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顔から火が出る体験

その日も普通に一日が終わろうとしていて、私は帰宅後の手洗いをしていた。


「夕飯までまだ時間があるなー」と思っているとキッチンの方から母の声がする。
「クリーニング屋さんに服をもらいに行ってもらえる?」と夕飯の支度に追われている母から用事を頼まれた。よし、ついでに借りていたビデオを返却しようとそれも手に取って車へ。

カラスと一緒に帰る時刻だったが、外はまだ十分明るかった。

まず自宅から一番近いところにあるクリーニング屋さんへ。

「ピンポーン!」
奥から40代位の女性が早足でやってくる。
一通り手続きを終え車へ向かう。

シートベルトを締めながら思った。「それにしてもあのクリーニング屋さん私と全く目を合わせなかったような気がするけれど照れ屋さんなのかな?たまたまかな?気のせいかも」

まあいいや、と次の目的地ビデオレンタルショップへ。

前には数名が並んでいるので後ろへ並び同じように待つ。
しばらく待っていると、いつもと違う違和感が。
カウンターでお客さんのビデオを処理する店の人が私をチラリ。
「まあチラリくらいは普通だ。どれくらい並んでいるかなーと見るでしょう。でも気のせいかな?なんとなくそういう感じじゃなかったような・・・、
『あれ?』という少々驚きを含んだような顔だったよな。知っている人かな?」

そう思っていると、並んでいる人がたまたま後ろを振り返り、その時は気のせいでなく確実に自分の事を数秒見ていた。そしてあろうことかとんでもない方向へ思考が迷走しはじめてしまった。だってまさか自分があんななりをしているなんて夢にも思いませんでしたから。

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