冬来たりなば~大雪の時~【詩】

漂う朝靄に独り佇む 見上げた曇り空は重く澱み
頬を刺す北風に枯れ葉が舞い 凍てつく大地に真っ白な吐息

静まり返ったその光景は 生きとし生けるもの動きを止め
地中深くに冬籠もりする いよいよ大雪(たいせつ) 冬将軍の到来

見通せぬ視界は灰色に染まり 向かい風に折れんばかりの心
なすことのすべてが裏目に出て ひたすら耐え忍ぶばかりの日々も

「冬来たりなば春遠からじ」 身を屈(かが)めつつもその先を見据え
やがて訪れるその瞬間(とき)を信じ 心を備え 力を蓄える

曇天から落ちる枯れ葉もあれば 晴天に踊る風花もある
極寒の中にも美しさを知る 押し迫る年の瀬 往く年去らば


「大雪」 新暦十二月七日~二十一日(頃) 雪が激しく降り始める頃

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?