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ケガの功名

7月の後半に仕事中に激重のファイルを持ったところ、うっかり手を滑らせて右の4の指(薬指)を負傷してしまい、地味に完治に時間のかかる「指の腱鞘炎」になってしまいました。
で、とっさに思ったこと、それは、

「どうしようハープ弾けない」

4の指なんて負傷してもそんなに支障がない指。
パソコンなんて中指まで使えれば問題ないんです。
でも、私にとっては死活問題。
だって、仕事中も「これが終わったらハープ弾ける!」とか考えるほど、ハープ中心の生活をしてたので。

ピアノを長年弾いていたことがベースにあるので面白いように課題をクリアしていったこと、そして何よりハープを弾いてる時間が一番好き!と思えるほど「好きこそものの上手なれ」状態。
ピアノはほぼ苦行状態で20年もやってたので「何コレご褒美?!」くらいの嬉しさだったんです!
な、の、に、無情にも言い渡される「しばらく指動かさないで」by整形外科。
そんなわけで、しばらくまともにハープが弾けなくなりました。
9月末まで。

通ってるハープのレッスンは月に1回以上通えば続けられるという教室なので、休会は避けつつ1~3の指まで弾く方法で何とか乗り切りました。
そうそう、ハープって4和音とか、アルペジオがなければ3本指でも弾ける楽器なんです。こういうところもハープの良いところ。
ただ、練習のし過ぎは指への負担が大きいのですが。

「1日練習しないと3日の遅れです」というピアノ時代の呪いの言葉に怯えながら2か月ほど過ごしました。
少し焦りもあったのはハープを始めたのが去年の10月から「もう少しで1年!」という区切りが近づいてたので「ここで?!」という気持ち。
習って1年。
6章構成の教本で、6章くらいになると中級以上の奏法が出てくる教本の、4章の後半まで終えていたら、まあ、そうなりますよね。という状態。
でも、ここで「1回休み」したのが結果として良かったようです。

8月24日のレッスンから本当にまっったく弾かず、9月27日のレッスンの当日、「あ、大丈夫かも」という状態まで指が回復しました。
早速夕方のレッスンまで2~3時間ほど練習です。

久々のハープのチューニング。もう1か月近くほったらかしにしてたので、うちの沙羅ハープ(商品名)の音程が大分下がってて。
前までは結構素直に合ってくれたのにもう中々チューナーが緑にならない(音程が合うと緑ランプ、高かったり、低いと赤ランプが点く)。
もう沙羅ちゃんご機嫌斜め!
いつもは10分もあれば終わるチューニング。某若大将の「ぼかぁもう君を離さないぞ」とは言ってませんが、そんな気持ちでご機嫌伺いすること20分。とりあえず弾ける状態まで持っていって、久々に弦をポンッ!
「やっぱりハープって楽しい~!!」
気が付いたら指にマメがチラホラ。
久々に弾けたのと、練習する曲が大好きなFanny Powerだったのでいつも以上の集中力だったようです。

そんなまさかの「1か月練習してません!今日ちょろっと弾いてきました」な状態で、いざレッスン!
ところが先生から意外な一言が
「相当練習しました?」
「いーえ、まったく」
素直に白状しましたら、以前の私の弾き方はハープの基本の「脱力」があまりできていなくて、変に力が入っていたそうです。
1か月休んだことで、もしかしたら「うまくなるぞ!」みたいな変な意気込みがなくなって、いい感じにハープと向き合えたのかもしれません。
そして、嬉しい先生の一言。
「本当にFanny Powerが好きなんですね!『この曲好き~!!』って伝わってきました!」
先生が仰るには「気持ちを演奏に乗せる」というのは結構難しいことなんだそうです。しかも完成してない練習の段階で。(とてもたどたどしい演奏でした)
なるほど、脱力といい、演奏表現といい、1か月休んだことで変な「力み」が取れて自然体で素直な演奏ができるようになったようです。
先生とも「ケガの功名ですね!」とお話したり。
たまには休むことも大事だし、寧ろ休まないとダメで
「急がば回れ」ならぬ「急がば休め」
ということなのかもしれません。

ホントに一見「災難だー!!」と思うことでもちゃんと意味があるのね。
でも、ソコに気づかないと本当に「ただの災難」で終わってしまうので、
自分の人生を意味あるものにするのは自分次第なのかも。
と、ケガ一つでそんなことを思う秋の夜長です。

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