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ポートランドでわんちゃん連れイベントに参加!幸せそうに亡き犬を連れていた女性に教わったこと
今日はポートランドのダウンタウンで行われるDoggie Dashというウォーキングイベントに参加してきました。まぁ、率直に言ってすごく楽しかった(笑)わけなんですが、イベントの様子やどう楽しかったはいつでも熱く語れるとして、まずは今日心に残った場面をシェアさせてください。
今回のイベントの会場、受付やスタート・ゴール地点があるのは、ウィラメット川に面した広い公園。そこでは順次出発していくウォーキングと並行していくつかのアクティビティが開催されます。飼い主わんちゃんそっくりさん選手権とか、わんちゃんイス取りゲームとか、それを見ているだけでも半日過ごせてしまいそうな面白そうな内容ばかり。
私たちがゴールしたときには、どうやらわんちゃんの障害物競争が始まろうとしており、元気いっぱいなお姉さんがコースの説明をしていました。説明が終わると、登録した飼い主さんとわんちゃんが一組ずつ呼ばれ競技に挑戦します。
25mプールほどの広さのコースには、コーンをジグザグ進む箇所や、バーを飛んだりくぐったり、トンネルを抜けたりといった障害物が用意されており、一番早いタイムで終了できたチームが優勝するというルールのよう。
しっかりめなアイメイクの飼い主さんとリンクするようなキリリとした目力を持つハスキー、なかば引きずられるようにして一生懸命飼い主さんについていく小さなチワワ、一瞬たりとも飼い主さんから視線をそらさずに着実に障害物をクリアしていくゴールデン。司会者のおじさんのユーモラスな実況と観客たちの拍手の中、どの組もなかなか上手にゴールしていきます。
そんな中登場したのは、パネルらしき物を持った小柄な女性。
彼女はひとり。犬はいません。
彼女の上半身ほどの大きさのパネルは、どうやら飼っていたわんちゃんの写真のようでした。温かい歓声の中、スタートした彼女はゆっくりとした小走りで、ポールの間を右へ、左へ。バーのところでは、屈むようにしながらパネルをくぐらせ、次のバーは上からふわりとかわします。小さな歩幅でフラフープのところまで来ると、右手から左手へとわんちゃんを手渡しながら輪っかを通過。最後のトンネルは入り口からゆっくりとパネルを入れると今度は出口側からゆっくりと引き寄せる。そうしてまたゆっくりとした小走りでゴールラインを切っていました。
観客からの声援に笑顔で答えながら、一歩一歩を心から楽しむように走る彼女を見て、私は立ち尽くしていました。
大好きなペットを亡くしてもなお、その子と一緒にこんなに楽しそうに振る舞えるんだ。それもこんなに大勢の人の前で。
今や一人のdog momになった私、まだ日は浅いけれど犬との時間の豊かさを知ってしまった今、その子を失うことがどれほど大きな喪失か、少なくとも犬を飼う以前よりは想像できるようになってしまったわけで、彼女の痛みを思うだけで胸がぎゅっとなってしまいます。
けれど、それだけじゃない。
人にどう見られようと、いやそんなことすら考えていないかもしれない、ただただ自分はこの子とこれに出るんだ、この場を楽しむんだ、そういう気持ちが彼女から伝わってくるような気がして、胸が詰まってしまったのです。
映画のように、キラキラとしたスローモーチョンの中を飼い主さんと走っているわんちゃんが見えたような気は、正直しなかったけれど、そんなのよりよっぽどリアルに、ペットの死、そしてそれが悲しみだけを意味する訳ではないことを教えてもらった気がします。
そして、ペットという家族の死を、ただ内に秘めて悲しんだり、思い出してひっそりと幸福に包まれたりするのではなく、人と、それも不特定多数の人とシェアできるということ。
もちろん死というものを消化していくプロセスは皆違うのが自然だとは思うけれど、誰かの死を、もっというと生きていた証、この世では一旦幕を閉じたそのライフを誰かに堂々とシェアできる。そういう彼女の在り方と、その場にいた人々の暖かな寛容。それらも全部ひっくるめて私は心を揺さぶられたのだと思います。
ペットに限らずね、すべての人に大切な人がいて、すべての人が大切な誰かがこの世から旅立つ辛さに直面する訳だけど、直後のショックと喪失の後にこんな在り方もあるのだと思えたら、それからの生き方の幅も少し広がる気がして希望すら湧くのです。
めちゃくちゃ楽しかった1日の中に、こんな奥深い想いもあって、とても満たされた土曜日でした。
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