらないのだ。

正直、誰も知らない

さて、話を戻すと、今回出場する8名、辛うじて1人2人は名前くらいは知っているが、ほぼ全員全く知らない。調べてみると人によっては各団体の上位リーグで戦っている人もいるようだ。が、それでも知らない。一般の麻雀好きからしたらそんなもんだ。

知らないやつ8人集めて麻雀してるところを休日半日使って見よう、となる人がどれくらいいるだろうか。

やはり見るからには予備知識がほしい。でもそんなものは調べても大してでてこないだろう。なぜなら彼らは陽の目を浴びてきていないからだ。

勘違いされないように改めて言っておくと、最強戦はタイトルのひとつであり、出場して実力を発揮して優勝したいだけ、見られてる見られてないは関係ない、っていう出場者もいるだろう。委員会から8名選出されたわけじゃなく、予選から這い上がってきてるんだからそれも当然あり得るし、全然構わないと思う。

ただ、最初で最後のチャンスになるだけだよ、12月に最強位にならない限り、金輪際出場できることはないだろうね、まあとんでもないインパクトを2試合で残せたら話は別だろうが。

大会である以上、要求には応えないといけない

Mリーグが代表例だが、これくらいの賞金がついたタイトルは、選手だけで成立することはまずない。

まずは運営がいる。彼らは大会をどう盛り上げるかの視点で、どんどんここから新しいスターを生み出したいと考え、選考している。

そしてスポンサーがいる。スポンサーからしたら個々の結果などどうでもいい。投資に見合う反響を得られるかどうかだ。

最後に視聴者がいる。大会の成功は視聴者にかかっている。今年の最強戦は面白かった!すごかった!さすがだ!と言う視聴者が多ければ多いほど、前述した運営やスポンサーの利益になっていく。

この三者の期待に応えられる選手が、次また同様のチャンスを掴むことができるし、幅も認知も広がっていく。

期待に応えるのはツイートすればいいって話でもない、方法はいくらでもある。ただ、「麻雀やってます私」だけでは足りないのだ。

大会側も選手を演出しないといけない

さて、予選出て勝ったらなんか偉い人から叩かれた構図になってしまっているが、実際問題のところもっとアピールしろ!みたいなのは選手だけに強いるのは酷だ。

次呼ぶ呼ばないの話は置いておいて、そんな不安要素だらけの選手を集めておいてなんとかしろと一喝するだけでは乱暴だろう。

当然大会運営側がしっかりバックアップして、出場者をきれいに演出してあげることが必要だろう。

個人的な感想を言うと、最強戦は結構演出が下手だ。

番組内の余興的なコンテンツはどれもこれも面白いが、こと選手の演出となると小山さんの熱い入場アナウンスと、対局中たまに出る「○○が趣味」みたいなどうでもいいTIPSくらいしか思いつかない。

特に今回の出場者写真がひどい。

画像1

もっとマシな写真はなかったのか?

予選で全員集めてるんだろうから、そこでプロカメラマンとかにパシャっと撮ってもらうとかできなかったのだろうか。やったとしてこれだとしたら相当ひどい。

そのへんの雀荘に飾られてる「所属プロ」の写真のほうがマシだ。

この写真を見て、「こいつら強そうだな!」とか「面白そうだな!」とか思うだろうか?「新世代、、、?どう見てもおっさんが何人かいるけど。。。」みたいな失礼すぎる感想のほうが多そうだ。

で、サイトを見てもそれこそキンマのTwitterを見ても、彼らの冴えない顔だけが晒されて、どういう経歴があるのかとか、どんな打ち手なのかとか、何もプロフィールが見えてこない。

ただ適当に撮られた写真しかこちらには情報がないのだ。

発信しろや!と言っておきながら、公式のTwitterには出場者のアカウントがメンションされていることもない。どうやってこの選手たちのアカウントにたどり着けばいいのか。増田隆一プロくらいなら検索に打ち込んでもいいが、尻無濱航プロなど読み方もわかんないから変換して検索する気にならない。これじゃ発信する気にならない気持ちもわかる。だってどうせ誰も見てないじゃん、って思うもの。

最強戦はWebもかなり見にくいし、何より古臭い。そんなところにかける予算があったら当日のゲストとかにお金払いたいってことなのかもしれない。

そんな運営側の姿勢もあるから、選手たちはそこまで発信とかへの意識が低いというのもあるのかもしれない。

せっかく麻雀遊戯王とかの視聴者がついた媒体もあるんだから、決まった選手のところにイーピンくんが突撃して屈託もない話してる動画1本上げてあげるだけでも、選手への印象も最強戦の視聴意欲も変わると思うのだが。

最強戦は麻雀プロにとって価値ある大会

最強戦は、Mリーグでも活躍するプロたちであっても、わざわざ地方予選に出てまで勝ちたいタイトルだ。

つかめるチャンスはつかめるだけつかもうと意気込む、ブランド力の高いタイトルでもある。

奇しくも似たようなネーミングの
RTD Girls Tournament2021~新世代バトル~
が大注目を浴びている。とても最強戦で見れるようなガチガチの対局ではなく、素人目にもレベルが低いが、それでもこれだけ選手ひとりひとりまで注目されているのは皮肉だ。

本番まではあと10日。

それぞれの選手たちがどのような意識で臨むのか、それを最大限に最強戦は演出できるのか、どちらかというと対局や結果よりもそのあたりを楽しみにしたいと思う。

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