デヴィット・リンチが『ブルーベルベット』で捨てたシーン、とは。

ドライヴのみんな大好き「ハンマーシーン」が、リンチが捨てたシーンだという話、どこで聞いたんだったかなぁと思い続けていたけれども、
「BLUE VELVET THE LOST FOOTAGE」の中のものでした。YouTubeなどにもありました。
今見ると、面白いけどもブルーベルベットの完成度からするとこちらは確かに捨てるのだろうなぁと思う。

翻って、ドライヴのハンマーシーンは、捨てたシーンそのものというよりも、何かが上乗せされている。
余りに記憶に残るので、リンチ監督の瞑想由来なのかと思いましたが、その後の回転フォーマットの原点ではとも思われる円陣からして暗示的に仕上げられていることが分かりました。

ハンマーシーンのストリッパーはタバコ吸ってなくて、廊下の人が吸ってるんだよね(時代の経過)。
映画における「ハンマーシーン」は、「キスシーン」ぐらいのカテゴリー名称なのねぇ。他にも意外に一杯ある。


以下、デヴィッド・リンチが語る、映画『ブルーベルベット』裏話とスマホ時代 Kory Grow より抜き書き。

https://www.bing.com/ck/a?!&&p=15160f2f60b550d4JmltdHM9MTY3NTQ2ODgwMCZpZ3VpZD0xMTY4NTU5Yy02Y2UyLTYzNjUtM2RiNy00NWJhNmQ5ZTYyNWEmaW5zaWQ9NTE2Ng&ptn=3&hsh=3&fclid=1168559c-6ce2-6365-3db7-45ba6d9e625a&psq=%e3%83%96%e3%83%ab%e3%83%bc%e3%83%99%e3%83%ab%e3%83%99%e3%83%83%e3%83%88+%e3%83%ad%e3%83%bc%e3%83%aa%e3%83%b3%e3%82%b0%e3%82%b9%e3%83%88%e3%83%bc%e3%83%b3&u=a1aHR0cHM6Ly9yb2xsaW5nc3RvbmVqYXBhbi5jb20vYXJ0aWNsZXMvZGV0YWlsLzI4NDg3&ntb=1

ー『ブルーベルベット』でカットされた、ドロシーが赤い靴を履いているシーンについて

そう、ときどき起きるんだ。なぜかわからないが。本当に不思議な映画だ。何かしらあるんだろう。
正直に言って、それが何だかわからないが、「家が一番(There’s no place like home.)」という(オズの魔法使いにおけるドロシーの)セリフとは関係があるのだろうね。

ー映画に、夢が役立つのかについて

そんなに関係はない。白昼夢は除いてね。夜見る夢からアイディアを得ることは非常に稀だが、ドリーム・ロジックは好きだ。
そして映画こそがドリーム・ロジックを見せてくれる。
映画は抽象的なものを表現できる。
それは言葉では表現できない。必ずしもさまざまな感情である必要はなく、悲しみの感情や、魔法で別の感情を呼び起こす抽象的なもの。それら抽象概念がひとつの映画の中に存在するんだ。映画には抽象的なものを語らせることができ、そしてもちろん、具現化できる。

ー夜の暗い道を映し出すロング・ショットがアピールするものについて

未知の世界へ飛び込むことは、人にとって恐ろしいことで、エキサイティングでもあり、希望に満ちている。

ーノー・フォン・ポリシーについて。「スマホに支配され、誰もが何でもかんでも記録し、誰もが映画監督のようになれる時代」(ローリングストーン誌)について

それは問題ない。記録することは良いことだ。私が記録する理由は、映画のためだ。
一方で、スマホを使って動画撮影し、インターネット上にアップするのは良くない。サウンドも画像もクオリティが酷すぎる。窃盗行為だ。だから良いことではない。

ー日常を観察することについて

イマジネーションは、アイディアの単なる垂れ流しだ。何かを観察することで、感じたもの、見たものからアイディアが流れ出す。全てアイディア次第ということだ。

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