犬と猫の思い出

ちょっと前に友達の家に行って、猫と触れ合わせてもらった。
猫を飼っている友達の家に上がるのは初めてで、自由気ままに家中を駆け巡ったり徘徊したり眠ったりする様を見て非常に癒された。

好奇心旺盛な子で、初対面だったけどしばらくしてから差し出した手に顔を擦り付けてくれた。
仕事中に気持ちが折れそうになった時、頭の引き出しからその記憶を取り出すことでなんとか心を保てている。

そのことで、受験期に出会った名前も知らない黒くて可愛いトイプードルに触らせてもらったことを思い出した。

帰り道に寄ったコンビニでたまたま目が合ってしまって、静かに尻尾を振ってくれた。
触っていいものか戸惑う私に、飼い主さんは「この子は人が好きだから、よかったら触ってあげて」と言ってくれたのを覚えている。
カールした独特の毛並みに触れた時、屈んだ私の膝に前足を乗せてくれて、なぜだかすごく泣きそうになってしまった。

種族が異なる生き物との触れ合いで自分という存在を受け入れてもらった時、なんだか許されているような感覚になるのはなんでだろう。
いっそのこと毛むくじゃらの愛らしい獣になって、全人類を許し許されたいところである。

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