名J-POP考 余談 J-POPが生まれたのも殺したのも団塊ジュニア世代のせい!?

珍説ですけどね。

昔は曲の出来とCM・ドラマタイアップという「産業力」で勝負した。いい曲+産業という話ですよね。しかし、青少年にずっとターゲットを絞ったままの日本の音楽産業は衰退していくって話ですよね。J-POPの主要顧客は当時10代・20代前半だった団塊ジュニア世代とポスト団塊ジュニア世代です。彼らは大人になったとたん音楽から離れていく。

レコードとCDの売り上げが逆転したのが1987年でJ-POPの概念が誕生したのが1988年。この時の市場額は約3700億円。それからピークの1998年が約6700億円(音楽CDだけなら6075億円)、そこから2004年で3700億円に逆戻り。この2004年が「J-POP敗北の年」と音楽業界で言われたんですよね。この時2003年からi-Podで音楽も安かろう・悪かろうになったわけですよね。この時はまだ経済的な理由で音楽が敗北してたって事です。1000円のCDを買うよりも音質はちょっと悪くなるけど100円の音楽配信曲の方がいいという事ですよね。でも、実は2004年は着メロ市場がまだ延びていたので著作権使用許諾額で見たら伸びてたんです。まあ、音楽を聴いて楽しむのではなくただの着信メロディーという道具になり下がってしまった。つまり劣化ということにもなるのですが。

で、その着信メロディー市場も2005年ごろには飽和していよいよ本当の衰退期が始まっていく。で、2010年から苦肉の策として例の握手券商法になるわけですよね。1人でCDを10枚、100枚も買う余力を10代や20代の青年が持ってるかということです。あるわけがない。それどころか音楽配信市場のピークが2009年と2020年と言う珍現象が我が国だけに起きるのです。若者はいよいよ1曲100円というデフレ価格すら払う余力を失ってしまったという意味だ。握手券CDなんて買えるわけがない。

11年も音楽配信だけでも暗黒時代を我が国は作ってしまったということで音楽そのものが見捨てられてた証拠です。音楽配信ならば握手券は関係ない。ならばリーマンショックや東日本大震災というアクシデントがあったにせよ数年で回復せねば。でも現実は2020年に急激な伸びを見せるまで回復できなかった。

そう、J-POPを「殺した」真犯人、それは当時30代の独身男の団塊ジュニア世代・ポスト団塊ジュニア世代で俗に言う「キモオタ中年」ではないのか。2010年からの現象は経済的にだけでなく文化的にも敗北したのではないか。ということは2010年が「J-POP完全敗北の年」ということになる。

団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア世代の全員ではないことに注意したい。音楽を愛する団塊ジュニア・ポスト団塊ジュニア世代も追い出されたのだ。この世代はむしろオタク=気持ち悪いという価値観の世代なのだ。じゃあもっと後の世代じゃないのかって?2002年ごろにオタクが市民権を得てからオタクの中の一カテゴリーに過ぎない「キモオタ」が金に物を言わせて握手券とか2次元エロ、いわゆる「萌え」に高額消費した。迫害されてた層が市民権を得るとどうなるのか。札束ビンタするに決まってる。しかも貧すれば鈍する。エロだろうがお客様ということになる。要は禁断の商売に踏み込んだという事。それが音楽の世界にまで広がってしまったということだ。

オタクの名誉のために言いうけど硬派オタクも市場から駆逐されて「萌え」一色、癒し系アイドル一色というグロい現象が起きたのであって、オタク全員を非難するものではない。悪いのはオタクの中でもキモオタだけだ。

しかもこの手のオタクは握手しながらそのアイドルに向かって暴言を吐くことで有名です。癒しを求めてるのなら暴言は吐かないはず。つまり明らかにアイドルの私物化なのです。しかも仕事のストレス発散のためにやってるとしか思えないのです。音楽を愛する者には決して出来ないことを彼らはやっている。奴らはサイコパスです。

そしてi-Podの次に来たムーブメント。動画サービス。つまりPVを見る。音楽を聴き・見て楽しむという世界の潮流から取り残されてテクノロジー的にも日本の音楽をオワコンにしてしまったのではないか。さらにダンスの技術で圧倒するK-POPにまで敗北という屈辱を味わったのではないか。口パク握手券アイドルと本物のダンサーとしての技術を持つアイドル。貴方が仮に2010年代で10代の女性だったらどっちを選びましたかということです。そうなんです。音楽を侮辱する奴は別の国の音楽に駆逐されるのです。当たり前でしょ。

楽な商売ほどやばいものはない。日本だけ文化的にも技術的にもオワコンになってしまったということ。

え?音楽配信が2009年水準に回復したらそれでOKじゃないかって?何度も言うように音楽CDシングル1枚1000円だったものが100円になったというデフレ商売ですよ。さらに2010年代からサブスクという聴き放題にしたから音楽1曲当たりの単価は「もっと」劇的に安くなってるのが現実。つまり「音楽も安かろう・悪かろう」という消費者行動は2004年当時よりももっともっと進行しているという意味です。

2020年の国内音楽市場が2727億円で1998年が約6700億円ですから半分未満。国内音楽市場は1998年ピーク時の約40%にしかなってないんです。日本人は約25年の間音楽というものをそれだけ見捨てたのだし、これが日本だけに起きてる珍現象です。仮にコロナ禍が終わってライブ市場が復活してもピーク時の50%分にすら達さないのが現実です。

じゃあJ-POP復活にはどうすればいいのか。握手券とかじゃなくて。それを記念すべき50回の前に次の余談枠で記述したい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?