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フリーソフトによる血流解析の試計算
Clubhouseで心臓血管外科医の方々と知り合う機会を得て、大動脈の試し計算をメインでやっています。ここではフリーで使えるソフトを使って計算をしています。
2023年現在は会社の仕事として血流解析を実施できるようになり、複数の先生たちとプロジェクトを進めているのでフリーソフトでの試し計算は実施していません。
もし血流解析に興味がある先生はX(Tiwtter)でお気軽にお声がけください。フォロー頂けたらフォローバックしますので、DMでお話しましょう。
シミュレーションで流れや熱を可視化する計算力学技術者やってます。
— らふさん@血流解析 (@laf_eng) August 14, 2022
このアカウントでは主に心臓血管外科医の方々と血流解析でコラボしてますので、ご興味があれば下記noteをご参照ください。
自己紹介https://t.co/M8XKyPEGFC
血流解析https://t.co/0wZrj6QUur
計算結果をご覧になる前に、ご一読ください
本noteに掲載しているものはあくまでも試し計算であり、実現象の再現(精度)を一切保証するものではないことにご注意ください。また、下記もご一読ください。
・流体のみの計算です。血管の拡張と収縮は考慮していません。
・非圧縮性流体の計算です=密度伝播(圧縮性)を考慮していません。ただし、血流の速さは圧縮性の影響が無視できなくなると言われている「マッハ数0.3」よりも遥かに下回ります。
・試し計算のため都度条件を変えており、同じ形状でも詳細条件については一貫性がない場合もあります。ただしその場合は、同一ツイート内においては比較を行うことはしません。
・TL内での引用(RT)は大歓迎ですが、無断転載は禁止です。
血流解析試し計算まとめ
大動脈の血流解析
大動脈の血流解析。三分枝の形状がちょっと変わるだけで流量分配比は結構変化する(表示しているのは流線)。三尖弁を二尖弁に模擬した形状にしても変わりそうで、いろいろ興味深い。 pic.twitter.com/Ex9RNkJOYd
— らふさん (@laf_eng) December 25, 2021
昨日のモデルに大動脈瘤を加え、拍動流の一部を模擬した試し計算。まず流線(速度ベクトルをつなぎ合わせたもの)。
— らふさん (@laf_eng) December 26, 2021
大動脈弁の形状、大動脈瘤の位置、弓部大動脈の形状で結果はかなり変わりそう。CFDの良さの一つは、実際にない形状も簡単に組み込めることですね。 pic.twitter.com/bmMPyxEfuN
こちらはWall Share Stressの時系列的な変化。大動脈瘤を模擬した形状ではWSSに大きな偏りは出ていなさそう。流れがぶち当たる上行大動脈の一部や分枝の根元はWSSが高くなる結果に。 pic.twitter.com/t0DXlipBBZ
— らふさん (@laf_eng) December 26, 2021
Bovine arch とNormal形状
大動脈の血流解析。先日のBovine archとNormalの形状を用いて拍動流を模擬した試し計算です。入口流量を変化させており、血管壁の弾性は考慮せず。動画はWSSを比較したもので、流線の比較はリプに追加します。 pic.twitter.com/2KkvEuH4xf
— らふさん (@laf_eng) January 6, 2022
こちらは流線。非圧縮性流体で計算してます。 pic.twitter.com/qV8VEVSxpd
— らふさん (@laf_eng) January 6, 2022
PressureとWSS
大動脈のNormal形状の拍動流を模擬した試し計算の追加結果。PressureとWall Share stressを比較してます。それぞれ大きくなる場所とタイミングが異なります。非圧縮性流体で、血管壁の弾性は考慮せずです。 pic.twitter.com/LUMk1UoVmT
— らふさん (@laf_eng) January 7, 2022
上と同じ形状で最大流量時における定常解析の試し計算はこちら。
大動脈の血流解析。収縮期の最大流量時を模擬した定常計算にてBovine archとNormalを比較してみました。画像は断面における流速分布と流量分配比の比較です。
— らふさん (@laf_eng) December 30, 2021
このモデルでは、分枝における流れの剥離の有無が流量分配比に影響を及ぼしていそうです。 pic.twitter.com/tnl3swhrBe
DebranchとNormal
大動脈の血流解析。左総頸動脈-左鎖骨下動脈のDebranchを模擬したモデルとNormalの試し計算結果を比較してみました。
— らふさん (@laf_eng) January 2, 2022
本計算では、Debranchの左鎖骨下動脈の流量が特に落ちてますね。こちらも、人工血管の場所と角度で結果が変わってきそうです。 pic.twitter.com/Uo6zlGHqao
異型大動脈縮窄モデル
異型大動脈縮窄モデルの血流解析。通常&狭窄&バイパス2案のモデルでTotal Pressure(全圧)を比較。拍動時の最大流量を模擬した定常解析です。
— らふさん (@laf_eng) January 24, 2022
経路を問わずバイパスによりエネルギーロスは著しく改善。下行-下行バイパスの方が上行-下行バイパスよりもエネルギーロスが小さい結果となりました。 pic.twitter.com/CJpZJFdzyd
非解剖学的バイパスと解剖学的バイパスの入口の速度分布を追加で比べてみました。赤丸部が流れの剥離が起きているところです。
— らふさん (@laf_eng) January 29, 2022
流れの剥離はエネルギーロスを生じるため、解剖学的バイパスの方が結果としてエネルギーロスが小さいのは納得感あります。 https://t.co/w9EAnaVuUP pic.twitter.com/qwz1pCHbWd
簡易的な形状で、大動脈瘤の位置をずらした場合の圧力など
@Lanta_CVS さん @IkenoYuki さん
— らふさん (@laf_eng) November 27, 2021
計算してみました。血管の直径30mm,狭窄部の直径20mm,瘤の直径60mm,入口の流速を1m/s、出口は大気解放条件です。Reは7500~15000くらいの計算になります。結論はレスにて。
こっちのミスで瘤の位置が少しずれてますが、結果がひっくり返ることはなさそうです。 https://t.co/aCGRudVnYR pic.twitter.com/kkXPg2Aqwm
瘤を上流側にもってきて再計算してみました。こういう検証が素早くできるのがCFDの良いところですね。
— らふさん (@laf_eng) November 29, 2021
推測通り、同一の流量を前提とすると上流側にある瘤の方が圧力が高くなる結果となりました。 pic.twitter.com/RWOP4GXvPC
内シャントを模擬したお試し計算も開始しました。まだ現象との乖離がありそうなので、関連論文を漁ってトレースし直してみようかな、というところ。
試し計算してみました。拍動流ではなく定常流なのであくまで参考ですが、人工血管と静脈からの方向が同じだと、WSSはそこまで高くならなさそうです。逆方向は縮流が起きて結合部周辺で速度が若干高く、それゆえWSSが少し高くなっているのかもしれません。 pic.twitter.com/Fu0pJCff5g
— らふさん (@laf_eng) January 10, 2022
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