絵の思い出
いろいろ(特に卒論関係)過密スケジュールで2週間ぶりの更新です。
今回は芸術単元の予習、問いの答えについてです。
私が選んだのはこの絵(画質悪いです)以下問いの答えです。
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A-②
猪熊弦一郎「風車と太陽」
②その作品は「自分にとってのみ価値がある/良いと思うのは自分だけだ」と思う人
→自分のどんなところ(考え方・性格…等)に、作品が感銘を与えているのか。
理由は大きく分けて2つあります。高2の時、駅前にある猪熊弦一郎現代美術館(通称MIMOCA)でキュレーターとしてこの作品を観覧者に解説した経験があるためです。母校の120周年を記念して彼が母校の先輩だからという理由で、美術館とのコラボが実現しました。それに関わる委員会が創設され1,2年生の各クラスから学生が集められ様々な企画の実行を担いました。
新しいことをするから面白そうという単純な理由で、適当にその委員になったら成り行きで学生キュレーターになりました。(そこが定員に対して希望人数が一番少なかったから(笑))
展覧会で展示する猪熊氏の描いた絵から好きな一枚を選んでから発表まで2か月ほど。学芸員の方々とのミーティングを重ね、自分なりの感想や考えをわかりやすく伝えることに励みました。「風車と太陽」を選んだのは見慣れた絵だった(高校の夏の体操服にプリントされている&図書館の壁画になっている)ことが大きな理由です。
題名にある物の他に線路や身近な飯野山も描かれており収束がつかないように見えるが、一枚の絵として成立している。カラフルな○を近くでよく見るときれいな円もあれば少しいびつな楕円もある。
こう伝えると学芸員さんから良く絵を観察してるねと言われ心が弾みました。
当日70人ほどが私のスチューデンツキュレーターズトークを聞いてくださり達成感を味わうことができた、このような明るい記憶を呼び起こしてくれるものだということが一つ目の理由です。
2つ目は大学に入ってからより広く世間を見聞きできるようになり、風車と太陽に込められた意味も少し違った点でとらえられるようになりました。自身の視点の変化を如実に表す作品だからです。作品には風車が描かれていますが、当時丸亀に風車はありません。それが描かれたのは、環境に対する保護意識があったからではないかと今は考えています。絵のとらえ方は人それぞれ、それに加え時間とともに変わる。地元が描かれた絵ならなおさら、帰省のたびに田んぼが減り高層マンションが並ぶことに対する思いとリンクします。
これらの理由からこの絵に対して私が感じている価値は私だけではないかと考えています。
追伸:普段は原画非公開の絵であるため、図書館に飾られた拡大版のみ載せています。