見出し画像

音からの妄想

 2024年8月19日、月曜日。相変わらずの酷暑。

通勤の折、とても印象的な音が聞こえる場所があります。特別目立つというよりも、ありふれた音だけどその場所でだけ常に聞こえるのです。

 どういう状況なのか?ということよりも、何故かその音からの発想が脳裏に浮かぶのです。


 今日も、掘っている。
どこを掘っているのかも分からない。ただ、そこに小石交じりの土があるから、掘り続けなければならないのだ。

私は、逃げようと思えば逃げることも出来た。このすり減ったスコップから手を放し、掘ってきた道を戻り、暗闇に慣れ切った目を日光で焼いたとしても諦めることなく歩みを進め自由を求める。それを適えたいと考えたこともあった。おそらく、この穴の始まり・入口にして出口には監視員などいないだろう。

 だが、私は逃げることをしていない。
なぜならば、その後見つかることを恐れてほうぼうを逃げ歩いた先に、見つかり恐ろしい仕置きをされること、逃げ続ける恐怖が勝っているのだ。だから、この途方の無い作業を止めることもやめることも出来ない。

 こんなにも苦しい葛藤を繰り返しながら、まるで意味のない行為を続けなければならない。称賛されるわけでもなければ、膨大な報酬が用意されているのでもない。この作業に価値はない。それでも、投げ出すことが出来ない自身の弱さ。この苦しみは、いつになったら終わるのか。。。。。。


 そういう人が、安穏と過ごす私と時折すれ違っていたとしたら。。。。?という妄想をしてしまうのです。

私は平和を望み、穏やかであれと願っているけれど、実際そうあることは少ないのかもしれません。

頂いたサポートは、木の小物を作る際の資金にさせてもらいます('ω')