かっこいい高級車のCMが流れなくなった国はその国は終わりのサイン

という事実を話したいと思います。なぜかって?40代の消費が死んでるからです。厳密には43~53歳ですね。54歳以降は給与が逆に減っていくのです。何かに気が付きませんか。氷河期世代がもう50歳超えてるんですよ。高級車どころか車がもう持てない状況でこういうCMはもう流せないのです。ちなみにネット広告でも流れません。

1998年 日産 ローレル

1991年 マツダ センティア

3ナンバーとか懐かしい響きですね。もはや死語ですね。だって日本で3ナンバー車は激減してるので。

で、おっさんって単に見栄を見せたいのではなく「クラウンとは違うかっこいい車に乗りたいんだ」という人も一定数居てそれがローレルだったりグロリアだったりレジェンドだったりセンティアだったりしたのです。今やトヨタ・クラウンを含めてほぼ街では見かけなくなりました。

で、ちょっと前にアルファードの話をしたと思います。これ、DQNのあこがれなんですよ。成り上がり系ブールカラーはセダンとかSUVには興味を示さないのです。自分の家族をペットのように扱って(名前からしてキラキラネーム)車もさも自分の車のように見せかけて(持ち主はトヨタファイナンスでキントーで乗ってるくせにね)見せびらかすのです。DQNは、大人になれない。つまりセダンの良さを理解できないんです。本当は土建屋のおっちゃん社長でも昔は事務系ホワイトカラーにジョブチェンジしたからクラウンに乗りたがったのですが(丸くなる)。ゆえに今のDQNは中年DQNのまま、つまり中高生の意識のままアルファードでオラオラと運転するのです。それが「煽り運転」って奴です。
ちなみにアルファードはほぼ農村部でしか見かけないという特徴も持ちます。都市部のホワイトカラーはこんな車に興味はないからです。境目はR16付近だとおもってください。つまり横浜市の中心部や大宮の中心部や千葉の中心部を抜けるとぐっとDQNカーの比率がぐっと上がります。

大人が乗りたがる高級車のCMが流れなくなったら中間層の崩壊を意味し、その国の経済が終わってる証拠です。試しに韓国なり米国なり中国なりEU圏のCMを見ればいいのです。絶対に流れているはず。流れないのは日本だけです。

ちなみに好況・不況関係ないですからね。1998年って日債銀や長銀が倒産した金融危機の年です。それどころか製造元の日産自体がもう破産を準備していたのです。それでも「ローレル」のCMを出すくらいには元気だった社会でした。当時は。3兆円の負債を完済し黒字化に成功した日産の代償ってなんでしょうね。そう。一般人が車を買えない社会にしてしまったという代償が3兆円の負債との引き換えでありそれを行ったのがゴーンです。村山工場や座間工場の閉鎖のツケは果てしなく大きいのです。プリンス自動車工業=村山工場で半分消えたようなもんですからね、日産なんて。

日本人がこの手の高級車に興味を示したのは2004年頃まで

2004年 トヨタ マークX

おそらく団塊じいさんが現役時代の最後のご褒美として買ったのがマークXやクラウンだったんでしょうね。そして今は無事軽自動車に落ちてコンビニにあちこち突っ込んでましたとさ。めでたし、めでたし。

2005年 トヨタ ゼロクラウン

お値段びっくり、たったの460万円です。ナビ付けても480万円。諸税金入れても500万円です。本当にトヨタ・クラウンって車は庶民が現役世代の最後にギリギリ手が届きそうなお値段だったんですね。今の800万円という価格からは想像も出来ません。つまり団塊世代は逃げ切ったという事です。

しかしもう2005年頃ともなるともうトヨタ以外は高級車のCMを出す余力がありませんでした。三菱・マツダのように高級車撤退という事業者もありました。ホンダ・レジェンドは2022年まで持ちましたけど最後の10年は月間販売台数10台なんて世界で「意地」で作ってただけにすぎません。証拠に2012年にいったん生産打ち切り、ホンダは一旦高級車事業から撤退したのです。それではブランドイメージに傷がつくからと採算度外視でやってただけにすぎません。日産もおまけでアリアを作っているだけです。むしろ売れているのはアリアの倍以上はするGT-Rです。もうここまで行くとスーパーカーの領域ですが。お値段実に1400万円です。スーパーカーともなるともう公道で威力を発揮するのは不可能でサーキットで威力を発揮する車ですから一般人には関係のない世界です。ホンダのNSX(約2500万円)もしかりです。そういうのは「高級車」ではないのです。

かっこいい高級車のCMが流れなくなった国はその国は終わりのサイン

ちなみにマークXやゼロクラウンレベルの車を公道で見かけなくなったのは2014年頃でやっぱり耐久消費財って約10年しか持たないのだなと。2014年~2016年頃までゼロクラウンを乗ってた人は意地でも乗り続けたのでしょう。プライドとかあってね。でも70歳付近まで行くと気力も財力も持たないんですよ。そして下取り価格を見て本人は仰天するんです。かつての高級車にはほとんど資産価値が無いということに。そこら辺の軽にすら価値が劣るということにも愕然とします。そして本人は無事中古の軽に乗り換えるというわけです。地方の人ほどね。

これを「ダウングレード社会」といい一番分かるのが車なんですよ。

衰退国は車も家も「ダウングレード」するのです。見てください。この極小住宅だらけのハウジングを。だから中高年の車のグレードを調査するのが社会学の重要調査になるわけです。他には車が傷だらけでないかとかランプが消えたまま公道を走ってないかなどです。ランプを直すほどお金がないって事は……免許の「減点1点」なんてレベルのお話じゃありません。だって、整備不良って人の命に関わりますからね。つまりこういう人は人の命を気にする余裕がないほど「貧乏」という意味です。そういう人が多くなると「社会の終わり」を意味します。社会学というのはそういうことまで見てます。人自体なら着けている時計から服まで全部見てますよ? 銀行員の人ならご存じですよね。その人が信用に値するのかどうかを。日本はもう日本人全体でもう信用に値しない人間ばかりという事です。

衰退国日本!

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【国道定点観測】
実際に交通量の多い国道で定点観測し
1:軽
2:リッターカー
3:一般乗用車・アッパーミドル車
4:高級車
と4段階に分けて1や4が多いほど終わっている国、3が多い国ほど栄えている国です。4が多いとなると国道にそれほど車は走っておらず格差社会及び腐敗社会で調子こいてるやつが高級車に乗っているという意味になる(後発発展途上国に多い)。1ばかりというのはド貧困でダウングレード社会。日本は1が多いんだね。

国道定点観測を元に広告代理店にもっていき1が多い場合は「幼稚」でおこちゃま向け」か「アイドル全面押し」のCMを作り3が多い国は「大人で重厚感のあるCMで洋楽やクラシック曲を多用するCMを作る」ことになる。理想は3+4が一番多い国です。

これがCMづくりの裏側です。もちろん登録台数なども調べます。車のCMの場合はね。なので軽ばかりになると国としてもCMとしてもCMスポンサーとなるわけですから放映番組も全部終ります。チープだから。

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