送り火と兆し~立秋の時~【詩】

都会の暮らしの疲れを癒す 田舎の盛夏の原風景
日射しの木陰 蝉の鳴き声 小川のせせらぎ 耳澄ます君

突き抜ける空の彼方の記憶 戻る頃には微かに感じる
目に見える真夏の景色の中 目に見えぬ立秋の風の気配

永い人生のいつかは違えど 必ず最盛期は訪れる
培った経験に裏打ちされ 眠っていた才能が開花する

目に見える成功に酔いしれる その頃はすでに変化の兆し
目に見えぬわずかだが確かな それを感じる真価が問われる

今年も五山に送り火が灯り 亡き人を想い響く鎮魂歌(レクイエム)
再会を誓いしばしの別れ 名残惜しき残暑もあとわずか

「立秋」 新暦八月七日~二十二日(頃) 初めて秋の気配が表われてくる頃

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