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1991~1993年は本当に不況だったのか?

ということで1991年の事を思い出してください。東京ラブストーリーの時代で都庁完成年ですよ?1991年2月で宴は終わったわけじゃないんです。人も物もそう簡単にブレーキってかけられないし、1992年当時の人に「今、不況ですか?」って聞いたら高確率で「ノー」ですよ。
1992年にはジュリアナ入社式まで開かれます。こんなエネルギーのある会社と新入社員を私は令和で見たことありません。「軍隊」なのではなく本気で「いえ~い」とか言っていたのです。バブルの残りかすは1993年まで続きJリーグ開幕にザウスがオープンしました。


これが「不景気」?

思うに1993年って「マイナス成長にして好景気」という異常事態だったのでは。円高ってやっぱりそれだけ人に恩恵を与えるんですよ。だって不況なのに気軽にヨーロッパ旅行に行けます?1人当たりGDPが世界3位になります?実は不況、不況と言いながら庶民はなんとスキー場でリフト2時間待ちとかの世界ですよ。ガーラ湯沢がブームだった時代ですよ。

1992年は18歳人口が第二のピークを迎えます。ということでご覧ください。1992年というのは膨大な数の18歳の男女が地方から都会に出て一人暮らしをするため耐久消費財が飛ぶように売れたのです。まだまだこの時代は大学進学率が25%の時代ですよ。受験戦争で気軽に4大大学受験なんて出来ませんよ。だから世のほとんどの人は18歳・20歳で就職したんです。だから購買力も売り上げも実は伸びて好循環経済があったんです。さらに地方には不景気対策で莫大な公共投資を行いました。だから高速道路網が急激に発展したんですよね。だから地方ほど実は所得額が伸びたんです。伸びなかったのは一都三県と京阪神だけだったということまで分かっています。

そんな異常な時代がいつまでも続くわけがない。

よって1993年の中盤からいよいよ不良債権が深刻化していきます。でも当時の日本企業はこの不良債権を隠して来たのです。要は粉飾決算です。代表が山一で要は「飛ばし」ですね。そう、もうモラルが壊れて来たのです。

そしてその時はやって来ました。就職氷河期世代という地獄の世代が1994年から誕生するのです。

世もだんだんと「この社会は変だぞ?ゼロ成長だし」という事に気が付き始めて『人間・失格』などの暗いドラマが流行り出しトレンディードラマが消えて行ったのでした。だから1993年の4月までが好景気で5月から急降下するかのように落ちて行ったのが日本経済の真実だったのかもしれません。公共投資額が中途半端だったということもありますし公務員を大幅採用するどころか逆に小さな政府を目指したせいでロスジェネが大量に発生したのです。この時のボンクラを公務員として大量に雇っておけば今の日本の体たらくは無かったというのに。

そして1994年に「リストラ」という言葉が大流行(流行語大賞)となり翌年1995年に震災と地下鉄サリン事件でこの国は実は瀕死だったことが分かり1997年の金融危機で日本は心停止し、2011年の大震災で日本は「死んだ」のだ。失われた35年となった。もう日本の復活は不可能である。実は日本の復活のラストチャンスが1991~1993年だったのかもしれないと思ってる。ここで日本の本当の実情を政治・財界が正直に言っていれば……。

ろうそくってさ最後は猛烈に輝くんだよね。そのろうそくの明るさが1991~1993年だったのかもしれない。

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