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SUP:インフレータブルのシート接着方法ってどうなんです??

インフレータブルのSUPはPVC(塩化ビニール)という素材を張り合わせて作られています。
張り合わせということはシート同士を接着をするわけなのですが、この接着技術について賛否両論が出ています。


大きく分けて2つの接着方法

シートの接着方法としては大きく「接着剤」「熱での溶接」の2つの方法が使われています。 この2点のメリットデメリットとしては

接着剤 (Grue)

合強度については、どのSUPにおいても簡単には剥がれない程度の材料がされているとおもいます。 
メリットは、仕上がりがきれいで接着面に気泡が出ることが少なく、密閉率が高くできます。また、工場での成形の際に修正がしやすく、不良率が低いのもメリットです。
デメリットとしては違いが出てくるのは表面温度が上がった時です。表面温度が上がると接着材料のものによっては接着剤そのものの溶解が始まる傾向があります。

熱での溶接 (Heat weld)

ここのところ人気が出てきている接合方法で、バーストしないとも言われています。
メリットは、溶接になっているので、素材そのものでくっついているので、素材自体が剥離しない限りはがれません。
デメリットとしては溶接時の温度管理が大変難しく、ちゃんと接着できていない箇所がでてしまうところ。 
製造時の成形が難しく、やり直しができないので不良率が高い傾向にもあります。 なので、母材そのものを溶かすのではなく、補強テープを上から貼り付けるので重くなる傾向があります。

溶接時のボードの構造

溶着技術を使用する際に現在図のように作られているものと、2と3の順序が逆の物があります。

先にSUPのレイヤーって?の記事を読んでもらえれば理解が早いかもしれません。
1のベースシート。これは形状の成型に問題が出るので、接着剤での接着。
2のシートでシート1を抑えるように補強テープを溶着技術を使って補強。
3のシートはコーティングするシート。これですべてのシートを覆うように接着。これも接着剤での接着。

つまりすべてを溶着することが難しいことが現状で、大概の部分は結果接着剤を使用しています。 接着剤のゆるみなどによるピンホールからのエアー漏れに対して有効であることが大きいです。

接着剤と熱接着の強度は?


実際にサンプルテストしてみました。

接着剤使用時の引きはがしテスト

接着剤を利用しているものを引きはがしてみた場合、かなりの力で引きはがす必要があり、ちょっとやそっとでは剥がれません。
剥がれた時には、シートそのものが剥離してしまうほどの強さ。

溶着時の引きはがしテスト

溶着しているものを引きはがしテストした場合、シートそのものが剥離してしまうかとも思ったのですが、意外と溶着部分の剥がれが出ています。
画像にはありませんが、さらに引きはがしていくと、シートそのものが剥離していましました。

まとめ

接着剤を使用しても溶着をしても接着強度はそこまで変わらないことが分かりました。
先日レースにも出られているの方々ともお話しましたが、「熱溶着するとその分重くなっちゃうんだよね。軽い方が速いからそっちを気にしているよ。バーストするときは何やっててもバーストするから」とのこと。

実用強度がしっかり保てて、自由に楽しくカッコよくあそべるギアが一番だなと実感しました。

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