名J-POP考 第2回 プリンセス・プリンセス 『M』

しかし、プリンセス・プリンセスの真の名曲はこの曲です。


失恋というものを芸術の領域にまで上げて音楽として表現した曲って今はまずないですよね。それどころか悲恋物・失恋物の文学やドラマがないんです。悲恋とか失恋というのは人間として当たり前のことです。人間は失恋を重ねて恋愛を成就するんです。失敗を知らないで結婚する奴ほど自己愛の塊のサイコパスで離婚まっしぐらとか夫をATMと思ってる自己中があまりにも多いのです。つまりあれだけ「金」・「金」言ってたバブル絶頂期の方がはるかに「人間」というものが分かってた証拠です。

身分差を乗り越えるとか周りの反対を押し切ろうとして押しきれなかったり、逆に押し切ったがために不幸になる物語が悲恋です。しかし当の本人たちは覚悟を決めたうえで、ですから幸せだったのでは。

愛って感情は損得勘定でも性欲だけでもないんです。当たり前ですよね。でも日本人はこの「当たり前」を失ったんです。

イニシャルMって実在するらしいですよ。実在した人物との別れを歌で表現してるわけです。

悲恋・失恋が表現できなくなったら社会として終わりです。1989年の名曲を聴いて今の社会がどうなってるのか胸を当てて考えてください。勝ち組・負け組とかパパ活とか言ってる日本は終わってます。

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