寒水腐らず~大寒の時~【詩】

来る年を迎えひと息つけば 冬も終焉(おわり)を告げんとする頃
山に囲まれた盆地の都は 一年で最も寒い 大寒

吹きすさぶ寒風が頬を突き刺し 大地と水面を固く閉ざすも
白い霧の向こうに微かに射す 陽光に春の希望を見い出す

底冷えに身も心も凍てつく 暖かな春に包まれるために
避けて通れぬ厳しさに耐えよと 言うは易く行うは難し

されど 寒中に汲む水腐らず 寒冷が自然のいのちを引締め
豊かな味わい深さを引き出す 想い致せばそれもまたよし

「鬼は外へ 福は内へ」 季節の分かれ目に邪気追い払う
気づけばいつの間にか立春 待ち侘びた季節はすぐそこまで


「大寒」 新暦一月二十一日~二月三日(頃) 寒さが最も厳しくなる頃

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