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有機的に生まれたコラボの可能性

ああ、よく考えたらここだけではなかった。碧さんは過去に同じようにブリコラージュさんで川端淑恵さんとも出会われ、作品を行き来させてコラボ作品を作り、コラボ作品以外にはそれぞれのソロの作品(美術作品としては不思議な表現だ😅。)を展示された展覧会をされていて、それを私も見に行った。
そう言えば、ブリコラージュさんも、「きっかけ空間」と自称されていた。
そんな私達(ブリコラージュオウナーの朋恵さん、勝手に「達」にしてごめんなさい。)の場所は別として、
美大で同級生、や、同業者、とかならともかく、
お互いの展覧会で出会い、片方の展覧会にZoomで来場した人が作品を気に入り、もう片方の人がその作品をもう片方の人のところに持って来て、お気に入りの作品の横に置いてみたらとても馴染んで、

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他にも、前の展覧会の後、この展覧会の間の朗読の会の時にも使わせてもらうのに置いてあった作品も置いてみたら馴染んで、

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それがきっかけとなり、
その時にあった作品を託し、「来年の展覧会の時は、コラボもしましょう!この作品を、その時までに仕上げて来てください。」と、いう流れで、コラボが決まるというのはとても珍しいのではないでしょうか。

今回、その宿題であった2枚がそれぞれこのように仕上がって来ました。

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そして、同じくこちらにも経緯を書いている、直前まで予定のなかった、10月26日の打ち合わせの際、託された壺達は、

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このように、

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それぞれ仕上がって来ました。 

話の流れから、上では先に1年前に託された作品、そして、最近託された作品の順に紹介しましたが、実際に見た順番、そして、出来上がった順番は、このように、壺の方が先でした。

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私は、野村さんとはもう26年の付き合いになります。ラ・ネージュで初めて開いたコンサートのお客様でした。
そして、展覧会は2001年に初めてさせていただいて、2003年にこの展覧会を。それ以来、ずっと途切れずお付き合いはありつつ長い間展覧会は開いておらず、2013年には以前noteにも書いた『1分間で絵を描こう』というワークショップを月一回続け、2017年にこんなコレクション展を、2018年の個展、2019年の3人展を経て、2020年には画業50年を記念して、2回に分けてこのような回顧展と2020年に描かれた新作ばかりを集めた展覧会をさせてもらいました。
少なくとも20年以上絵の変遷は見続けて来ました。
なので、壺の作品の仕上がりにはあまり驚きませんでした。
それはまさに野村ワールドだから。
普段、立体には描いておられなったとしても、変わらず確かに描かれることは、2019年の立体へのライブペインティングで見ていました。
でも、去年渡された宿題の2枚は、色が白いキャンバスのようだとしても、そもそもモザイクだけで完成、完結している作品に手を加えてそれ以上の作品にすることは非常に難しかったようで、ギリギリまで悩まれたようです。
そして出て来た2枚の作品に私はとても驚きました。
碧さんの世界に、優しく寄り添う野村さんがいる。
でも、それは確かに野村さんの世界。
碧さんの世界に野村さんの世界が加わり、より輝きを増した作品がそこにある。
世界でたった2点の、野村さんが、寄り添いながら、確かに自分の色を出している作品が、生まれた。
石モザイクの上に、野村さん色の、石の色がより映える油絵の具が、まるで元の石の色かのように丁寧に載せられている。

私は、長い付き合いのある野村さんが、そんな技ができる方だとは知りませんでした。もしかしたら、野村さん自身が、一番驚いておられるのではないでしょうか。
それは、相手の真価を認め、尊重しようと思うからこそ引き出された新しい顔だったのだと思います。
自分だけでは、また、これまでの出会いからは決して引き出されることのなかった新しい顔。
人間の持つ、無限の可能性に気づかされました。


今回、この作品展の最初の壁は、お二人、それぞれの作品を並べていて、

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制作年は、上からそれぞれ2005年、1999年、2000年、1996年。
それぞれ全くランダムに持ち寄られた作品で、この壁がそういう壁になることも、個展の主で沢山の作品を持ち込んでいる碧作品の中で、どれがここに並ぶかも全く決まっていませんでしたが、必然的にこういう配置になり、
1999年の野村作品と、2000年の碧作品が並びました。
2000,年の、これまでどこにも発表されたことがなかった碧さん23歳の若かりし日の作品が、野村作品に挟まれ、調和して、他の碧作品との違和感もなく、展覧会に足を運んだお客様から大評判となっています。
そして、1996年の野村作品は、奇しくも展覧会開幕当時(会期中にお誕生日が。)の碧さんと同じ年の時に描かれたものだということが判りました。

その、大評判の碧さんの未発表作品は、野村さんの友情出展の作品があったからこそ、今回世に出ることができたようにも思えます。

私は私の眼力?ご縁を信じて、ここでするどんなイベントにもお越しいただきたいと思いますが、どうしても、それぞれの作家さんに固有のお客様がおられることは否めません。そんなお客様方が、コラボすることによりミックスする。それもまた楽しい。

昨年は、Zoomを取り入れた時期と、ラ・ネージュが28年目で機が熟してきたのが相まって、この他にもそれぞれの作家さん同士で資材の融通(それぞれの場所ではそれ以上使い切れなくて、捨てるしかないけれど、勿体なくて取っておかれたものが、役立ちそうな技法を使う方の製作の材料に。)が始まった年でもありました。
その成果が出た頃に、それらの作品展、また、これまでは、野村さん単独の私のコレクション展をやったことがあるのですが、「同じ目で選んだ自然なコラボ」としての、私のコレクション展をやって欲しいという要望も出て来ているので、お茶室の設えのような意味で、再来年辺りから、四季に一回くらいはやっていきたいなぁと思っています。そこでまた新たな作家さん同士の出会いがあっても楽しいなぁ〜。と、妄想は、広がる。

そういう訳で、ラ・ネージュでは初めての、自然発生的なコラボが在る展覧会、が、無事、生まれ、可能性を広げてくれました。






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