やっぱりこの国の社会学は滅びに向かってるよ。

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社会学ってね、極めて地味な学問なわけだよ。アンケート配って意識調査する、基礎統計取る、アンケートに答えてくれない問題(性問題、人種差別等)には質的調査するわけだよ。だから人類学が隣接学問なわけ。やってることは社会人類学だからね。

特に社会学基礎4分野(産業労働・家庭・教育・地域)というのは基礎中の基礎なんですよ。人間は食うために働くし、食うために家庭を築くし、食うために教育を受けるわけだし、そして人間の集合体である「地域」はそれぞれ差異があるからなんだよ。それを抜かしてだよ?

アニメ社会学、ゲーム社会学、アイドル社会学とかやって現実から逃げてるわけだよ。我が国の社会学は。原発が爆発してるのに聖地巡礼調査とかやってるわけ。もちろんこの聖地巡礼ってのはアニメの聖地の事で宗教社会学における本当の意味の聖地ではないわけ。

みんなこの国は自分の国が滅亡にまっしぐらなのにバーチャルに逃げてるわけだよ。その集大成が東京オリンピック2020なわけだし、ソシャゲ中毒社会なわけだよ。

そう、社会学者が現実から逃げてるくらいにはこの国は「終わってる」んだよ。

一番この国の社会学で気持ち悪がられてるのはよその国ならストライキ研究とか労働帰属意識研究というものがあるんだが、この国はストもろくに打たない「奴隷」の集合体なわけだよ。つまり他の国にはある「組合研究」というのが平成の初期でどうも断絶したとみていい。産業労働社会学というのは労働者と経営者の2種を同時に調べる学問なわけだよ。

地域社会学。都市社会学にせよ農村社会学にせよどちらも滅びています。なぜなら「孤独死」があふれる国になって久しいからです。「コミュニティー」というものがない場所に社会は無いからです。つまりこの国はコミュニケーションが出来ない、文字通り「コミュ障」なわけだよ。

地域の中核って他所の国では宗教が基盤なわけだよ。つまり「宗教社会学」とセットなわけ。でもこの国はどうも基盤となってる仏教が滅んだあとのような気がする。じゃなければ無住寺だらけ、限界過疎だらけ、廃村だらけになってないわけだよ。これって「コミュニティー」じゃないんだよ。「ソロ」という個人の分散なわけ。

他所の国の社会学者が「ソシャゲがね~」とか「この萌えキャラの変遷は~」とか子供じみたことは絶対に言わないわけだよ。この国は学者からしてガキなんだよ。総じて。そしてげろってる通り「自分の好きな事を研究したい」が正体・本音であって「日本の社会を真摯に分析して基礎統計に寄与したい。国家の基礎統計は国家の基本ですから」なんて言うまともな社会学者が居ないわけだよ。

だから、日本の社会学者って「ナード」って笑われるのね。

青年期に「受験勉強と漫画とアニメとゲームと部活『しか』してこなかった人」って本当グロテスクなわけだけどそんなグロテスクであふれかえってるのがいまの日本なわけでこの国はもう現実がにっちもさっちもいかないからバーチャルに逃げてるというのが現実なんだよ。だから社会学者が警鐘を鳴らせないわけだ。

この国は今先進国→衰退国→後発発展途上国になってるわけですが、しかも100年間で人口7000万人という膨大な命をこれから失って超・高齢化「社会」になるわけだが誰も真摯にこの問題に向き合おうとはしないんだよ。

人類の歴史上このような形で衰亡する国ってたぶんないと思うんです。社会学にとってはビッグチャンスなわけだよ。近代初の衰退国であるアルゼンチンと違う点は資源もない・老人だらけというもっとすさまじい衰退国な点なのね。ポルトガル・ギリシャは根本が観光国家なのでこれも違う。観光立国というのは観光客さえ増やせばまあ中進国の位置に戻ることが出来る。

でも、日本は近代工業国家ですから。「工業国家にして衰退国」ってのは人類史上初なんだよ。いろんな意味で日本は世界初の衰退国ケースなわけ。しかも移民を拒否して民族の衰亡を選んだという初のケースなんだ。普通は移民を入れてエスニックシティーというものが出来るのね。日本はよその民族と本音でうまく付き合えないコミュ障民族でもあるわけだ。つまり21世紀の日本を記録していくだけで「衰亡国家社会学」というものが出来上がるくらいのもはや芸術の領域なんだよ。この国のリアルってのは。

そういう現実から逃げてアニメにゲームでしょ?社会学者が。

もうダメだと思うね。日本だけ社会学という学問は滅びて社会科学という別の学問に向かっていくのかもしれない。

だってSPSS等を駆使して統計に寄与するのが本来の社会学なんですから。本当は社会学って「社会統計学」なのよ。

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・社会学→眼には見えない社会をレントゲン写真のように見える化する学問。だからアンケートを取る。

・社会科学→法学・経済学・経営学・教育学・社会福祉学・政治学・社会学・観光学・行政学の集合体。学部単位の場合は事実上の「教養学部」である。広く浅く社会科学領域を研究するのが社会科学部でありそれは「リベラルアーツ」でしかない。

・日本の社会学→社会から逃げてしまったがために社会学=社会科学となって滅んでしまった学問。

・社会学は社会病理を研究基礎としたために社会福祉学が社会学から分離した。貧困・犯罪・離婚・片親家庭などは社会病理現象でありその解決策として「社会福祉学」が分離独立した。

・次に社会学から観光学が分離した。観光学とは観光ビジネスのためにあるのではなく民俗上の行為である観光を社会学的に分析したものである。なんちゃら観光ビジネス専門学校でやる「観光」とは違い「民俗」として分析するものである。だから関係人口というものを調査する。

つまり今の社会学というのは社会福祉学と観光学とデータサイエンス学が抜かれた状態の『抜け殻』とも言っていい。本来データサイエンス学とは社会学そのものである。しかしこの国はITを駆使してデータを分析するということを怠って来た。ゆえにデータサイエンス学部に社会学の分野すべてを乗っ取られてしまうのではないか。

そのIT後進国日本の象徴だからこそ社会学の危機なのだが、それにプラスして「オタク」分野に日本の社会学は逃げ込んだ。未来はないと思うね。

高校生のみんな。自分の趣味と両立させて卒業したいのなら社会学はいい選択だ。その代わり将来社会学という学問が消えましたとなったり「君は4年間どんな専門性を持ってるの?」と言われて答えられない就活弱者になることを覚悟せよ。そうならないように「社会調査士」という資格を作ったのだが、どうもこの資格は検定資格で終りそうで「オワコン」になると思う。

【続く】


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