名Ｊ－ＰＯＰ考　第67回　 小田和正 『Oh! Yeah!』

これはＣＭ見た方がいいですよね。

1991年　第一生命

で、曲の全部を聞きたい人はこちらです。

「今日の仕事は楽しみですか」なるサイネージ広告が炎上したんですって。たぶん1991年だとこんな広告を生命保険会社が流すくらいなので1991年ならば「そうだ」と答える人が多かったでしょうね。

だって世帯収入のピークは1991年、個人給与所得ピークは1997年ですよ。文字通り30年の時間を失ってるんですよ。見てください、この初老だらけの群れ。品川駅ですよ。ド都心ですよ。これがディスピアに見えるくらいもう日本人は希望を失ったのです。時代が時代ならこのサイネージの文字は「黄色と黒は勇気の印　24時間戦えますか？」ですよ。そうでしょう？『名ＣＭ考』のトップはなんでしたっけ？リゲインでしょ？

もう一回1991年の第一生命のＣＭをご覧ください。希望溢れる時代はＣＭに恋愛シーンが登場し「今日の仕事は楽しみ」なんですよ。夕食がイタ飯（もちろん恋人と）になるくらいには。今のＣＭご覧ください。小田和正の曲が流せます？んなわけないっすよね。もう死で溢れかえってますよね。

別に少子化でも無人店舗やＡＩ化やＲＰＡ化して９時～３時勤務にすればたぶんこの国は「今日の仕事は楽しみ」になるはずです。下手すると週休３日になるはずです。それだけ無駄な仕事・無駄な産業・無駄な業務がこの国に多すぎなのです。だからこんな広告ごときに炎上しちゃうんです。

品川駅に1991年の第一生命のＣＭばりの広告を流しませんか。無人化で！

人は働くために生きてるんじゃない。生きていくために働いてるんだよ。

生きていくために働くから恋愛が出来るわけ。疲れ果てた体で恋愛は出来ない。給与が伸びない絶望の社会で恋愛するのは難しい。そもそも日本の最後の好景気が「ＩＴ好景気」と言って1995年3月から1997年3月までの約２年間で実にこの国は25年以上「好景気」というものを知らない。好景気と言い張ってる嘘好景気なら数多くあるが。

「24時間戦えますか」というのは仕事のためだけに戦ってたわけじゃない。忘れました？「５時から男」のＣＭ。グロンサンのＣＭも紹介しましたよね。

我々は「働く意味」すら忘れちゃったわけ。日本人は「人間として」オワコンだよ。