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アメリカ大学院の出願プロセス①

大学院に興味はあるけれど、未知すぎて何からやったらいいのかわからない...。約3年前の私がそうでした。
ネットでなんでも調べられる時代。とはいえ、情報の多さゆえ自分の状況に合った情報を見つけるのに苦労した記憶があります。こと大学院留学については国や専攻によって状況が違うことも多いのでなおさらかもしれません。なので、少しでも状況が似ている方に私の経験で参考になることがあればと思い、今回は私が大学院出願をした時の流れをシェアできたらと思います。

先にお伝えしておくと、夫の海外赴任に帯同してすでにアメリカ在住→大学院出願、という私のケースは例外的な部分も多いです。日本から大学院留学を目指される方は、留学支援企業のウェブサイトや、いわゆる一般的な出願手順で留学した方のブログの方が参考になるかと思います。逆に、配偶者の駐在に帯同するにあたって自分もキャリアアップのため大学院進学を検討したいという方には、あくまで一例になってしまいますが、こんなケースもあるんだという視点で読んでいただければ幸いです。

出願当時の私の状況 

背景として、出願時に私の置かれていた状況はというと
・夫婦二人暮らし
・夫の駐在に帯同してアメリカ在住。駐在期間が5年と決まっており
 出願を決めた時点で残りの駐在期間は3年。大学院自体が2年間かかる
 ことを考えると、どうしてもその年度に出願する必要あり。
・すでに住んでいた家から通うことが前提。
 必然的に、出願先候補は最初から2校にしぼられる。

出願要件、必要書類は
・大学の卒業証明、成績証明、GPA 3.0 以上
(大学の成績良くなかったけれど満たせてた...セーフ!)
・日本の銀行の残高証明
・志望理由書 2−3ページ
・推薦書 2通
・候補となる2校ともGREは不要
(正直、ここにとても救われた...!)
・TOEFL iBT  80以上というプログラムと100以上というプログラム
(昔受けたことはあったけれど、当時の点数は参考にもならないほど低くて実質TOEFLが肝となる...)

いつ何をしたか 

上記にも書いた通り、私の場合は夫の赴任期間&ビザの期限の都合から、その年度の締切に間に合わせる必要がありました。院に行くと決めてから締切まで、その間実質3ヶ月!今考えてもギリギリだったなぁと思います...笑 

ということで、ここからは出願準備をしていた2019年秋から2020年春まで、いつ頃何を準備していったか、時系列で見てみます。長くなるのでこの記事では前半半分を。

10月 - 締め切りまで4ヶ月 -

やっと自分のパッションが明確に
アメリカに引っ越してから2年ほどキャリア迷子になっていたのが、素晴らしい先生との出会いやボランティアの機会のおかげで、やっと、自分のやりたいことをはっきり自覚することができたのがこの頃。「どうやったら英語力を伸ばせるのか」という長年の自分のテーマは、自分以外の多くの人も抱えている悩みであることを痛感すると同時に、相談を受けてもなかなか明確なアドバイスできないことが歯がゆくて、この人たちの力になりたい、英語学習法と英語教育についてきちんと学びたい、と強く感じました。

情報収集
英語教育を学びたいと心は決まったものの、大学院という選択肢が果たして良いのか、そもそも実現可能なものかというのが最初の課題でした。それ以前から「院に行く」という選択肢は頭の中に一瞬ちらつくものの、いやいやいくらかかる?大学の成績も良くなかったしTOEFLやGなんとか←って諸々必要だし無理無理...と即消去していたので、自分が院に挑戦できるだでの力があると思えなかったからです。数週間で取れるCertificateや、学部で学ぶSecond Bachelorの方が現実的なのかな?と、一人で調べていると、どんどん逃げ腰になってしまう始末。

そこであるとき、コミカレのアカデミックカウンセラーの方に相談に行ったのですが、そこでの相談が大学院という選択肢をぐっと身近なものにしてくれました。
そのカウンセラーの方曰く「Second Bachelorは別の分野を1から学ぶイメージに対して、Masterは学部で学んだことや社会人として経験したことの上に積み上げるイメージ。ただ、学部と違う分野の院に進む人も一定数いるから、あまり知識不足を心配する必要はないわよ。Second Bachelarをとる人よりMasterに進む人が多いかな。その方がキャリアアップに有利なことが多いから。」と。そして彼女はパソコンで一緒にひとつの大学院を検索し「このプログラムだと、出願時期や方法はこうね、あ、担当者がうちの大学に来る日もあるわよ。」などとウェブサイトを一緒に紐解いてくれました。

それまでいかに自分が、本当に必要な具体的なプログラムの情報を見るのを避けていたかを実感しながらも、彼女とプログラムの詳細を読んだことで、やっと大学院をいう選択肢を現実的なものとして認識できた気がします。

11月 - 締め切りまで3ヶ月 -

大学院への出願決意 
そのカウンセリングを皮切りにその後も情報収集していった結果、TESOLという英語教授法を学べるプログラムは、通える範囲では公立1校、私立1校、と候補となるプログラムは必然的に2校にまで絞ることができました。

どうせ学ぶなら中途半端でなく体系的に学びたい、経済的にもなんとかなりそうだというところで、メンター的な存在であるC先生にも相談。
「実は、、、MA TESOLに応募したいと思ってるんです、、、」
「そうなの!応募締切りはいつ?」
「2/1です、、、」
「今から1、2、3ヶ月...うん、間に合うでしょう。
 必要なことは全部サポートするわ!書類は何が必要なの?」
突然の相談だったにも関わらず、思いきり背中を押してもらい、ここから本格的に出願準備が始まりました。

推薦状を依頼
必要な推薦状2通のうち1通は、C先生がお願いする間もないくらい、当然よというスタンスで引き受けてくださりました。しかもそのスピードたるや。ほぼ翌日くらいには、下書き書いてみたけど、内容どうかしら?と。

もう1通は、教会ESLで2年ほど教えてもらっていたL先生にお願いすることに。このL先生、教育分野の修士をすでに持っていたのですがESLに特化してさらに学びたいという思いから、なんと先生自身もその年度TESOL修士に出願準備をしていることが発覚!言ってみたらライバルとも見える立場にいたL先生だったのですが、快く承諾してくれるどころか、関係者から聞いていた情報を惜しみなく私にシェアしてサポートしてくれ、この先生にお願いして良かったと思ったのを覚えています。

志望理由書作成に取りかかる
推薦状を書いてもらっている間に、私は志望理由書に取りかかりました。サンクスギビングの連休も図書館にいって志望動機の書き方の本を読んだり、マインドマップにこれまでの自分の興味関心をまとめてみたり。初めて書く類の書類ではあったものの、行きたい気持ちは固まっていたので、少しずつですが書き始めることができました。ESLでライティングを頑張っていたのも役だったなと思います。

候補先の2校を比較
最初から候補は2校のみだったのでどちらにも出願するつもりだったのですが、コミカレのキャリアセンターを利用して比較する際の相談に乗ってもらいました。
州立大学と共同私立大学という2校、単純に二年間の学費を比べると公立である州立大学の方が安いものの、私立は奨学金、補助金等のサポートが多いため、それらを利用すればあまり変わらない可能性もあるということを教えてもらいました。また、どちらのプログラムとも理論・実践ともに力を入れているものの、州立大は理論研究のバックグラウンドが厚く、私立は実践実習の多さを売りにしている様子。正直どちらも魅力的で決めかねました。必要なTOEFL iBTのスコアは、私立は80、州立大は100、と大きく差がありそのせいもあってか私立の方が留学生が多い印象でした。

TOEFL対策開始
書いたらそれなりに何かしら提出できる志望理由書などとは違い、一番のネックだったのがTOEFL。2月の締切に間に合う受験日となると、12月に1回、1月に1回開催されているのみでした。短期間で闇雲に受けても仕方がないため、みっちり勉強して1月にスコア100を目指して受けることにし、効率的な勉強法を検索、単語帳と公式問題集を購入するところからスタートしました。

12月 - 締め切りまで2ヶ月 - 

必要書類を揃えるために一時帰国
卒業証明書と成績証明書を大学から、残高証明書を銀行から、全て英語で取り寄せる必要があったのですが、出願校ごとに微妙に指定されていることが違ったりして不備があってやり直すなどのトラブルを避けるため、また、重要な書類をアメリカの郵便事情に託すことにやや不安もあったので、いっそのこと一時帰国して一気に揃えてしまうことにしました。幸い、私の大学は国際分野に長けた大学だったこともあり、英文での書類もとてもスムーズに対応していただけました。

ちなみに、この一時帰国で実家に帰ったりしたものの、家族にも友人にも出願のことは秘密にしていました。全ては自信のなさゆえ。受かったら堂々言えるけど、どう転ぶかわからないこの段階ではとてもじゃないけど言えないな、と。こればっかりはどちらが良い悪いというものでもなく、自分が精神的に楽な方を選んで良いような気がします。

上記に引き続き、12月はTOEFL対策や志望理由書の下書きも並行して進め、とにかくバタバタな年末だったと記憶しています。


1月からのラストスパートは次回に続きます!


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