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#43 It panned out well.(1420字程,意訳, VOA Learning English, 2012/7/27)

(↑Header image: by Mattia Bericchia, Unsplash, searched by "mountains, streams, rivers, california")

(↑英文元記事478words)

1.さぁ、VOAのスペシャルイングリッシュ・プログラム「WORDS AND THEIR STORIES (言葉とその物語)」が始まりますよ。今日の言葉「pan」は、カリフォルニアゴールドラッシュの時代に遡ります。

2.1848年1月24日、ジェームズ・ウィルソン・マーシャルという男が、カリフォルニア領で金を発見しました。そのニュースは瞬く間に広まりました。何千人もの人々が西部へと殺到しました。彼らは、徒歩で、馬に乗って、また、船で、金鉱を見つけに行きました。1849年には、大規模なゴールドラッシュが始まったのです。

 一夜にして町や市が出来上がりました。カリフォルニア領内いたる所の、山中や、川や小川に沿って、何千人もの人々が金を探しました。彼らは食料や体を覆う毛布を携えていました。ラバに乗り、金を探すためのつるはし(picsk)や選鉱なべ(pans)も携えていました。

 ある者は、山の岩に金が多く含まれている場所を発見しました。彼らは一攫千金を狙いました。しかし、そのような場所は少なく、最初に見つけた人たちにすぐに占有されてしまいました。また、山々から流れ来る川で金を探す人たちもいました。彼らの目的は、雨で洗い流されて来た金の欠片を集めることでした。

 この金を見つける唯一の方法が選鉱なべ(pans)で選り分けることでした。まず、金鉱採掘者は、金属製の鍋に土を入れて水を加えました。そして、水が土を洗うように鍋を揺らします。次に、ゆっくりと鍋から水を注ぎ出します。運が良ければ、金の欠片が残ることになります。

 全米の新聞には、金塊発見の記事が掲載されました。ある記事では、いかにして何千人もの人々が金を求めて山に登ったかが語られていました。またある記事では、いかにして他の人々が選鉱なべを携えて川や小川を辿ったかが書かれていました。各人が、金がよくとれると自分が見込んだ場所に、金があることを望んでいました。

 多くの人々は、金をうまく選り分けることはできませんでした。ごくわずかの人々が選鉱なべでの金を選り分けに長けていただけです。しかしやがて、何トンもの土を一度に洗い流すことのできる巨大な機械が作られ、選鉱なべでの金探しは消滅しました。

3.しかしながら、この言葉は、用語として残りました。今でもアメリカ人は、自分のしたことが喜ばれたときには、「It panned out well. (うまくいった。)」と言います。ビジネスや、発見や、単純な事柄も、成功すれば、それは良い結果を産む(.. pans out well)。しかしときには残念ですが、うまくいかないこともあります。

 近年、この panという言葉には別の意味が込められるようになりました。今日では、「批判する」という意味もあります。なぜこのような意味になったのかはわかりません。しかし、批評家の仕事は時には、作家や芸術家や歌手の作品を、選鉱なべに水を入れて揺するかのように酷評する(panする)こともあります。

 時には、批評家が映画や演劇を酷評して、誰も見に行かなくなることもあります。しかし、ほとんどの批評家が容赦なく酷評したにもかかわらず、ある演劇が大成功したこともあります。本来なら、その酷評がその演劇を洗い流してしまっていたはずです。しかし、俳優陣が指摘するように、時には、批評家に酷評されたこと自体が、金となることもあるのです。

4.このVOAスペシャルイングリッシュ・プラグラム「WORDS AND THEIR STORIES (言葉とその物語)」は、ハーブ・サットクリフ(Herb Sutcliffe)によって執筆されました。ナレーター(ポッドキャストの話者)は、ウォーレン・シェアー(Warren Scheer)です。

以上[1420字程; 2021/4/11 2:55 a.m. JST; DeepL無料版, google検索,Weblio辞書, 英辞郎 on the WEB, YouGlish.com, など利用; 訳出時間2時間程]

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