夜明け前の~冬至の時~【詩】

暗雲立ち込める灰色の空から 音ひとつ立てず激しく降れば
凍てつく水面に白化粧の木々 孤独な冬至の深き夜の長さ

されど明けない夜はかつてなく 目覚めた朝には眩しく光る
澄みわたる空と白銀の世界 一陽来福 好転の兆し

仕事納めの師走の暮れに 往く年を想い起こし振り返る
欲望 過ち 悔恨 失意 他人を責めては己れを責める

苦悩の日々もこの日が節目 日はまた昇り 日は長くなる
ゆっくりとしかし確かな速度で すべてはただ光の射す方へ

「一年の計は元旦にあり」 年神様迎え 背筋伸ばす
身体の芯まで底冷えするも 気持ちは新たに いと晴れやかに

「冬至」 新暦十二月二十二日~一月五日(頃) 一年で昼が最も短く夜が最も長くなる日

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