「簿記の職業訓練に関する情報提供。」 簿記の話 第1回

 公共職業訓練や求職者支援訓練では、「簿記」に関する講座もあります。簿記の資格3種類の特徴と、簿記の学習が次の専門職につながっていく一例を案内しました。

1、簿記実務検定試験(全商)
 主催:公益財団法人 全国商業高等学校協会

主に商業高校の学生が対象で、3級、2級、1級があります。
在学中に2級を取得する方が多く見受けられます。また全商1級検定に合格しておくと、進学の際の推薦入学に結びつく短大や大学もあります。
2、簿記能力検定(全経)
 主催:公益社団法人 全国経理教育協会

主に専門学校の生徒が対象で、3級、2級、1級と、上級との4つの級があります。
なお、全経上級の検定に合格すると、税理士試験の受験資格ができます。
3、日商簿記検定試験(日商)
 主催:日本商工会議所・各地商工会議所

社会人を主な対象とした資格で、就職や転職に有利といわれ、3級、2級、1級があります。なにせ転職の履歴書には日商2級から書けるというキャリアコンサルタントも多いです。

 社会人は、簿記の勉強は日商3級からスタートです(なお初級簿記・原価計算も準備されているようですが3級と同時で)。商業高校の全商2級の方も日商簿記3級の取得からスタートです。これは3ヶ月あれば検定合格できると思います(遅くて6ヶ月)。ここからが大切なのですが、ここでやめてしまわずに日商2級まで継続して勉強し、合格してしまうことです。忘れないうちに合格確率を高めるためです。日商2級は商業簿記と工業簿記(一部原価計算あり)です。昔は算盤(そろばん)で割り算に苦労しましたが、今は電卓を使用できます。
 1級は「商業簿記と会計学」と「工業簿記と原価計算」です。範囲も広く深くて、かなり難しくなります。受験科目は公認会計士と被りはじめますし、1級を取得することで税理士の受験資格も獲得できます。

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