名J-POP考 第74回  GLAY 『HOWEVER』

GLAYって「大人公認バンド」って言われてるくらいのメンバーなんです。「函館市栄誉賞」受賞。江沢民国家主席表敬訪問。


『GLAY EXPO99』では20万人動員という偉業を達成しました。本当は深夜にライブを行うと15歳未満の入場が禁止されるんです。それを当時の知事がGLAYは教育的なので児童でも入場OK!(要親子同伴または同意書持参)ってやった伝説もあります。

こういう「大人公認バンド」というのはあっという間に消えますよね。なぜかって?つまらないからですよ。そりゃ20万人動員・無事故達成って偉業ですよ。音楽史に残る偉業だ。でもね、アーティストとしてつまらないの。残念なことに。

GLAYはこの失われた10年の時代に疑似成長物語に飢えてた当時の社会、つまり大人に利用されてぽい捨てさせられたのでは。

たしか航空機の機体にGLAYの絵が塗られたこともあった。そのくらいのバンド。でもこういうのって「つまんない」んですよ。毒にも薬にもならない。

私はGLAYって「大人公認」された瞬間に終わってしまったバンドだなって思います。21世紀に入ったらライブ以外の報告が消えてやがてそのライブも報道から消えていった。

音楽教科書に載るようなグループの曲って楽しいか?GLAYのファンに怒られそうなこと書いてるけど私はそう思う。優等生になった瞬間GLAYは死んだんだよ。

このエッセイはあくまで『名J-POP考』ね。GLAYの代表曲は文部科学省検定の音楽教科書に載っても全くおかしくない曲って意味での「名曲」だ。だからこの曲を取り上げた。でもそういう曲を個人的に聴きたいかとなったら話は別だ。教育的にいい曲とはそういう意味だ。だから世間はGLAYを聞きたくなくなった。違うか?

薬物で人を裏切るアーティストも最低だ。でも模範的すぎるアーティストも極端すぎないか。GLAYは模範的すぎて人を裏切ったんだ。彼らがカトリックとか巨大仏教宗派に所属するアーティストなら納得する。宗教家なら模範的人間にならねばならない。でもGLAYは違うだろ。

ただし、東日本大震災のチャリティーには素直に、本当に感謝したい。それはこの場で本当に感謝の意を表したい。でもアーティストとしての評価となったら話は別だ。

本当に聖人君主みたいなメンバーだと思う。でもだからダメなんだ。

GLAYは「キリスト教×ロック」とか「仏教×ロック」とかそういう方向にいったらもっと長く活動出来たと思う。世界宗教のロックメンバーなら文字通りGLAYは世界的なロックメンバーになっただろう。


※このエッセイの内容に対して異論反論はいっぱいあると思う。それは素直に聞き入れたいと思ってる。

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