だめ、のち、だいじょうぶ
明日へゆく勇気を持てぬ者たちを静かに運ぶ最終電車
涙でも溶けないウォータープルーフの鎧が邪魔だ、壊れたいのに
寝返りを打ったはずみで浮き上がる心の澱で濁ってく夜
装丁はきれいだけれど空白に支配されてるわたしの図鑑
健やかに目覚めてしまうそれだけで狂う心もあるということ
帰り道かさつく心撫でたくてマスクの中で口ずさむ歌
ひとりでは泣けないトラック三番の二分三十一秒を待つ
辛い日も満ち足りた日も平凡な日にも聴きたい一曲がある
朝起きてから今までのあれこれをいちいち君に伝えたい日だ